残業代の時給はいくら?ひと目でわかる早見表&請求までの3つの手順

2018年10月18日 19:01:00労働問題

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 残業中の時給がいくらなのか知りたい人

  • 自分の残業代が平均より多いか少ないかを知りたい人

  • 実際に残業代を請求したい人

はじめに

自分の残業代はいくらくらいで、その金額はほかの人と比べて多いのか少ないのか……考えてみたことはありますか?

残業代の計算は、給与を時給換算した金額をベースに行われます。ただその計算方法は残業の長さや勤務形態によってかわるため、どうしても複雑になりがち。

そこでこの記事では、残業手当を含めた時給が概算でいくらになるか、計算式を使わずにひと目でわかる早見表を使って紹介していきます。主な業界の平均も出してありますので、自分の残業代の概算と、平均よりも多いか少ないかの目安にしてみて下さい。

また合わせて、残業代を請求するための方法も紹介していきます。

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1.ひと目でわかる!月給別・残業時給早見表



①早見表の使い方

まずは、早見表の使い方を紹介していきます。

  • 手当をのぞいた基本給を出す

    まず、給与から各種手当を除いたベースの額を算出する必要があります。以下の7項目にあたる手当は、残業代のベース賃金には含むことができません。

    ①家族手当 扶養手当とも。ただし、家族の人数にかかわらず一定金額を支給している場合は基本給に含めてOKなことも
    ②通勤手当 交通費やガソリン代。ただし、距離や運賃に関わらず一律支給している場合などは基本給に含めてOKなことも
    ③別居手当 単身赴任手当など
    ④子女教育手当 家族手当や別居手当に含まれることも
    ⑤住宅手当 家賃補助など。家賃や住宅ローンの額に合わせておらず、一律支給の場合は基本給に含めてOKなことも
    ⑥臨時に支払われる手当 傷病手当や結婚手当
    ⑦1か月を超えるごとに支払われる賃金 賞与、皆勤手当、勤続給など

    注意が必要なのは「◯◯手当」という名称そのものでなくても、実質的に上記の手当に相当する名目で支払われるものは除外対象となることです。

    また、上記以外の会社が定める手当については、除外対象とならず、基礎賃金に含まれます。(家族数に関わりなく支給される生活手当、へき地手当や物価手当、全員に一律で支給される何らかの手当など)。

  • 基礎賃金をもとに表を見て、だいたいの残業時給を知る

    次の②にある「残業代早見表」を参照し、自分のおおよその基礎賃金とその時給換算を見つけましょう。

  • 表の時給に、月の残業時間をかける

    表で出てきた時給に、月の残業代をかけてください。

    残業時間の基本は、1日8時間以上、および週40時間を超える勤務時間となります。

    ただし、会社が定める休憩時間は勤務時間とみなされませんので、注意してください。

    また、裁量労働制やフレックスタイム制、固定残業制などについては残業時間の捉え方が変わってきます。


②残業代早見表

以下が早見表です。


基礎月給(月給ー手当) 時給
160,000円 1,250円
180,000円 1,406円
200,000円 1,562円
220,000円 1,719円
240,000円 1,875円
260,000円 2,031円
280,000円 2,188円
300,000円 2,344円
320,000円 2,500円
340,000円 2,656円
360,000円 2,813円
380,000円 2,969円
400,000円 3,125円
420,000円 3,281円
440,000円 3,438円
460,000円 3,594円
480,000円 3,750円
500,000円 3,906円

※注意:こちらの表は、年間休日を125日と仮定し、残業代の割増率を時給×1.25に固定して算出した概算となります。休日の増減や深夜残業、休日出勤の有無によって割増率は異なりますので、あくまでも参考とするにとどめてください。

よりくわしい計算方法を知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。


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2.あなたの残業代はどのくらい?業界別・平均残業代リスト



あなたの残業代の時給はどのくらいか、おおまかな数字が算出できたかと思います。次に、その金額が一般的な平均と比べて高いのか低いのかを見てみましょう。

厚生労働省の統計をもとに、業種別の残業代時給を表にまとめました。自分の残業代が平均と比べて、極端に少なかったりしないかどうかの目安としてみてください。

  • 計算方法

    厚生労働省の統計をもとに、一般労働者の業種別「月間現金給与額の所定外給与額」を、「月間実労働時間の所定外労働時間」で割ることにより算出

業種 時給
鉱業、採石業等 2,035円
建設業 1,710円
製造業 2,093円
電気・ガス業 3,706円
情報通信業 2,069円
運輸業、郵便業 1,697円
卸売業、小売業 1,632円
金融業、保険業 2,047円
不動産・物品賃貸業 1,635円
学術研究等 1,805円
飲食サービス業等 1,379円
生活関連サービス等 1,440円
教育、学習支援業 663円
医療、福祉 2,821円
複合サービス事業 1,781円
その他のサービス業 1,651円
産業計 1,836円
参考:厚生労働省 毎月勤労統計調査 平成29年分結果確報

