この記事は以下の人に向けて書いています。
- 購入したFXツールが詐欺ではないかとモヤモヤしている人
- 詐欺被害にあったと気づいたが、どうしたらいいかわからない人
- 弁護士などに相談したものの、望んだ答えが得られなかった……という人
はじめに
「FXで夢の副収入を」
「1日10分の簡単操作で月50万円」
そんなセールストークに釣られて購入した商材やツール。
だけど…実際に使ってみると全然稼げない!
もしかしてこれ、
詐欺?
そう思ったときは、まず専門家に相談してみましょう。
ただし、詐欺被害者をターゲットに、
「お金を取り戻せる」と持ちかけてお金をだましとろうとする詐欺グループも存在するため、相談先選びには十分な注意が必要。
そこで今回は、
FX詐欺にあったかもしれない場合の相談先と、相談先選びの注意点について、詳しく解説していきます。
1.どこに行けばいい?信頼できる相談先5つを紹介
FXに関する詐欺について、信頼できる相談先の代表例を以下にまとめました。
①消費者ホットライン |
電話番号 |
局番なしの188 |
受付時間 |
平日9時~17時、土日祝10時~16時
(※問合せ先窓口によって受付時間が前後する場合があります)
|
②適格消費者団体 |
電話番号
受付時間 |
団体ごとに異なる |
③金融サービス利用者相談室 |
電話番号 |
0570-016811
(IP電話の場合)03-5251-6811 |
受付時間 |
平日10時~17時 |
④警察相談専用電話 |
電話番号 |
#9110 |
受付時間 |
平日8時30分~17時15分(各都道府県警察本部で異なる)
なお、土日祝、時間外は当直か音声案内で対応 |
⑤弁護士 |
電話番号
受付時間 |
各事務所によって異なる |
こうした機関に相談する際は、事前に
業者とのやり取りの記録や振り込み口座の情報などの証拠をまとめておくようにしましょう。
ボイスレコーダ-による録音、メール、電話の音声、広告ページのスクリーンショット、業者名がわかる書類やぺージのURL、振り込み銀行口座、振り込みを証明できる通帳の履歴…等々、経緯を説明するものがなるべく多いほど後の相談がスムーズです。
それぞれの機関について、詳しく説明していきましょう。
①国民生活センター
国民生活センターは、国民の生活上で起こる様々なトラブルを解決に導けるようサポートする専門機関です。
FX詐欺を含め、投資詐欺による相談も多く寄せられているため、事例から詐欺の可能性を確認し、アドバイスをしてもらえる可能性が高いでしょう。
また相談内容に応じて、それぞれの専門機関へと繋ぐ窓口の役割も果たしています。
直接窓口に訪問して相談もできますが、具体的な被害にあっていない段階や、詐欺が疑われる段階であれば、電話で相談してみましょう。
詳しくは、こちらの記事も確認してみてください。
②適格消費者団体
適格消費者団体とは消費者のための公的機関のひとつで、誇大広告や悪質な契約などを行っている業者に対し、それらの行為を止めさせる
「差止請求」を行うことができます。
さらに適格消費者団体のうち
特定適格消費者団体と呼ばれる団体は、法的に問題のある行為によって消費者が受けた損害について、消費者に代わって
集団訴訟を起こし、取り戻すことができます。
こうした団体が訴訟を起こすためには「多数の被害者がいる」などの特定の条件を満たす必要があるため、「確実に訴えられる」というわけではありませんが、もしほかにも多数の被害者がいるような場合は相談をしてみましょう。
適格消費者団体および特定適格消費者団体の連絡先は、都道府県で異なります。
適格消費者団体について、こちらの記事でも詳しく解説しています。
③金融サービス利用者相談室(金融庁)
金融庁の運営する、金融行政・サービスに関して相談を受け付けている窓口です。
FX業者による詐欺を心配している旨を伝えることで
論点を整理し、金融商品取引法など法律に基づくアドバイスを得られるため、取引中の業者が違法業者かどうかがわかります。
必要に応じて専門機関を紹介してもらえるので、いちど連絡してみましょう。
ただし、あくまでアドバイスを提供する窓口のため、専門機関が事業者と消費者との間に入って積極的にトラブルを解決する「あっせん」や「仲介」「調停」などを利用することはできません。
④警察相談専用電話
警察相談専用窓口は、日常で起きたトラブルに対してアドバイスをしてくれる相談窓口です。110番とは異なり、緊急性が低いトラブルに対応する窓口なので、FX詐欺のトラブルはこちらに電話しましょう。
自分の被害はFX詐欺の可能性があるのか、今後どのように対応すればいいのかアドバイスを得られます。
相談した結果、詐欺だと明確になったら、警察に
被害届を提出しましょう。
加害者が逮捕されても被害金は返ってきませんが、警察の捜査により身元が判明するため、損害賠償請求も検討しやすくなります。
被害届の出し方について詳しくは、こちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
⑤弁護士
法的な相談をしたい場合は、弁護士を頼りましょう。
実際にFX詐欺にあい、被害金を取り戻したい場合は、業者と交渉が必要です。
法律の専門家に任せることで、被害金を取り戻せる確率が高まるので、返金に向けて行動を起こすときは必ず弁護士に相談・依頼しましょう。
弁護士を探すときは、FX詐欺など投資に関する詐欺事件に詳しい弁護士を探してください。探し方は以下の3通り。
- 日本弁護士連合会のウェブサイトから探す
全国の弁護士の情報やニュースが掲載されている日本弁護士連合会のウェブサイトから弁護士を探せます。
- 地域の弁護士会の無料相談を利用する
各地域の弁護士会は、法律の無料相談会を実施しています。
相談することで、今後にとるべき行動がわかり、さらに相性の良い弁護士に当たったらそのまま依頼を検討してもよいでしょう。
