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誇大広告にだまされた!問題点・対処方法・通報先の3つがわかる解説

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投稿日時 2019年02月18日 13時59分
更新日時 2019年09月17日 17時40分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 誇大広告を見て商品を買ったが、期待していた効果がなく「騙された」と思っている人

  • 誇大広告に騙されたので、業者を訴えるか返金させたいと思っている人

  • 「誇大広告ってどこに通報すればいいの?」と思っている人

はじめに

魅力的なキャッチコピーに釣られて商品を購入したら、全く期待はずれ。 おまけに「不都合な真実」は広告の片隅に、実は小さく表示されていた……! これ、どうにかならないの?

そんな悔しい思いをしたあなた。

このような表示方法は「誇大広告」で、本来は法律による規制があるものですが、あの手この手のデザインや宣伝文句を駆使して、いかに「釣る」かを画策する業者はあとを絶ちません。

この記事では、誇大広告の法的な問題点や騙されてしまったときの対処法、そして、誇大広告を通報できる機関を紹介します。



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1.どんなものが「誇大広告」になるの?決め手はこの6つ



「誇大広告」といっても、広告である以上、ある程度の美化はつきもの。しかし、商品やサービスを紹介する広告の内容は「景品表示法」という法律で一定の規制があり、これに反するものは不当表示として扱われます。

特に医療・美容関連の広告ではトラブルが相次ぎ、2018年にガイドラインが見直され、価格や安全面で誤解を与えたりする表現が禁止になりました。

この章では

  • 実際よりも良いものに見せること
  • 実際よりもお得感があるように見せること
  • 「個人の感想です」は?
  • 美容の「ビフォーアフター」は?
  • 医薬品と健康食品の違いは?
  • その他の誤解しやすい表現

の6つについて解説します。ひとつずつ見ていきましょう。

①実際よりも良いものに見せること

商品やサービスの内容・品質について、消費者に「実際よりも著しく良いもの」と思わせることを「優良誤認表示」といいます。誇張や誇大表現が一般的な許容範囲よりかけ離れていると判断されれば、誤認を引き起こすとみられます。

このほか、効能や効果についても、合理的な根拠がないまま優良をうたっている場合や、裏付けとなる資料を消費者庁に提出できなかったりした場合は不当表示とされます。

②実際よりもお得感があるように見せること

商品やサービスの価格や取引条件について、「実際よりも著しく利益がある」と思わせることを「有利誤認表示」と言います。

二重価格表示や、「他社よりもお得!」とうたいながら、自社に不利な他社の価格設定を表示しない携帯電話の通信費や家電量販店の割引価格、商品の内容量をごまかす、実際には追加費用がかかるサービスを表示しないなどの手法は不当表示です。

③「※個人の感想です」はOK?

大きく効果・効能をうたう広告では、それが全てについて無条件に当てはまるわけではないことを示すため、業者側が「※個人の感想です」「別途オプション料金がかかります」という文言を入れて予防線を張るケースがあります。

これは「打消し表示」と呼ばれるもので、表示そのものは違法にはなりませんが、「何を打ち消しているのか」「具体的にどんな条件があるのか」など、打消し表示を読んだだけでは内容が理解できない場合は、不当表示になる恐れがあります。

また、これらの表記は極端に文字が小さい、目立たないデザインで配置されていることが多いため、消費者庁は文字の大きさや背景の色、ウェブサイトのスクロールがあってもきちんと認識できるようにするなどの配慮を業者側に求めています。

④美容の「ビフォーアフター」写真や「あの芸能人もやっている」は?

2018年から、医療・美容関連の広告やウェブサイトについて、広告のガイドラインが改定されました。誇大広告によるトラブルが相次いだことが原因です。

下記のような表現がある場合、医療広告として認められません。

禁止となる例 理由
「〇〇(著名人名)も治療を受けた」「日本一」「No.1」 他の医療機関との比較で、著しく優れていると誤認させる
「絶対安全な手術」「満足度〇%」 医学上はあり得ない、データの根拠がないため、虚偽広告となる
「こんな症状は命に係わる」 誇張表現で不安をあおる、誇大広告
「今なら1ヶ所の手術●●円」 その費用で手術するためには別途条件があることが明示されていない、小さすぎる字でしか書いていない場合
患者の主観に基づく体験談、加工・修正した写真を使ったものや説明のないビフォーアフター 症状や治療は個人的なものであり、他人が見たときに誤認を与える
わいせつな図画 公序良俗に反する
「今なら●円で治療し放題キャンペーン」 費用の強調で品位を損ねる
出典: 政府広報 国民生活センター

⑤これって医薬品なの?健康食品なの?

飲食物のうち、医薬品・医療機器法が定める「医薬品」以外は全て「食品」です。

消費者庁の健康食品に関する資料によると、 医薬品としての効果・効能をうたうものは、形状が食品のようであっても「医薬品」という扱いになります。

つまり、「医薬品」の承認を得ていないものは、どんなに形が薬などに見えても「健康食品」という区分になります。

  • 「血圧が高めの方に」は?

