これって寸借詐欺?と思った人のためのチェックリスト+3つの対処法

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投稿日時 2018年12月14日 16時43分
更新日時 2019年09月04日 18時43分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 寸借詐欺について詳しく知りたい人

  • 被害にあわないための対処法を確認したい人

  • 寸借詐欺の被害にあい、返金してもらう方法を知りたい人

はじめに

2018年7月から8月にかけ、劇団四季の公演が行われる劇場付近で、男から「財布を家に忘れてしまったので、帰りの新幹線代を貸してほしい」と言われ、数万円をだまし取られる被害が多発しました。

このように、同情を誘って少額のお金を騙し取る行為を寸借詐欺と言います。

「だまされた」と気づきにくく、被害額も少額のため、加害者が捕まりにくいのが寸借詐欺の厄介なところ。

この記事では、寸借詐欺の被害にあわないための方法や被害にあった場合の対処法を紹介します。

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1.「もしかして詐欺かも?」と思ったらチェック!寸借詐欺の代表的な手口



ここでは、寸借詐欺の代表的な手口についてご紹介します。

知らない人にお金を貸した経験がある人は、自分のケースがあてはまるか確認してみてください。

①一言目は「帰れない」「落とした」「お金がない」

寸借詐欺の加害者は、「ちょっとしたトラブルで困っている」という名目で、ターゲットに近づきます。

特に声をかける際に使いがちなフレーズは下記の通り。

・財布を家に忘れて電車に乗れない
・お金がなくて家に帰れない
・明日のご飯を食べるお金がない
・宿代がないので野宿しないといけない

このようなセリフを聞いたら、寸借詐欺の可能性が高いと判断しましょう。

②「時間がない」と急かし、疑う猶予を与えない

寸借詐欺の加害者に共通しているのは、「時間がない」と急かすことです。

・明日仕事で大事な会議があって、今日の夜には家に帰らなければいけない
・3時間後の電車に乗らないと、飛行機に間に合わない

今すぐにお金がないと困る状況を話すことで、ターゲットにした人に疑う猶予を与えないようにしてきます。

相手が急かしてきたり、考える暇もなく言葉をかけてきた場合も、一緒に慌ててはいけません。「1分だけ考えさせてください」などといって、落ち着いて考える時間をとりましょう。

それでもなお相手が急かしてくる場合、寸借詐欺である可能性が高いといえます。

③伝えてくる連絡先はすべてデタラメで連絡がつかない

寸借詐欺の加害者は「ちゃんと返したいので……」と言って、電話番号を伝えてきます。

しかし、電話番号はデタラメであることがほとんどです。もし仮に本当の番号だったとしても、こちらからの電話に出ることはまずありません。「財布と一緒に携帯も紛失しているので、しばらく連絡がつかない」と言ってくることもあります。

また住所を教えてくる場合もありますが、こちらも嘘である可能性が大半。

電話番号について「試しにかけてみてもいいですか?」と言って、相手がなにか言い訳をしてくるようなら詐欺の可能性を疑いましょう。

④自分から「貸しましょうか」と言うよう誘導される

加害者は「財布をすられてしまって」「財布を落としてしまった」などの同情を誘う話をし、ターゲットが自ら「お金を貸しましょうか」と提案してくるのを待っています。

もし自分が罪を問われた際に「お金を貸してほしいなんて頼んでいない」と主張するためです。このようなケースだと、詐欺として立証することが難しいと言われています。

また直接「貸してほしい」と伝えてくることもありますが、「あとで返すつもりだった」と主張してくる可能性が高いです。

安易に「貸しましょうか?」と言わず、友人に連絡するよう勧めるなど、ほかの方法を提案してみましょう。相手がかたくなに他の方法をとろうとしない場合、詐欺である可能性があります。

⑤いざ貸そうとするとお金を吊り上げられる

財布を出そうとすると、当初提示していた金額をさまざまな名目で吊り上げるのも寸借詐欺の常套手段です。

「駅までの交通費として300円貸してほしい」と言われ「300円くらいなら…」と思って貸そうとすると、

・実は、予約しているホテルの宿泊費を支払わないといけない
・一度、勤め先に電話したいので電話代もほしい

と最初の話にはまるでなかったことを言い始めて、よりお金を要求します。

一度貸すと言った手前、金額が釣り上がったからと言って貸せないとは言いにくくなる……という心理を悪用した手口。

きっぱりと断るのはもちろん、最初に要求された金銭も渡さないようにしてください。


2.被害にあったらどうすれば?取れる対処法3ステップ



一般的に寸借詐欺の加害者を特定するのは難しいと言われています。

寸借詐欺は、物的な証拠が残りにくい、騙されたことがわかるまでに時間が経過している、、さらに金額も数千円から数万円と少ない、などといった理由から、警察に被害を届けても捜査に動いてもらいにくいという現状があります。