地域の弁護士会は、こちらのページから探してみてください。
- 法テラス
そもそも、経済的な理由で弁護士に相談・依頼できない場合は、法テラスに問い合わせてみましょう。
収入や財産などの利用条件を満たせば、1つの案件につき3回まで無料で相談を受けてもらえます。また、場合によっては弁護士費用の一時立て替えもできるため、いま手持ちのお金がない人でも弁護士に依頼することができるはずです。
法テラスにおける無料相談や費用の一時立て替え制度の利用条件などについて詳しくは、こちらの記事で解説しています。
電話番号 |
0570-078374 |
受付時間 |
平日9時~21時、土曜9時~17時 |
2.相談先選びは慎重に!被害者をさらに狙う手口のポイント2つ
FX詐欺の被害を相談する際に注意したいのが、返金に関する
さらなる詐欺被害です。
どのような手口で被害者を騙すのか、何に注意が必要か詳しくみていきましょう。
①被害を取り戻したい心理につけ込む
FX詐欺の被害にあったとき、被害者は「返金してほしい」という思いと同時に、混乱や焦りがあり、冷静に物事を判断できなくなっています。
そうした気持ちと判断力の低下につけこみ、
「被害額を取り戻せます!」などと言って、高額な手数料を騙し取るケースがあるのです。
実は、一度詐欺にあうと、
「詐欺に引っ掛かりやすい人物」として詐欺業者のリストに載ってしまい、別の詐欺業者にも共有されてしまうことがあります。
詐欺業者はリストをもとに、詐欺被害者へ「お金を取り戻しませんか」という郵便やEメールを送付。
判断力が低下している被害者は、調度良いタイミングで届いたDMを見て連絡してしまい、さらなる詐欺被害にあってしまうのです。
詐欺被害にあったら、まずは前項で紹介した国民生活センターや法テラス、警察相談専用窓口などに相談してください。
②公的機関を名乗る連絡があったら必ず確認を
警察や国民生活センター、金融機関、弁護士事務所などから「詐欺被害にあっていませんか?」という電話がかかってきた場合、詐欺業者の可能性が高いため、対応しないようにしましょう。
こういった
公的機関が連絡してくることはありません。
また、存在しそうな架空の公的機関や「公的機関から認可を受けた」などといい、詐欺救済の手続きを進めようとする団体から連絡があることもあるので注意が必要です。
こういった連絡が来て不安な場合は、
一度電話を切ってから自分でウェブサイトを検索し、表示された連絡先に「こういう電話が来たが本当か」と尋ねる電話をしてみてもいいでしょう。
3.「詐欺」かどうかモヤモヤしている人へ…FX詐欺の特徴3つ
「自分のケースが詐欺かどうか自信がない……」
そのような場合は、自分の被害状況が「FX詐欺」に当たるのか、FX詐欺の特徴や傾向と照らし合わせて確認してみましょう。
①派手な広告で「絶対」「儲かる」などの文言が並ぶ
FXの宣伝文に
「絶対儲かる」「スマホ一台で高収入」「今の生活から脱却!」などの文言が並ぶ場合、FX詐欺である可能性があります。
消費者契約法では、このような文言の使用を禁止しているからです。
不実告知 |
事実ではないことを広告文に使用してはいけない |
不利益事実の不告知 |
不利益が及ぶリスクを説明しない |
断定的判断の提供 |
不確実なことを断定的な言葉で伝える |
業者が禁止された表現を使って広告を配信している場合、そもそも法律を守っていません。
提供された商材も詐欺である可能性が高いと考えられます。
②自動ツールを売りつける
「放置するだけで儲かる」「印が出たときに購入するだけで儲かる」など、自動売買ツールを売りつけられるケースがあります。
FXにおいて多額の利益を得られることを宣伝する様々なツールもあり、いずれも詐欺の可能性が高いといえるでしょう。
また、必勝法と称して、ネットで探せるような情報を載せた情報商材を売りつけるケースもありますが、いずれも、
金額と内容が見合っておらず、購入者が損をする仕組みになっていることが特徴です。
③投資セミナーなどを通じて詐欺サイトに入会させる
投資セミナーで「必ず儲かるサイト」として
詐欺サイトが紹介されることがあります。
こうした詐欺サイトを利用した結果、
入会金を騙し取られた、取引をしても出金できないといった被害にあったケースが多く報告されています。
なお、セミナーでは、詐欺サイトへの入会だけでなく、
・自動ツールを売りつけられる
・情報商材を買わされる
などの被害にあうこともあるので、注意してください。
FX詐欺でよくみる情報商材詐欺の手口については、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、入会したサイトを運営しているFX業者が
金融庁の金融商品取引許可を得ておらず、知らないうちに法律に反して取引しているケースもあります。
未登録業者とは取引しないことが大切です。登録業者は、下記のサイトから確認できるのでチェックしてみてください。
金融庁の許可業者一覧
ただし、許可業者として掲載されていても、金融庁等が信用を保証するものではないので、自分自身で信頼に足る業者かどうか確認することが大切です。
4.まとめ
- FXの自動売買ツールや価値のない情報商材などによる詐欺が横行している
- 国民生活センターや警察、適格消費者団体などに相談することで解決できる可能性がある
- 被害金を取り戻したい気持ちにつけ込む詐欺業者からの連絡に要注意
おわりに
FX詐欺の可能性があったり、実際に被害にあったりした場合は、できるだけ早く公的機関や適格消費者団体に相談しましょう。
詐欺に引っかかりやすい人物として詐欺業者のリストに載れば、さらなる詐欺を持ちかけられる恐れがあります。公的機関を名乗っても信用せず、公式ウェブサイトに掲載の連絡先に相談しましょう。
こちらも参考にしてみてください。
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