    食品であるものの、健康の維持や増進に役立てる、一時的であれば体調の改善に役立つなどの特定の保健用途に適するものであるときは、消費者庁長官の許可がないとその表示ができません。「お腹の調子を整える」コレステロールの吸収を抑える」なども一例です。

  • 「●●が治る!」と書かれていたら?

    医薬品的な効果があるとしているものは、医薬品としての承認を受けないとその表示ができません。このほか、「アレルギーを緩和する」「生活習慣病予防に」などがそれに当たります。健康食品であるにも関わらず、治療そのものができるような表示は虚偽に当たる誇大広告です。

⑥その他の誤解しやすい表現

このほか、食品の産地やブランドの偽装、予備校の合格実績表示の水増しなども対象です。不動産関係のウェブサイトで、実際には売約済みの優良物件を客引きのために表示しておく「おとり広告」は、不動産に関する法律でも禁止されています。



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2.誇大広告に騙されてしまった!そんなときに取るべき対処法4つ



都合のいいフレーズに、つい誇大広告を信じて商品やサービスを購入したら、届いてみてがっかり……そんなとき、業者に対する怒りとともに、「返金して」「元に戻して」という気持ちが沸き上がってきませんか。

すでに「騙された」と思っている場合は、ここで紹介する方法を検討してみましょう。

①被害内容と証拠をまとめよう

まずは自身の被害内容を把握し、証拠になるものを整理しましょう。なんらかの手続きを取ったり、公的機関などに相談したり、通報したりするときに必要になります。 最初に集めておきたいのは以下のものです。

  • 広告主である事業者名、連絡先、ウェブサイトのURL
  • 広告が掲載されていた場所、日時
  • 広告の現物(チラシや新聞広告、ネットのスクリーンショット、動画など)
  • 実際に届いた物やサービス内容、納品書
  • 支払いがわかる請求書、領収書、カードやATMの明細、通帳の記録

次に、下記の項目をまとめましょう。

  • どんな内容の広告で、どの部分に魅力を感じたか
  • 上記と比べ、実際の物やサービスとはどのような違いがあったか
  • それによってどんな損害があったか(身体へのトラブル、全く効果がないなど)
  • 支払った金額はいくらか

ポイントは「その広告で受けた損害」を具体的に示せるかどうかです。
それにより、業者に何を請求するかが決まってきます。

たとえば「塗れば必ずお肌がツルツルになる」とあったのに、肌荒れを起こしてしまったといったケースや、「飲むだけで誰でも絶対痩せるサプリ」などどあるのに、飲んでも全く痩せず、期待した効果がなかった……という場合です。

②クレジットカードの支払いを止める

誇大広告を見た結果、クレジットカードで代金を支払ってその広告の商品やサービスを購入し、実際のものが広告とは著しく異なっていた場合は、クレジットカードの支払い抗弁が利用できる可能性があります。

商品の欠陥、見本やカタログ等と現物が異なる、サービス内容が異なるなどの場合に申請することができます。クレジットカード会社に こちらの書面 を送付する必要があります。

ただし、この方法は分割払いであることが条件で、現金販売価格に分割払い手数料を加えた総額が4万円未満、リボルビング払いのときは現金販売価格が3万8千円未満のとき、一括払いのときは利用できませんので、注意をしましょう。

③クーリング・オフ制度を使う

契約の解除や購入を取り消したい場合は、クーリング・オフ制度を利用することができます。これは一定期間内であれば、消費者側が業者に対し、理由を告げる必要なく一方的に解約や取り消しを行うことができる手続きです。

これにより、業者は支払われた代金や取引料を消費者に返還しなければなりません。

ただし、対象となる販売方法や取引手法は決められており、全てが対象となるわけではありません。これは、特定商取引法という法律で定められています。

  • 誇大広告が特に禁じられている販売方法

    クーリング・オフが可能な販売や取引で、事実に反したり、著しく優良に見せるような誇大広告を特に禁じているのは下記の3つです。

    ・会員を募って商品を買わせ、買った消費者がさらに他人を勧誘して商品を買わせることを繰り返していく連鎖販売取引(マルチ商法)
    ・エステや美容医療のほか、学習塾や語学教室、結婚相手紹介サービスなどの特定継続的役務提供
    ・業者がPCやソフトを販売し、消費者がそれを購入して在宅ワークなどを請け負う業務提供誘引販売取引

    事実と違う内容を言われて騙された場合は、クーリング・オフ期日を過ぎても手続きは可能です。期日は販売方法により異なります。

    クーリング・オフの期日など、詳しくはこちらの記事でも解説しています。



  • 通信販売はクーリング・オフができない!そんなときは?

    しかし実は、通信販売に関してはクーリング・オフができない決まりになっているので、注意が必要です。

    これは、クーリング・オフの制度が「騙されたり、脅されたりしてよく考える時間がないまま購入や契約をさせられた」人を対象としているためで、自分でカタログやウェブサイトを参照し、吟味して購入することができる通販は、対象とみられないためです。

    この場合は、通販業者の返品特約などをよく読んだ上で対応を考えましょう。

    こちらの記事で、通販やネットショッピングの返品・返金についてより詳しく解説しています。


④業者を訴えることはできるの?

