集団訴訟のやり方って?いますぐできる4つの方法を紹介

2018年07月25日 12:13:44基礎知識

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 詐欺などのトラブルに遭い、他にも被害者がいないか気になっている人

  • 訴訟を起こしたいが、ひとりでは不安だと考えている人

  • 多くの被害者がいることを知り、実際に集団訴訟を起こそうと考えている人

はじめに

企業などを相手にしたとき、個人ひとりで訴えるのはお金も手間もかかり大変……。そんなときの手段として、同じ被害を受けた人同士で訴訟を起こす集団訴訟があります。

では実際に集団訴訟を起こすにはどうすればよいのでしょう? 同じ被害を受けた人たちとつながるためには、どんな方法があるでしょうか?

この記事で解説していきます。

1.そもそも集団訴訟って、なに?



詐欺やパワハラなどのトラブルに遭ったとき、同じ相手から、同じ被害を受けたもの同士で協力しあって訴訟を起こすことを集団訴訟と呼びます。

日本の法律では、以下のような場合に集団訴訟を起こすことができるとされています。

  • 訴える相手が同じ権利や義務を持っている場合
  • 例)不動産などに関係する訴訟を起こすとき、相手が複数人で名義を共有している場合
  • 訴える目的が同じ原因で引き起こされた場合
  • 例)バスの事故で複数人が怪我をした場合など
  • 訴える目的が同じような種類であり、法律上同じ原因によって引き起こされる場合
  • 例)同じ会社に騙されて商品を契約した被害者が複数人いる場合など

詐欺被害などの集団訴訟は3つめの「訴える目的が同じような種類であり、法律上同じ原因によって引き起こされる場合」に当てはまります。

さらにもうひとつ、集団訴訟を起こすためには裁判をする場所(管轄)が同じであることも必要な条件となっています。

たとえば、偽物のバッグをブランド品と偽ってネット販売している会社が東京にあり、九州と大阪に住んでいる人たちがそれぞれ被害にあった場合だと、

  • 相手の本社がある東京の裁判所で全員分の集団訴訟を起こす
  • 九州に住んでいる人たちと大阪に住んでいる人たちで別々の集団訴訟を起こす

の、いずれかの方法を選ぶ必要があります。

集団訴訟には「参加者全員の証拠を共有できる」「費用が安くなる」などといった特徴があります。詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。


2.いますぐできる! 集団訴訟を起こすための4つの方法



では、実際に集団訴訟を起こすためにはどうすればいいのでしょう?
比較的すぐに実行できる4つの方法として、

①被害者の会や弁護団がないかどうかを探してみる
②被害対策弁護団に相談してみる
③消費者団体訴訟制度を利用する
④自分で被害者の会を設立する

といった方法があります。
それぞれ詳しく解説していきましょう。

①被害者の会や弁護団がないかどうかを探してみる

詐欺などの消費者トラブルの場合、すでに被害者の会が発足し、集団訴訟に向けて動いている場合があります。たとえば過去に話題になったベネッセの情報漏えい問題や、コインチェックの暗号通貨の流出事件などは、「会社名 被害者の会」「会社名 弁護団」といった検索ワードで検索し、同じような被害を受けた団体がないか探してみましょう。

ただし、被害者の会を装った詐欺には注意が必要です。
とくに投資詐欺などの場合、被害者の心情につけ込んでさらにお金を騙し取ろうとするケースがあります。きちんと運営されている会なのかどうかを確認するためには、

  • 実在する弁護士が運営に関わっている
  • これまでの活動や今後の活動予定をきちんと明示している
  • 住所・電話番号などの個人情報をすぐに求めてこない
  • 高額な入会費や年会費を要求してこない

などをチェックしておくとよいでしょう。

②被害対策弁護団に相談してみる

被害対策弁護団とは、労働問題(パワハラ・不当解雇など)や医療問題(美容外科、医療ミス)悪質商法などといった特定の問題について、弁護士が共同で被害者の援助をしている団体のことです。

過去に集団訴訟を経験していることが多いため、同じような被害者がいないかどうかなど、一度相談してみてもよいかもしれません。

<被害対策弁護団のリンク>

  • 医療問題弁護団
  • http://www.iryo-bengo.com/
    →医療問題を中心に、被害者の支援を行っている弁護団です。過去には品川美容外科のフェイスリフト施術被害やレーシック手術被害の集団訴訟を手がけています。
  • クレジット・リース被害対策弁護団
  • https://credit-lease.com/
    →投資用マンション詐欺の被害者や、クレジットカードでの詐欺(高額な商品をカードを使って次々買わされるなど)被害者に向けた訴訟を取り扱っています。
  • ブラック企業被害対策弁護団
  • http://black-taisaku-bengodan.jp/
    →パワハラ、長時間労働、残業代の不払いといった労働問題について取り扱う弁護団で、被害の多い企業に対しては集団訴訟をすることも考えているそうです。
  • サブリース被害対策弁護団
  • https://sublease-bengodan.jimdo.com/
    →「家賃30年保証」などと言ってアパート建築をすすめ、そのあとに家賃の引き下げや契約の打ち切りなどを一方的に行うサブリース被害について取り扱う弁護団です。過去にはレオパレス21に関する相談依頼を受けていたことがあるようです。

