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自爆営業は違法!ありがちな2つのケースの問題点と困った時の対処法

投稿日時 2019年02月15日 16時35分
更新日時 2019年02月15日 16時37分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 売れ残った商品を買ってほしいと言われている人

  • ノルマが達成できなかったという理由で、給料を天引きされた人

  • 自爆営業で失ったお金を取り戻したい人

はじめに

自爆営業とは、会社が業績を上げるために労働者に自腹で商品を購入させたり、給与を天引きするなどの行為のこと。

・売れ残った恵方巻きやバレンタインチョコを従業員に買わせる
・契約件数のノルマを達成できなかったペナルティとして、営業社員の給与から2万円差し引く

などのケースが該当します。

アルバイト先の店長に言われてどうしようか困っている人や、自分の力不足もあるから給料が少なくなっても仕方がないと思っている人もいるでしょう。

しかしそもそも自爆営業はほとんどの場合違法です。また万が一自爆営業によって使ったり引かれたりしたお金は取り戻せる可能性があります。

この記事では自爆営業の違法性を詳しく見ながら、被害にあわないための対処法や会社への請求の仕方などをご紹介します。

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1.コンビニ、スーパー、保険営業…自爆営業の違法性をケース別に解説



自爆営業と一口に言っても、職業によって状況はさまざま。

まずはよくあるケースを網羅しながら、それぞれの違法性について解説します。

①お店の売り上げノルマ、自腹で買うのはNG

自爆営業にありがちなのが、コンビニやスーパーの店長がアルバイトなどに対してノルマを課し、達成できなかった分を購入させるというものです。

基本的にこうした行為は違法。給与を全額支払うことを義務づけている労働基準法第24条に反するからです。

「期間中にチョコレートを○○個売ってください。達成できなかったら責任を取るようにお願いします」
「もし売れなかったら俺(店長)は買うんだけど、君はどうする?」

というように、曖昧な表現を使って実質的に購入を強要する場合もNG。

会社には就業規則にもとづいて労働者に指示命令できる業務命令権があります。ただしそれが有効となるのは、労働者を配慮している場合や、合理的な理由がある場合のみです。

労働者に自腹で商品を購入させる行為は、労働者の権利への配慮があるとはいえず、業務命令としては不適切。無効である可能性が高いでしょう。

また、断りづらい状況で社員に製品を購入させることは、民法第90条が定める公序良俗に違反するとして、そもそも無効な契約とみなされる可能性もありうるでしょう。

  • ただし、例外も…。

    しかし自爆営業でも、自発的な買い取りは違法となりません。

    例えば「ノルマを達成したら昇給すると言われたので、給料のために自主的に商品を購入した」というような場合は、違法とみなされにくいでしょう。

②給与からの天引きや罰金もダメ

例えば営業職の人などに対し「契約件数が少なかったから、罰として給与を天引きする」というのも、法律違反となります。

  • 就業規則で定められていても自爆営業は認められない

    会社はあらかじめ定められた就業規則に違反している場合は、減給などの懲戒処分を科すことが可能です。

    ただし「減給の理由が到底納得できるものではない」「処分の内容が一般常識から見て明らかにおかしい」場合は、処分が無効になると決められています。

    そのため仮に就業規則で定められていても「ノルマ未達成による減給」を会社側がすることはできません。ノルマが達成できないような状況は、普通に働いていてもよく発生します。そのような行為を理由に懲戒処分をすることは認められにくいと言えます。

  • 事前に商品を購入させるのもNG

    会社は働く上で必要な備品を労働者に購入させることができます。しかしそれは、労働契約書や就業規則に記載されている場合で、かつ常識の範囲内に限りにおいてです。

    自社で販売している商品を、仕事上必要な備品として事前に購入させることは基本的にNGとなります。

    「家電製品の効果を確かめるために買わされる」
    「新商品の衣服を自腹で購入して着ないと、働いてはいけないと言われている」

    このように会社側が強要してきたり、買わざるを得ない状況に追い込んでいるような状況も、違法とみなされる可能性が高いといえるでしょう。

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2.自爆営業にあったらどうすべき?いざというときの対処法3選



自爆営業は、自ら進んで購入する以外は基本的に違法です。そのためもし「買ってくれないかな?」と言われたとき、購入する意思がないのであれば断って構いません。

とはいえ店長や上司から言われると、きっぱり拒否するのも難しいところ……。

この章では、自爆営業を持ちかけられたときにどう断るのがいいのか、有効な方法をご紹介します。

また、自爆営業は違法ですので会社側に購入したお金を請求することが可能です。プレッシャーに耐えきれずに購入してしまった場合や、すでに自爆営業をしてしまっている場合の対処法も紹介しているので参考としてください。