誇大広告の業者がわかっている場合は、受けた被害の補償を求めて訴えることができるかもしれません。

  • 弁護士に相談する

    ①で整理した証拠や被害内容をまとめて、弁護士に相談してみましょう。訴訟が可能かどうかのほか、クーリング・オフの手続きやクレジットカードの支払い抗弁についても話を聞くことが可能です。

    弁護士への初回の相談はおおむね30分前後を目安として料金が発生しますので、手際よく説明することが大事です。実際に着手することになったら、相談料とは別に着手金などが発生します。

    身近に弁護士事務所があるかどうかは、日本弁護士連合会(日弁連) のサイトから探してみましょう。

  • 損害賠償請求をする

    最初に紹介した通り、うそや誇張の内容で広告をし、消費者を騙すことは違法な手段です。 それによって自分が損害を負ったときは、損害の内容に応じた金額で補償を求める、損害賠償請求ができます。

    具体的には、実際の被害(購入した商品によってけがをしたなど)に対する治療費、原状回復のための修繕費などを求めることになるでしょう。

    損害賠償請求については、この記事でも説明しています。

  • 費用が高くなりそう、証拠も少ない…どうすれば?

    被害金額が少ない場合は、弁護士に依頼し、着手金や実費といった諸経費を支払う方が高くついてしまう場合があります。このようなときはなすすべがなく、泣き寝入りしてしまうことがほとんど。

    もしも業者が大規模な誇大広告を展開し、多数の人を騙している可能性があるときは、自分と同じように騙されてしまった人がいないかどうか、呼びかけてみましょう。

    被害者が多ければ「被害者の会」を結成したり、集団訴訟をしたりすることができるため、1人当たりの訴訟費用を少なくしたり、それぞれが証拠を持ち寄ったりすることによって、訴える内容をより強固にすることができます。

3.「これって誇大広告では?」そんなときの通報先4つ



誤解を招く表現や、紛らわしい内容のある広告を見つけたけれど、どこに通報をしたらいいのかわからない……そんなときは、下記の通報先に連絡をしてみましょう。

いずれの機関も「通報」を受け付けるのみで、結果の開示や個別の相談や問い合わせ、またその解決に応じるわけではないので、注意が必要です。

①消費者庁に通報する

実際の商品やサービスよりも優れた商品に見せる手法など、景品表示法に違反している疑いがある広告や事業者名、広告内容、それによって受けた印象、実際の違い、広告の写真などを通報できます。

景品表示法違反被疑情報提供フォームはこちら

  • 不当表示をした業者には課徴金制度がある

    なお優良誤認表示、有利誤認表示をしている業者に対しては、消費者庁が経済的不利益を課すことになっており、一定の算出方法による課徴金を納付しなければならないことになっています。

日本広告審査機構(JARO)に通報する

「JAROってなんじゃろ?」のキャッチコピーで認知度を高めた、広告・メディア関連企業が参画する広告の自主規制機関です。

広告内容の「嘘・大げさ・まぎらわしい」を通報でき、JAROがその内容を広告主に問い合わせたり、必要に応じて審査委員会を設立したりして改善を要求します。

電話、FAX、手紙、問い合わせフォームから通報できます。新聞広告やチラシ、DMが手元にあるときは、郵送やFAXを利用するといいでしょう。

電話:03-3541-2811
FAX:03-3541-2816
問い合わせフォーム、郵送先はこちら

③自治体の「悪質事業者通報サイト」に通報する

自分が住む自治体の悪質な広告を通報できるサイトや窓口があれば、そちらに連絡をしてみましょう。

たとえば、東京都は2018年から在住・在勤・在学者を対象に、「悪質事業者通報サイト」 を開設。誇大広告も通報できるようになりました。

消費者庁と同じく、事業者名や広告内容、それによって受けた印象と実際の違い、広告の写真などを送信できます。

④ 医療機関ネットパトロールに通報する

厚生労働省の委託事業で、誇大表現などを含む、医療広告ガイドラインに違反している広告を掲載しているウェブサイトを通報できます。

電話:03-3293-9225
受付時間:月~金 10~12時、 13~16時
(年末は12月25日まで、年始は1月8日から)

4.まとめ

  • 一般的な実態よりも、明らかに「良すぎる」商品や「お得過ぎる」価格の広告は、法律違反かも?

  • 誇大広告に騙されたら、被害と証拠をまとめて返金手続きや弁護士に相談を。

  • 誇大広告は通報できます。消費者庁やJAROなどへ連絡を。

おわりに

「話半分で聞いておく」という言葉があります。

誇大広告を取り巻く規制も変化しており、医療など生命・安全に関わる分野は規制が厳しくなってきました。とはいえ、消費者側にも見極める目が求められています。

上手い話しには裏があるもの。あまりにも魅力的すぎる広告を見かけたら「誇大広告では?」「そんなはずはない」と、まず一歩疑う目を持つことが大事です。

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