③消費者団体訴訟制度を利用する

消費者団体訴訟制度とは、強引な勧誘や紛らわしい契約・広告による被害など、企業などから購入した製品やサービスについてトラブルがあったとき、消費者の代わりに、企業の不当な行為の差止めや、被害の賠償請求を行ってくれる制度のことです。

利用したいときは、目的に応じて、下記の消費者団体に相談をしてみましょう。


ただし、消費者団体訴訟制度には制限もあり、2018年6月時点では
  • 団体しか訴えられない(会社の代表や役員に直接賠償請求をすることはできない)
  • 金銭のやりとりについてしか賠償請求しかできない慰謝料治療代は請求できない)
  • といったところに注意が必要です。

④自分で被害者の会を設立する

①から③までの方法でもうまくいかなかった場合、自分で被害者を募り、被害者の会を設立してみましょう。

ウェブページなどの制作、会員同士とのコミュニケーション、弁護士との相談や連携など、必要な作業は多くなりますが、うまく会員が集まれば集団訴訟の実現につながるでしょう。

集団訴訟プラットフォームのenjinでは、登録・申請することで簡単に集団訴訟を立ち上げ、被害者を募ることができます。

3.集団訴訟を起こすまでのステップや費用



では、実際に被害者が集まって訴訟を場合、どんなプロセスで訴訟へと進んでいくのでしょうか?

まず必要となるのは、証拠の整理と調査です。

団体の代表者や担当の弁護士が被害者たちとコミュニケーションを取り、いつ、どこで、誰と、どんな契約をして、どのような被害に遭ったのかの証拠を整理し、訴訟ができるかどうか、また、どのような形で訴訟を進めていくのかを考えていきます。

方針が固まると、弁護士は裁判所に提出する訴状の作成を行います。相手に対する主張や、請求する賠償金額などについても、具体的になってゆきます。

裁判所に提出した訴状が相手に届いた時点で、訴訟がスタート。訴えられた相手は訴状の内容に答える答弁書という書類を提出し、それからお互いに証拠と証人を集めて、裁判所での口頭弁論に参加します。ここでお互いの主張を行い、訴訟を進めていきます。

裁判を起こすためには着手金調査費といったお金が事前に必要となりますが、
多くの人が参加する集団訴訟の場合、こうした費用を分担して、減らすこともできます。

集団訴訟の詳しいプロセスや費用については、下記の記事を参考にしてください。


4.集団訴訟が難しいと感じたら……少額訴訟と支払督促の利用



手段訴訟も検討したけど、やっぱり大変そうだと感じた人には、個人で簡単にできる訴訟制度としてや少額訴訟支払督促といった選択肢もあります。

少額訴訟は名前の通り、少ない金額(60万円以下)の金銭を請求する際に使うことができる簡易的な訴訟方法のことで、

  • 弁護士を通さずに訴訟できる
  • 費用が安い
  • 訴訟から解決までのスピードが速い

というメリットがあります。

支払督促も同じように金銭の支払いの請求を相手に行うことができる制度ですが、
少額訴訟と違う点として、

  • 請求金額の上限がない(60万円以上の請求も可能)
  • 印紙代(裁判の申請に必要な税金)が訴訟の半額
  • 裁判所での強制執行(相手の財産を強制的に差し押さえること)が可能

という特徴があります。

一方で両者のデメリットとしては

  • 相手が異議を申し立てた場合、通常の訴訟をしなければならない
  • 相手の住所が不明の場合、申請することができない

の二点が挙げられます。

より詳しい解説はこちらの記事で説明していますので、参考にしてみてください。


5.まとめ

  • 同じ相手から同じ被害を受けた人どうしで協力して訴訟を起こすことを、集団訴訟(共同訴訟)と呼ぶ。

  • 集団訴訟を起こすための方法として、①被害者の会に連絡する、②被害対策弁護団に連絡をする、③消費者団体訴訟制度を利用する、④自分で被害者の会を設立する、などの方法がある。

  • 実際に被害者が集まると、弁護士による調査、訴状の作成と送付、相手からの答弁書での返答、口頭弁論を経て、実際に訴訟が進んでいく。

  • 集団訴訟以外にも、少額訴訟支払督促といった手段があるが、それぞれにデメリットもあるので注意が必要。

おわりに

集団訴訟を実際に起こすためのステップを紹介してきましたが、いかがでしたか?
どれだけ被害額が少なくても、取り戻すべきことであることに変わりはありません。
泣き寝入りをする前に、一度ご紹介した方法を検討してみてはいかがでしょう。

この記事が少しでも被害を受けている皆さんのお役にたてば幸いです。
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