集団訴訟のメリットって?ひと目でわかる早見表で4つの違いを解説!

2018年07月25日 15:36:38基礎知識

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • トラブルに遭っているが、訴訟を起こすお金がない人

  • 集団訴訟への参加を検討しており、もっと詳しく知りたい人

はじめに

詐欺、パワハラ・セクハラ、医療ミス、欠陥商品……日常生活で遭遇するさまざまなトラブル、「どうせお金も時間もないし」とあきらめていませんか?

こうしたトラブルの解決策のひとつに、集団訴訟という選択肢があります。
同じ相手から被害を受けた人たちで協力し、訴訟を起こすというもので、ひとりで訴えるのと比べて様々な違いがあります。いったいどう違うのでしょうか? どんなメリットがあるのでしょうか? この記事では集団訴訟のメリット・デメリットについて解説していきます。

1.ひと目でわかる! ひとりでの訴訟と集団訴訟のちがい早見表



まずはひとりで行う訴訟と集団訴訟の相違点を下の表のとおり4つのポイントにまとめました。

ひとりでの訴訟 集団訴訟
①費用 最低でも20万円前後 数万円~
無料になるケースもアリ
②期間 場合により数ヶ月~数年 2~3年以上
③証拠の集まりやすさ 個人で集めた証拠のみ 他の参加者の証拠も利用可
④世間への影響 基本的に小さい 規模に応じる

見比べてもらってわかるとおり、集団訴訟はひとりでの訴訟に比べて、性質にかなり大きな違いがあることがわかります。それぞれの項目について、集団訴訟のメリット・デメリットを順番に解説していきたいと思います。


2.タダになる場合もある? 費用面は集団訴訟の方がメリットあり



集団訴訟の場合、被害者の人数や被害の内容にもよりますが、個人で訴訟を起こす場合と比べて参加者ひとりあたりの負担費用は安くなるのが一般的です。

個人で訴訟を起こす場合の相場が最低でも20万円前後であるのに対し、集団訴訟は数万円からはじまり、場合によっては無料で参加できる場合もあります。

なぜこうした違いが出るのでしょうか?
大きな理由のひとつは、依頼時にかかる費用を参加者で分担できるからというものです。

弁護士に訴訟を依頼をする場合、おおまかにわけてふたつの費用が発生します。弁護士に事前に支払う「着手金」と、賠償金などが戻ってきてから払う「報酬金」です。このうちの着手金は、訴訟を始める前に支払わなければならず、訴訟で望んだ結果が得られなかった場合でも返金されません。

しかし、集団訴訟では多くの被害者が集まるため、この費用を全員でまかなうことで、ひとりあたりの負担を軽くすることができるのです。

そのほかの理由や、具体的な計算方法などが知りたい方は、下記の記事を読むと便利です。


また、たとえ数万円でも負担になるという人には、訴訟費用を肩代わりする施設を利用することができます。国が設立・管理している法テラス(日本司法支援センター)がそれで、無料での相談や訴訟費用の立替が可能です。

集団訴訟の場合でも、担当する弁護士が法テラスに登録している場合があります。
費用の分割払いなどができる可能性がありますので、一度相談してみるとよいでしょう。

3.被害者が多いと調整が大変?期間面でのデメリット



訴訟期間については、集団訴訟のデメリットと言えるかもしれません。

ひとりが訴訟を起こす場合と比べて、集団訴訟は被害者の数も多く、被害額や状況もさまざま。全員の事例について、ひとつひとつ訴訟で検証していくのは大きな手間です。

そのため、個人での訴訟がおおよそ数ヶ月から数年であるのに対し、集団訴訟では判決が出るまでに数年以上かかるケースが多くあります。

さらに、判決が出ても自分たちの期待していたものと違ったり、相手側が判決に不服だったりした場合、高級裁判所でもう一度裁判をするように求める控訴や、それでも決着がつかない場合は最高裁判所での裁判を求める上告などが行われる可能性もあります。

