書き手:enjin編集部
関連キーワード:副業詐欺,見分け方,ネット,対策,インスタグラム
この記事でわかること
- 副業詐欺の特徴
- 状況別の返金方法
- もしものときの相談・通報先
はじめに
SNSで知り合った、顔も知らない人から「
絶対に儲かる副業がある」などという誘いのメッセージを受け取ったことはありませんか?
この手の話は、ほとんどが詐欺。個人を装って、悪質な業者が裏に潜んでいるのです。
気がついたら、儲かるどころか損していた……。
そんなことがないように、この記事では副業詐欺の見分け方や、もしもの時の解決策(返金方法)について紹介していきます。
1.副業詐欺にありがちな4つの特徴
一口に「副業詐欺」と言っても手口は多種多様。巧妙に偽装しているため、実際にはどうなのか見分けがつきにくいものもあります。
世の中には「確実な儲け話」がないのもまた事実。後悔しないためにも、まずは少し冷静になり、検討している副業が詐欺なのか確かめてみましょう。
副業詐欺にありがちな特徴として、以下の4つがあげられます。
①はじめに大金を支払わせてくる
②SNSのメッセージなどを使って勧誘してくる
③実態はマルチ商法・ネットワークビジネスである
④実態は投資ビジネスと称して情報商材を購入させるものである
以下、詳しく解説していきましょう。
①はじめに大金を支払わせてくる
副業として仕事をする前に、何段階もの入金を要求されて一向に業務が始まらなかったり、あるいは仕事の前に法外な料金を要求してくる場合は、ほぼ詐欺とみてよいでしょう。
一般的に、副業ではシステム手数料などの名目で費用が発生しますが、報酬から差し引かれる形式がほとんど。報酬発生前に多額の費用を要求された場合は、怪しいと思ってください。
よくあるパターンとしては、下記のようなものがあります。
- サイトへの登録料
「仕事を始める前に登録料やシステム料、紹介料が必要」
- 資格をとるための教材費
「この仕事をするためには資格が必要」として、教材費を要求する
- タレント事務所への支払い
「モデルやタレントにならないか」と勧誘し、レッスン料や撮影料などの名目で金銭を要求してくる
- ネットショップ代行の手数料
ネットショッピングの運営を代行する業者が「最初に手数料が必要、あとはサイトで商品が売れれば収入は入る」とするケース。手数料だけを取られて売上が入らないことが大半(ドロップシッピング詐欺)。
海外商品の買い付けなどでは、商品を購入して業者に引き渡しても入金がなく、渡航費なども含めてだまし取られることも。
②SNSなどを使って勧誘してくる
フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSを利用していると、見知らぬ人から突然ダイレクトメッセージがくることがあります。
「こんにちは! 素敵な写真ですね!」
「実はあなたのプロフィールに興味があって……」
などの親しみやすい口調から、個人情報を聞き出そうとしたり、しつこく連絡を求めたりなど、巧みな話術で副業に誘い込もうとしてきます。
次のような特徴があったら注意しましょう。
・「簡単に稼げる」「副業」などのキーワード、ハッシュタグが投稿内容に目立つ
・詳細を知るために、ラインで連絡するよう仕向けてくる
・札束などお金のイメージ写真を多用してくる
・最初に誘った副業にわざと落選させ、違う手口に誘う/
・「写真を投稿するだけで稼げる」とうたう(特にインスタグラムで多い手口)
インスタグラムに関しては、
「撮った写真を売る」という名目でネットショッピングなどのサイトを開設させて、手数料をだまし取ったり、集客ツールを買わせたりするほか、オンラインカジノのアフェリエイトに誘い込んだりする手口がよく見られます。
③実態はマルチ商法・ネットワークビジネスである
「アフィリエイト」などの名目で、実質的にマルチ商法やネットワークビジネスを進めるパターンです。
有名なもののひとつに、
「ゲーミングアフィリエイト」と呼ばれるものがあります。
これは、カジノや麻雀などの賭博行為への参加・会員登録を募り、会員が支払った掛け金の一部を報酬として得られるというもの。
ブログやウェブサービスで広告報酬をもらう、一般的なアフィリエイトとはまったく異なります。
このように、副業ビジネスは実態が知り合いを呼び込む
マルチ商法・ネットワークビジネスであることや、そもそも賭博行為の勧誘が法的にグレーであることもあるので、注意が必要です。
④実態は投資ビジネスと称して情報商材を購入させるものである
