新型デート商法の手口5ステップを解説!返金&慰謝料をとる手段は?

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投稿日時 2018年09月18日 15時27分
更新日時 2019年09月04日 16時27分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • デート商法の被害にあい、マンションなどの高額商品を買わされた人

  • 婚活アプリなどで異性に会いたいと言われたが、信用しきれない人

  • デート商法の被害にあったが、お金を取り戻すのをあきらめている人

はじめに

恋愛感情を利用し、宝石や毛皮などの高額な商品を売りつける「デート商法」。

昔からよくある詐欺のひとつとして知られていましたが、婚活サイトやアプリが普及するにつれて、その数が急増しています

売られる商品も、投資用マンションや社債といったより高額なものになり、中には数千万円という桁違いの額を支払ってしまうケースも。もはや「勉強代だったね」ですませるレベルを超えてしまっています。

結婚を焦る男女を襲う、悪質なデート商法……。この記事では、その最新手口や対処法について、紹介していきます。

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1.こんなケースは要注意!最新・高額デート商法の手口5ステップ



一般的なデート商法のイメージといえば、異性の魅力を利用して店舗に呼び出し、絵画・宝石・毛皮などの高額商品を買わせるというもの。

しかし、近年のデート商法の手口は変化しています。
以下の通り解説していきましょう。

①出会いにアプリ、SNSなど、インターネットを活用

以前までのデート商法は、パーティやイベント、街頭での声かけが中心でした。
しかし、SNSや婚活アプリの利用者がふえるにつれて、こうしたネットを活用して知り合うケースが増加しています。

一般人を装っているため判別は難しいのですが、たとえば次のようなケースは、少し警戒したほうがよいかもしれません。

  • プロフィール写真は美男・美女だが、写真の数が少ない
  • ハイスペックなのに、相手の年齢、趣味などにこだわりがなさすぎる
  • 「まだ慣れません」「上京したばかり」など、初心者アピールが多い
  • 自分の仕事についてあいまいにごまかすことが多い

②すぐには勧誘せず、デートを重ねて関係を深める

「会いたい」と言われ、待ち合わせたお店に行くと長時間の勧誘を受ける……。いままでのデート商法では、そんなパターンが一般的でした。

しかし近年では、実際に出会ったあとでも何回か食事やデートを重ね、関係を深めていくという形が増えています。何度も会うことで信頼を得ると同時に、恋愛感情を相手にもたせ、視野をせばめていくのです。

場合によっては、結婚をちらつかせたり、肉体関係を持つことさえあります。

③徐々に商品の話題を出し、興味をひく

相手の信頼を得たあとに、業者は商品の売り込みをはじめます。とはいえ、いきなり「いい商品があるから、見に来ない?」と切り出してくるわけではありません。

ここでよく利用されるのは「結婚」という言葉。
将来のために」と言って、株やマンションへの投資について話題にします。

もうひとつのパターンとして、「昔の自分は貧乏だったが、ある教材やツールを使うことで収入が増えた」として商品を紹介するというものもあります。

いずれにせよ、ここでもまだ強く売り込むことは少なく、相手が商品そのものに興味を持つか、もしくは「この人が言うならやってみようかな」と思った場合、次のステップへと進みます。

④店舗に呼び出して勧誘

相手が契約する意思を示すと、「お世話になった人」や「上司」を紹介するといって別の場所に呼び出し、契約へと持ち込みます。

ここで不安を感じて断ろうとしても、「信じて欲しい」「すでに契約すると伝えてしまっている」など、安心させたり、同情をひいたりして、契約へと持ち込みます。またこの時点で、同時に頭金などを支払わせるケースが大半です。

⑤契約後もしばらくは恋人関係を続ける

契約が終わったとたん、相手と連絡がとれなくなった……

そんなデート商法にありがちなケースも、実はそこまで多くありません。おおよそ一週間から二週間ほどは、変わらずに今までどおりの関係が続くことが多いです。

その理由は……クーリング・オフ制度を使わせないため

相手を電話や対面で勧誘したり、店舗に呼び出したりして契約させる行為は、アポイントメントセールスや訪問販売などにあたります。こうした契約の場合、無条件で一方的に契約を解除できるクーリング・オフという制度を利用することができます。

ただし、こうした制度には期限があるため、それを過ぎるまでは恋人の関係を続け、相手に解約をさせないようにしているのです。


いかがだったでしょうか?
以上のように、近年のデート商法は、「相手を信頼させる」までに非常に多くの手間をかけていることがわかります。ここまで関係を築いていると、いざ相手を訴えても「向こうが付き合っていると勝手に勘違いしただけ」と言い逃れされてしまい、違法であるという立証も難しくなりがちです。