ただこうした集団訴訟が判決まで進むケースは稀で、多くは裁判の途中で和解が成立する形となりますが、それでも数年はかかることを覚悟したほうがよいでしょう。

4.証拠の集まりやすさに関するメリット・デメリット



証拠の集まりやすさに関しては、集団訴訟にメリットがあると言えます。
その理由が、「証拠共通の原則」です。

集団訴訟は、同じ性質の訴訟をひとつのものとしてまとめる制度です。

そのため、たとえ被害者ひとりひとりの事情が違ったとしても、ある被害者の提出した証拠をほかの被害者全員と共通するものと判断してよいことになっています。

たとえば、被害者のAさんが証拠として提出したテープレコーダーの音声などは、録音をしていなかった他の参加者たちの証拠としても扱われることになります。

当然ながら参加者が多ければ多いほど証拠が集まりますので、訴訟を有利に進めやすくなるのです。

5.世間への影響が大きくなることによるメリット・デメリット



多くの人が集まることになる集団訴訟は、必然的に相手への請求金額も大きくなりがちで、結果として世間にも大きなインパクトを与えることになります。

この点については、メリット・デメリットの両面があると言えるでしょう。
メリット・デメリットの二点にわけて解説していきます。

メリット


  • 相手企業にプレッシャーをかけられる

ニュースで大きく報じられるなどして、被害が大きく世間に知れわたると、それだけ相手側企業にとっては大きなプレッシャーとなります。会社のイメージが傷つき、売上にも影響するからです。結果として、和解の交渉が有利に進む可能性が考えられます。

  • 協力・支援を受けやすくなる

世間に活動が広まることで、新たな被害者が参加を表明したり、支援してくれる団体が現れる可能性もあります。事件の悪質性によっては、国からの行政処分などにつながるケースもあります。


デメリット


  • 相手企業の姿勢によっては訴訟が泥沼化する場合もある

集団訴訟を起こすことによって企業に与えるプレッシャーが大きくなることは先ほど説明しましたが、その一方で、相手がブランドイメージを守るために徹底的に争う姿勢を見せた場合は、訴訟が長期化・泥沼化するおそれがあります。


  • 運営面での負担が増える

世間的からの反響や、報じられている内容によって、被害者どうしの足並みが揃わなくなるということも考えられます。

集団訴訟の参加者ひとりひとりの事情は違いますので、たとえば特定の被害者の意見が報じられたことで「私の考えとは違う」と反発を招いたり、世間からの反響が大きくなることを怖がり、訴訟の継続に消極的になる人が現れたりします。

いずれの場合も、担当の弁護士とよくコミュニケーションをとりながら進めていくことが大切となります。

6.集団訴訟のプライバシーはどうなる?



これまで集団訴訟のメリット・デメリットを4つのポイントに分けて解説してきましたが、もうひとつのポイントとして、プライバシーの問題があります。

個人で訴訟を起こす場合には、弁護士に依頼する際に身分証を提示し、裁判所に提出する訴状にも自分の名前と住所を書かねばなりません。集団訴訟の場合はどうでしょうか?

結論から言うと、集団訴訟の場合であっても名前を書く必要はあります。

日本での集団訴訟は誰かひとりが代表となって訴訟をするのではなく、同じ被害を受けた人どうしで協力して行う形となります。そのため、訴状も代表者ひとりではなく、訴えを起こす人たち全員のものを用意しなければなりません。

また、訴訟の記録も裁判所に保存され、希望すれば閲覧することができます。

ただし、こうした記録は、あくまで裁判が正しい手続きで進められていることを知らせるためのものですので、こうした記録を第三者がネットなどの他の場所で公開することは名誉毀損にあたります。参加者の個人情報が広く流出するというリスクは少ないですが、それでも注意が必要となります。

7.まとめ

  • 個人訴訟と比べ、集団訴訟では①費用、②期間、③証拠の集まりやすさ、④世間への影響力の4つのポイントで違いがある。

  • 費用面では集団訴訟より費用を抑えられるというメリットがある。

  • 期間面では、個人訴訟よりも長期化しやすいというデメリットがある。

  • 参加者の証拠を全員で共有する「証拠共通の原則」により、集団訴訟の方が証拠が集まりやすいというメリットがある。

  • 世間への影響力に関しては、相手側へのプレッシャーが大きくなり和解を有利に進めやすいというメリットがある一方、相手側が争う姿勢を見せた場合、訴訟が泥沼化するリスクもあるというデメリットもある。

  • プライバシーについては、集団訴訟であっても個人訴訟の場合と同じく、訴える人全員分の氏名と住所が必要。また訴訟記録は誰でも閲覧できるが、その情報を公開することは名誉毀損などにあたるため、ウェブなどで名前が広まるリスクは比較的少ない。

おわりに

この記事では集団訴訟のメリット・デメリットについて解説しました。
集団訴訟は、あくまでトラブルの解決手段のひとつです。
メリット・デメリットをよく見極めて、適切な方法を選びましょう。
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