投資によってお金を儲けるツールやノウハウを購入させる「
情報商材」も副業としてよく扱われるもののひとつです。
情報商材は購入するまで内容がわからないことがほとんどであるため、
法外な価格の「情報」が何の役にも立たなかった……というトラブルがあります。
さらに、基本的に情報商材は通信販売に相当するため、
後述する「クーリング・オフ」制度では解約できないのも厄介です。
解約をするには、クレジットカード会社と交渉するなど、クーリング・オフ以外の方法をとる必要があります。
また、enjinでは情報商材詐欺の被害のお声もお寄せいただいています。
ご希望頂ければ、弁護士や認定司法書士へ相談(もしくは情報共有)することも可能です。個人情報は厳守いたしますので、ご安心下さい。
「
情報商材詐欺に関する情報提供フォーム
」
2.副業詐欺だと気づいたら…状況別の対策2選
もしあなたが今、契約しているサービスが副業詐欺であると判明した場合、どんな方法をとればいいのでしょうか。
①副業をはじめてすぐ「詐欺」だと気づいた場合
副業をはじめた直後に「これは詐欺かも」と気づいた場合、「
クーリング・オフ」制度を使って契約を解除することができます。
クーリング・オフは、消費者が意図しなかったり、脅しを受けたり、騙されたりして結んでしまった契約やサービスを、
販売業者に理由を告げることなく通知し、一方的に解除できる制度。
これまでに説明した副業詐欺のケースは、主に下記のふたつに当てはまります。
- 業務提供誘引販売(在宅ワーク・内職商法、モニター商法)
- 連鎖販売契約(マルチ商法・ネットワークビジネス)
いずれもクーリング・オフが認められている商法ですが、クーリング・オフには期限があり、いつでも解除できるわけではありません。
どちらも期限は
20日間と決められているので、
「詐欺かも」と発覚したら、すぐに解除や返金に向けて行動しましょう。
クーリング・オフを行うときは、
申し込み時に使用した文書やメール、その後に業者から届いた契約書などが証拠として必要になることもあるため、必ず保管してください。
後述する公的機関や専門家に相談する時にも証拠が必要です。
証拠を集めたら、業者へ送付するクーリング・オフの通知書を作成します。
通知書は郵便局で利用できる
内容証明や簡易書留を使って郵送し、期限内に通知を送付した(手続きを終えた)公的な証拠を残しましょう。こうすることで、業者側からの「届いていない」などの反論を防げます。
ただし、地域の本局など比較的大きな郵便局の窓口でないとこれらの業務を扱っていないケースもあるので、事前に最寄りの郵便局へ連絡し、確認してください。
②クーリング・オフ期間を過ぎてから1年以内に「詐欺」だと気づいた場合
先ほどもお伝えしたとおり、クーリング・オフ制度は期限を過ぎると利用できません。
その期間を過ぎてから「詐欺だ」と気づいた場合はどうしたらいいのでしょうか。
その対策として、以下のふたつがあります。
- 書面の不備などを確認し、クーリング・オフ期間を延長する
申し込み時に交わした契約書に、法律で定められた商品についての情報(名称、価格、クーリング・オフについての規定など)が明記されていない場合、「書面の不備」としてクーリング・オフ期間を延長することができます。
具体的には、相手業社に正式な契約書を送るように要求し、新たな契約書が届いた日から、クーリング・オフ期間が改めて発生する形です。
- 消費者契約法による契約の取消
契約の際に「誰でも確実に稼げる」などとウソの説明を行ったり(不実告知)、消費者の不利益になる情報をわざと知らせない(副業で稼げないこともある場合についての説明がないなど)といった手段を取ったり、脅迫によって契約させようとしたりすることも法律で禁じられています。
このような行為があった契約も不備があると扱われ、契約を取り消すことができる場合があります。
消費者が誤認に気づいてから1年間は取消権の行使期間として認められているので、チェックしておきましょう。
3.「返金」をうたう悪徳業者に騙されないで!適切な相談窓口
「これは騙されてしまったかもしれない…」
そう気づいてからも、焦りは禁物。被害にあってから気をつけなければならないのが、
その後の対処法。
なぜなら、
詐欺にあった被害者の焦りや弱み、また「騙されやすい」という性格をさらに利用しようとする悪徳業者がいるからです。
こうした団体は、「NPO法人」「行政書士事務所」など、一見信用できそうな名前を名乗り、「返金できます」などとしてインターネットサイトから相談を呼びかけています。