それでも操作の可能性を少しでも高めるには、どうすればよいのでしょうか。

3つのステップに分けてご紹介します。

①証拠を集める

寸借詐欺にあったと気づいたら、まず証拠をできる限り集めます。

特に有効となる情報は以下の通りです。

・加害者の顔写真
・身分証明書の写真
・加害者が書いた借用書
・被害の詳細(日付や場所、手口など)

「こんな情報持ってない……」という場合もあきらめないでください。

寸借詐欺は、被害者が被害に気がつきにくく気がついても訴えるのを諦めがちなため、繰り返されやすい犯罪です。あなた以外にも、同じ加害者から被害を受けた人がいるかもしれません。

TwitterやFacebookなどのSNSを使えば、全く同じ被害を受けた人たちから有効な証拠を手にできることもあるので積極的に発信しましょう。

SNSの利用は他の人たちへの注意喚起にもなり、寸借詐欺の新たな被害を抑制できます。

②警察に被害届を出すことで、捜査をしてもらえる可能性がある

証拠が集まったら、警察に犯罪の被害にあったことを知らせる被害届を出しましょう。

被害届を出す際には、以下の項目が必須となります。

・被害者の住居、職業、氏名、年齢
・被害の年月日時
・被害の場所
・被害の模様
・被害金額(品名、数量、時価、特徴、所有者)
・犯人の住居、氏名又は通称、人相、着衣、特徴等
・遺留品その他参考となるべき事項
(参考: 別記様式第6号(犯罪捜査規範第61条)

より確実に被害届を受理してもらえるように、あらかじめ提出予定の警察に問い合わせて必要な情報を聞いておきましょう。

また仮に証拠が不十分であっても、同様の被害者がすでに被害を届け出ている場合もあります。

あなたが出した被害届が、結果としてほかの被害者を救う結果となることもあるのです。

泣き寝入りせず、必ず被害届を提出してください。

被害届の出し方については、下記の記事で詳しく解説しています。



③全員で証拠を共有できる!集団訴訟という選択肢

警察が行ってくれるのは、犯人を逮捕し、刑罰を判断することのみ。あなたがとられたお金を取り返してくれるわけではありません。

お金を強制的に回収したい場合は、民事訴訟を起こす必要があります。

しかし、民事訴訟のためには、加害者の特定が必要。その場限りで詐欺を行う寸借詐欺では加害者特定が難しく、犯人が逮捕されていない場合に訴訟を起こすハードルは高いといえます。

警察の捜査で犯人を特定できたとしても、被害が少額であった場合は、訴訟費用が被害額を上回ってしまいがち。

その際、集団訴訟という方法が選択肢に入るかもしれません。

以下、そのステップを解説します。

  • まずは仲間を集める

    もし、あなたが有用な証拠を持っていなくても、ほかの被害者が加害者を特定する証拠を持っていることがあります。

    先ほどもご紹介したSNSでの情報発信や警察への被害届提出だけでなく、掲示板サイトへの投稿なども行い、被害者仲間を集めてみましょう。

  • 仲間と証拠が集まったら集団訴訟を起こす

    集団訴訟とは、同じ加害者から被害を受けたふたり以上が協力して訴えを起こす訴訟方法です。

    メリットとして、被害者仲間の証拠を共有して訴訟を有利に進めやすくなることや、弁護士の費用を分担して、ひとりひとりの費用負担を軽くできることが挙げられます。

    ただし、勝訴した場合でも被害額が戻ってくるとは限らないので十分に検討する必要もあるでしょう。

    集団訴訟のメリット・デメリットについては下記を参照してください。



    もちろん、集団訴訟を起こしたとしても、費用はかかります。そのうえ訴訟となると期間も長くかかり、また仮に勝訴しても相手が支払えるだけのお金を持っていないということも考えられます。あくまで選択肢のひとつ……と考えてください。

    どちらかといえば、被害情報を共有することで抑止力としたり、警察に動いてもらいやすくなるというのが現実的なメリットといえるでしょう。


3.寸借詐欺に関する4つのポイントQ&A



ここで寸借詐欺に関する気になるポイント4つをご紹介します。

①Q.渡したお金は高額ではなかったけど、詐欺って言えるの?