3.なんだか残業代が少ない……考えられる理由3つとその対処法



これまでに算出してきた金額と業界平均を比べて「やはり残業代が少ない」となった場合、どんな理由が考えられるでしょうか? その理由と対処法をまとめてみます。

①労働時間が短くカウントされているから

労働時間に含まれるにもかかわらず、企業が残業とみなさないために労働時間が短くなっていることがあります。

具体的には、以下のようなケースが残業とされないことがありますが、これは残業代に含まれる勤務時間として換算できるものです。
自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

  • 昼休み時間の電話・来客番
  • 社員旅行や社内行事
  • 作業服や制服へ着替える時間
  • 持ち帰り残業、朝残業(認められない場合もある)

②特殊な労働形態を都合よく使われているから

給与にあらかじめ残業代が含まれているなど、一般的な雇用形態でないために「残業代は出ない」と言われているパターンです。

しかし、そのような場合でも、残業代の請求が可能なこともあります。以下のケースにあてはまっていないか確認してみましょう。

  • 変形労働制:就業規則で定められた労働時間(毎日一定時間とは限らない)を超えた場合
  • フレックスタイム制:週40時間または1か月当たりの総労働時間を超えた場合
  • 固定残業制(みなし残業制):みなし労働時間に法廷労働時間を超える時間外労働があった場合
  • 年俸制:実際の労働時間が1週間または1日あたりの法廷労働時間を超えた場合
  • 裁量労働制:労使協定のみなし労働時間8時間を超えた場合

③管理職手当をつけられているから

管理職であることを理由に残業代を支払わなくてもいいわけではありません。

ポイントとなるのは、対象となる本人の業務が管理監督責任者としての実態を持っているこかどうかです。

東京都労働局は管理監督責任者の定義について、「労働条件の決定その他の労務管理について、経営者と一体的な立場にある者」としています。従って「課長」「店長」などの肩書きではなく、採用に関する裁量などについて、事実上経営者に近い権限を持っているかどうかが重要となります。

悪質な例として、管理職という肩書きだけを与えて残業代を支払わない、いわゆる「名ばかり管理職」というものがありますが、こうした場合は残業代を支払わなくてはなりません。同様に深夜手当も支払う義務があります。

④残業代が少ないと思ったときの対処法

様々な条件を考慮し、計算をしてもやはり自分の残業代が少ない、または全く出ていないといったケースがある場合、下記のことを考慮しましょう。

会社とは自分で交渉することも可能ですが、被雇用者はどうしても立場が弱くなりがちです。必要があれば、弁護士などの手を借りることも想定に入れましょう。

  • 勤務実態のわかる証拠を集める

    タイムカード、日報、勤務時間内であることがわかるメモ、雇用通知書、就業規則、給与明細、家族の証言などが証拠になります。
    ただし、証拠集めの際は会社側とトラブルになる可能性もありますので、慎重に行いましょう。

  • 労働基準監督署に相談する

    会社の雇用形態が違法であることがわかれば、行政指導を入れることができます。ただし、残業代の支払いまでケアをして貰えるわけではありません。

  • 各種のサポート機関に相談する

    労働組合(ユニオン)を通じて会社と交渉する、サポート機関の窓口に相談してみるなどの方法があります。

  • 弁護士に相談する

    労働審判制度を利用したり、労働訴訟を起こしたりすることができます。
    自分だけでなく、企業全体が他の社員にも残業代を支払わないことが発覚したら、同僚やすでに退職した元社員らと集団訴訟をすることも検討しましょう。

残業代の未払いについて、自分のケースは未払いを取り戻せるのか? さらに詳しい請求方法や対処法を以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。



4.まとめ

  • 特殊な雇用形態でも残業代は請求できる

  • 社内行事や昼の電話番も残業代の対象になる

  • どうしても解決できない時は訴訟も検討を

おわりに

人手不足が深刻化する昨今の世の中では、一人当たりの業務量が多くなり残業が増えている人も少なくありません。しかし、実際に自分のケースはどうなっているのか、貰える分を取り逃がしてはいないか、一度確認してみるのも良いかもしれませんね。


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