団体についての概要が明らかではなかったり、重要な項目(住所、団体代表者名など)が見つからないような場合は、注意が必要でしょう。
このように、手数料をだまし取るなどの二次被害が発生する恐れもあるので、トラブルの解決は必ず、下記の公的機関や法律家を頼るようにしてください。
①消費者ホットライン(国民生活センター/消費生活センター)に相談する
国民生活センターでは、消費生活全般のトラブルに関する相談を受け付けています。
住まい付近の消費生活センターを紹介してくれるほか、平日の昼休みの時間帯も対応しているので、相談しやすい窓口でしょう。
詳しくは、「
国民生活センター完全利用マニュアル!できること&事前準備を全解説」で解説しているので、参考にしてください。
②警察に相談する
犯罪被害の未然の防止や相談は電話番号「#9110」で受け付けています。
相談の際は110番通報はせず、#9110を利用しましょう。専門の相談員が話を聞き、必要に応じて関係機関を紹介してくれます。
最寄りの警察署の窓口でもトラブルの相談をすることが可能です。
また、インターネットトラブルは、
都道府県警察本部サイバー犯罪窓口でも相談に乗ってもらうこともできます。
ただし、万が一身体や生命に関わる緊急かつ重大なトラブルに巻き込まれてしまったら、ためらわず速やかに通報し、事態の解決を図りましょう。
都道府県警察 |
相談用連絡先 |
#9110(相談時)
平日8時30分~17時15分(各都道府県警察本部で異なる) |
通報用連絡先 |
110(緊急時)
24時間 |
被害届の出し方もあらかじめ把握しておきましょう。
③金融庁へも情報提供を
金融庁には、
金融・保険・投資・証券・仮想通貨サービスなどに関する質問や相談を受け付けている窓口があります。
必要に応じて相談員が電話で回答してくれます。ただし、関係他機関の紹介などに留まり、仲介・あっせん・調停はできません。
※回答が必要な場合は、相談者の電話番号が必要
金融サービス利用者相談室 |
電話(事前予防) |
0570-016-812(IP電話は03-5251-6812)
平日10時~17時 |
電話(被害後) |
0570-016-811(IP電話は03-5251-6811)
平日10時~17時 |
FAX |
03-3506-6699 |
ウェブサイト |
ウェブサイト受付窓口 |
郵便 |
〒100-8967 東京都千代田区霞が関3-2-1 中央合同庁舎第7号館
金融庁 金融サービス利用者相談室 |
④弁護士を頼る
基本的に
法的手続きにそった返金請求や訴訟は弁護士が行う範囲の業務です。
トラブル解決に向けて、必要があれば問い合わせましょう。
弁護士を探すときは、
日本弁護士連合会(日弁連)のサイトで検索してみてください。
このほか、法律相談をするなら、
法テラスを訪ねてみるのもいいでしょう。収入面などの条件をクリアしていれば、無料相談や費用の立て替えにも応じてくれるので、まずは
こちらを確認してみてください。
法テラス・サポートダイヤル |
電話番号 |
0570-078374
(IP電話:03-6745-5600) |
受付時間 |
平日9時~21時、土曜日9時~17時 |
副業詐欺の手口のなかには、SNSやメッセージ機能、メールなどのツールを使い、一度に不特定多数へ誘いをかけるものもあります。そのため、被害者も複数いると考えられるでしょう。
同じ業者から自分以外にも複数の被害者が出ていた場合、集団訴訟に踏み切るのもひとつの方法です。
4.まとめ
- 基本的に「上手い話」はう呑みにしないこと
- 見知らぬ人がSNSで誘ってくる「儲け話」には注意!
- 「おかしいな?」と思ったら、ためらわずに公的機関や専門家に相談。被害者をさらに騙そうとする団体がいることにも注意。
おわりに
SNSの怪しいアカウント以外に、知り合いだからといっても油断できない副業詐欺。
ネットワークビジネスなどの闇が潜んでいることがあります。
「本当にそんな上手い話ってあるの?」「リスクはどうなっているの?」と調べてみることも必要です。少しでも理解できない仕組みがあれば、申し込みは見合わせたほうがよいでしょう。
万が一被害にあってしまった場合は、まず公的機関や弁護士などへ相談を。身元のわからない団体などへいきなり問い合わせないようにしてください。
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