しかし、高額化・悪質化するデート商法の被害をうけ、法改正などの対策が進みつつあります。次の章で詳しく説明していきましょう。

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2.法改正も追い風に?デート商法が違法と認められた訴訟事例



高額化するデート商法被害の現状を受け、国は2018年6月、消費者契約法を改正しました。

一年後の2019年6月15日以降は、デート商法により「恋愛感情などに乗じて契約させる」勧誘を取り消すことができるようになります。

(参考サイト:消費者庁:消費者契約法の一部を改正する法律

こうした動きにくわえ、訴訟でデート商法を違法と認めるケースも出てきています。国民生活センターなどの資料をもとに、ふたつの事例を紹介しましょう。

①デート商法による投資勧誘の事例

(参考サイト:国民生活センター
概要 結果
ふたりの男性が、婚活サイトを通じて知り合った同じ女性からそれぞれ投資を勧められ、言われるがままにお金を出資してしまった事例。 女性のデート商法が違法であると認められただけでなく、裏でそれを指示していた業者などに対しても共同責任があると認められた

女性が交際するふりを装って投資の勧誘をしていたこと、それを業者が業務の一環として行っていたことを認め、違法なデート商法であるとはっきり認定した事例となります。

②デート商法によるマンション投資勧誘の事例

(参考サイト:不動産適正取引推進機構
概要 結果
ある女性が、婚活サイトを通じて知り合った男性に勧められ、2580万円の投資用マンションを購入した事例。 勧誘者の男性だけでなく、男性が所属する会社やその代表者の責任が認められ、マンション購入代金の一部と弁護士費用を支払うよう命じられた。

この事例では、男性は自身に婚姻歴があることや、子どもがいることを隠していました。
判決では勧誘者の男性は女性の恋愛感情を利用してマンションを購入させたと判断。また彼の所属する会社や代表者もデート商法に関与していたと認めています。

最終的に、マンション代金の2580万円から処分価格1100万円を差し引いた1480万円、諸費用81万円、弁護士費用156万円を支払うよう命じられています。


違法性を証明しづらいとされているデート商法でも、近年ではこうして損害賠償が認められるケースも出てきているのです。

では実際に被害にあった場合、まずはどこに相談すればよいのでしょうか?
次の章で解説していきます。

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3.デート商法の被害にあったら……2つの相談窓口



デート商法の被害を相談する前に、まずは以下のものを集めておきましょう。
絶対に必要というわけではなく、できる限りでかまいません。

  • 相手とのLINE、メール等のやり取り、婚活サイトのプロフィールなど
  • 業者との連絡のやり取りの記録、パンフレットや契約書類、会社ホームページなど
  • これまでの経緯を時系列順にまとめた資料

そのうえで、代表的な窓口ふたつをご紹介します。

消費者ホットライン局番なしの188

消費者庁が設置している、全国共通の消費者トラブル相談窓口です。
局番なしの「188」に電話し、ガイダンスに従って操作することで、最寄りの消費相談窓口に電話をつないでくれます。

詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。


法テラス0570-078374

国が一般市民の法律トラブルサポートのために全国に設置している施設です。
電話の内容によって適切な窓口を無料で紹介してくれるほか、メールでの問い合わせも24時間受け付けています。

収入が一定以下の人は申請すれば無料での法律相談も行っていますので、利用してみてもようかもしれません。

また、こうしたデート商法には、過去に集団訴訟となったものもあります。

参考:婚活サイトで知り合った交際相手にマンション買わされるデート商法で集団提訴

ひとりだけでは「個人の事情」ととられてしまいがちなデート商法ですが、複数の人が同様の手口で、同じ人物・会社とトラブルになっているのであれば話は変わってきます

被害者どうしで集まって証言を集めることで、違法なデート商法であることの証明を有利に進められる可能性があるのです。

「集団訴訟って、どんなものなの?」と思った人は、下記の記事も参考にしてみてください。




4.まとめ

  • 婚活サイトや婚活アプリの普及によって、デート商法が激増。手口もより複雑になり、本当に恋人のような関係になってから、マンションや株などの高額商品を売りつけてくる

  • 被害額の増加をふまえ、2019年からデート商法の解約が可能に。また訴訟でデート商法が違法であると認められる判決もでてきている。

  • 被害にあった場合は、国民生活センターや弁護士に相談を。また被害者が集まることで、「個人の事情」とみなされがちなデート商法の悪質性を証明しやすくなる

おわりに

いかがでしたでしょうか?

「結婚」や「出会い」を求める人たちの心につけこみ、信頼関係を利用するデート商法。お金だけでなく、心にも大きな傷を負わせるところにその悪質性があります。

この記事がデート商法の予防・対策に、少しでもお役にたてば幸いです。


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