①まずは保留!それから雇用条件を確かめる

このとき「反感を買ってしまうかもしれない」と拒否しづらい場合は、「あとで返答させてください」と言って保留状態にしましょう。

その後、就業規則に目を通して「そもそも自爆営業に関する定めがないこと」「あったとしても法律上おかしいのではないか」ということを確認してください。

就業規則は10人以上働いている会社であれば必ずあります。もしない場合は、雇用時にかわした労働条件通知書(雇用契約書)などをチェックするとよいでしょう。

確認が終わったら、そのことをもって改めて「自爆営業は違法なので、私はできません」と伝えると、ただ拒否をするときよりも相手が諦めやすくなります。

それでもなお断りづらい場合は、メールで伝えるという手も。自爆営業を明確に拒否したという証拠にすることもできます。

②それでも強要された場合の相談先

自爆営業を拒否してもなお強要されたり、自爆営業を断ったことで立場が苦しくなったような場合は、すぐに下記に相談してみてください。

  • 総合労働相談コーナー

    自爆営業といった労働者が不利益をもたらす案件など、労働に関するさまざまなトラブルの相談を受け付けている窓口です。会社に対して行政指導を入れてくれることもあります。

    厚生労働省の「総合労働相談コーナーのご案内」から最寄りの相談窓口を探すことができます。

  • 労働条件ほっとらいん

    労働基準法に関連する問題について、専門知識を持つ相談員が解決のためのアドバイスやより適切な相談機関の案内をしてくれます。

    電話番号 0120-811-610
    受付時間 平日17時~22時 土・日9時~21時

  • 法テラス

    自爆営業を始めとする法律トラブルに解決をしてくれる総合案内所で、情報提供や弁護士紹介などをしてくれます。経済的な理由で弁護士への相談が難しい人に、費用の援助サービスなども行っています。

    電話番号 0570-078-374
    受付時間 平日9時~21時 土9時~17時
    メールで相談することもできます(24時間受付)

    なお法テラスに関しては、誰でも無料で利用できるわけではありません。詳しい利用方法や費用については下記で詳しく紹介しているので参考にしてください。


③購入したお金の請求も可能

違法な自爆営業によって支払ったお金は、返金してもらえます。

まずは証拠を事前に集めておきます。

・いつ、誰に、どんな商品を買うように命じられたのかを記載したメモ
・商品を購入したレシートや領収書
・ノルマを達成できなかったときの処分などを記載した文書
・店長や上司が送ってきたメール
・店長や上司の発言を録音したデータ

これらを揃えた上で、本社などに相談してみましょう。

もし難しい場合は弁護士に依頼するという方法もありますが、たとえばコンビニ商品などの自爆営業の場合、被害額そのものが低いため、弁護士費用のほうが高くなってしまうことがほとんど。

そんなときは集団訴訟を検討するのもひとつの手です。集団訴訟とは、同じ被害を受けた人が共同で訴訟を起こすこと。多くの仲間全員で弁護士費用を負担することにより、ひとりあたりの費用をおさえられる可能性があります。

自爆営業が会社全体の風習になっているような場合、周りのアルバイトや社員も同様の被害を受けている可能性があります。

多くの人が集まれば、ひとりで訴訟を起こすよりも、多くの証拠が集まることも。

集団訴訟プラットフォームenjinでは、自分が受けた被害をプロジェクトとして登録し、仲間を募ることができます。気になる人は利用してみてください。


3.まとめ

  • 自爆営業は自発的な購入でない限り、労働基準法に反する行為。

  • 自爆営業を持ちかけられたら速やかに就業規則や労働条件通知書(雇用契約書)のチェックをし、違法であることと拒否する意思を伝えよう。

  • 万が一商品購入をしてしまった場合や給与が天引きされていた場合は、証拠を集めて本社に相談を。会社が対応をしてくれなかったら集団訴訟を起こすのもひとつの手段。

おわりに

自爆営業が起きる理由のひとつに、「周りの人がやっているから仕方なく……」というものがあります。

しかし自爆営業は紛れもなく違法。この記事を参考に、周囲のプレッシャーに負けることなく、きっちりと断れるようにしていきましょう。

拒否していいことやお金を取り戻せることが周囲に伝われば、自爆営業をよしとする会社の風習が改善する可能性も出てくるかもしれません。


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