人を騙してお金を取ったことに代わりはないので詐欺です。100円の公衆電話代であろうと500円のランチ代であろうと当てはまります。

むしろ寸借詐欺はあえて少額にすることで、被害者が「あれぐらいの金額だったらしょうがないか」と思うように仕向けるものだと心に留めておいてください。

②Q.犯人に身体的な特徴や共通点ってあるの?

一目見て「こいつは詐欺師だ!」と直感できるような共通点は残念ながらありません。

中高年層が多いと言われていますが、20代の若者も寸借詐欺の加害者になっています。

服装もバラバラで、ボロボロの服を来ていることもあれば、まるで特徴のない私服を来ていることもあります。スーツを身につけ、仕事をバリバリこなすビジネスマン風の加害者から寸借詐欺にあったというケースもいるようです。

どんな人から寸借詐欺の被害を受けるのかわからない、と意識しておきましょう。

③Q.「返済のために」と言われて連絡先を教えてしまったけど、大丈夫?

すぐに近所の交番に届けるようにしましょう。

寸借詐欺をする加害者の中には、返済を理由にターゲットにした人の個人情報(連絡先、名前、住所など)を聞き出してくることがあります。

しかし嫌がらせや名簿業者に販売するために聞いている可能性はゼロではありません。

寸借詐欺のあとに迷惑電話や迷惑メールなどが増えるようでしたら、電話番号やメールアドレスの変更も検討してください。

また場合によっては、

・自分の安否を知らせるために家族に電話したいから
・友人に待ち合わせ場所を確認したいから

と言って携帯電話を借りるパターンもあります。

実はこのとき詐欺の加害者は、家族や友人に電話しているふりをしながら名簿業者に連絡し、電話番号を教えているのです。

名簿業者に携帯電話番号を知られてしまうと、不動産営業や投資事業の勧誘など、さまざまな勧誘電話がかかってくるようになります。

見ず知らずの人には、携帯電話を貸さないようにしましょう。

④Q.手口についてもっと詳しく知りたい

これまで紹介したもの以外のパターンに以下のようなものがあります。

  • 震災復興を名目にする

    大きな災害で起きたトラブルを理由に、同情を買おうとする悪質なパターンがあります。

    2011年3月に起きた東日本大震災の直後には、住所不定の男が「被災した母が見つかったが、交通費がない」として、女性から交通費名目で4万円をだまし取った事件がありました。
    (参考:日本経済新聞「「母が福島で被災」と金だまし取る 警視庁、詐欺容疑で男逮捕」)

  • 有名大学の教授を名乗る

    有名大学の教授を名乗り、ターゲットにした人を信用させるパターンです。「TVに出ている」「さまざまなシンポジウムを行っている」など、ありもしない経歴を話してきます。

    2017年8月には、「東大出身で新潟大の教授だ」と名乗り「財布を無くして新潟に戻れないので、新幹線代を貸してほしい」と言って2万円をだまし取る事件が起きました。
    (参考:産経ニュース「「東大出身で新潟大教授」かたり寸借詐欺容疑 警視庁、男を逮捕」)

より悪質な例として、旅行に来た外国人や障害者などを装ったパターンがあります。

そのような場合も、まずはお金を貸す以外の解決策から提案するようにしてください。大使館や福祉センターなど、助けてくれる施設はあるはずです。

さらに、友人や知人からお金が返ってこないというケースも、寸借詐欺の手口のひとつではあります。

寸借詐欺はお金を返す気がないままお金を借りようとする行為をさすので、お互いが見知っているかどうかは関係ありません。

いままでの関係もあるため、すぐに犯罪となるわけではありませんが、念頭には入れておきましょう。


4.まとめ

  • 寸借詐欺の手口を知って、詐欺だったことを認識しよう。

  • 詐欺被害にあっていることがわかったら、証拠の収集・被害届の提出・集団訴訟の検討をする。

  • 寸借詐欺のポイントを抑えて、二度と被害にあわないように気をつけよう

おわりに

寸借詐欺は、人の善意を踏みにじりながらお金をだまし取る卑劣な行為です。

知らない人に声をかけられ、「お金がない」などの話になったらすぐに理由をつけて立ち去るようにしてください。

また警察には、警察官などが原則1000円まで貸してくれる公衆接遇弁償費制度というものがあります。立ち去ることが難しければ、交番を案内するようにしましょう。


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