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エステを中途解約するルールは?基本的なやり方と3つの注意ポイント

投稿日時 2019年06月17日 12時21分
更新日時 2019年06月17日 12時21分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • エステサロンとのコース契約を解約したい人

  • エステコースの中途解約方法を知りたい人

  • 支払いが厳しいので、契約を終了し返金してもらいたい人

はじめに

「転勤でエステに通うのが難しくなった」
「エステの料金を支払っていくことが厳しい」

このような事情でエステとの契約を解除する場合、「中途解約」という方法で契約を解除することになります。

ただし、中途解約には、料金の支払い方などの適用条件があるため、注意が必要です。

この記事では、中途解約ができる条件や具体的な方法など、気になるポイントをご紹介していきます。

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1.中途解約のルールは?基本的なポイント3つ



そもそも、「中途解約」とはどのような仕組みなのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

①どういうときは中途解約できるの?

中途解約は「クーリング・オフ」を利用できなくなった後に使用するため、契約から数えて8日を超えたときに使用します。

ただし、エステを中途解約をするときには、適用できる条件があるので注意が必要です。

以下、表にまとめました。


提供期間 1ヶ月を超えるもの
金額 5万円を超えるもの
エステの内容
エステティック 人の皮膚を清潔もしくは美化し、体型を整え、または体重を減ずるための施術を行うこと
(いわゆる美容医療に該当するものを除く)
美容医療 人の皮膚を清潔もしくは美化し、体型を整え、体重を減らすための医学的処置や、手術・その他の治療を行うこと
(美容を目的とするものであって、主務省令で定める方法によるものに限る)
(参照:特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供

さらに、「役務提供期間中に解約を申し出る」ことが条件です。

  • 役務提供期間とは?

    簡単にいえば、エステの有効期限のことです。

    エステの場合、「1年以内に通ってください」といった利用可能期間が設けられています。中途解約をするときは、この期限以内に申し出ないと返金してもらえません。

    役務提供期間は必ず契約書や概要書面に書かれています。契約時に渡されている書面を確認してください。

      役務提供期間内 役務提供期間後
    返金 できる できない
    クレジットの解約 できる できない

    もし、役務提供期間内に中途解約できず、クレジットカードのローンだけ残ってしまった場合、ローンの支払いができずに滞納してしまうケースも考えられます。

    そのようなときの対処法について、こちらの記事で紹介しているので参考にしてください。


  • 関連商品も一緒に返品できる

    「エステを受けるために、必ず購入しなくてはならない」と言われて購入した「関連商品」も中途解約とともに解約・返品することができます。

    主に、以下のようなものがあてはまります。

    エステティック
    ・健康食品
    ・化粧品、石けん(医薬品を除く)、浴用剤
    ・下着類・美顔器、脱毛器
    美容医療
    ・健康食品
    ・化粧品
    ・医薬品or医薬部外品で、美容を目的とするもの

    ただし、買うことを推奨される「推奨商品」は対象ではないので注意してください。

②中途解約は違約金が必要

中途解約はノーリスクでできるわけではありません。必ず、「違約金」を支払う必要があります。

違約金は法律により、上限が定められおり、サービスの利用開始前か後かによって変動するので、解約を申し込む前に計算しておきましょう。

サービス開始前 2万円
サービス開始後 2万円or未使用サービス料金の10%のどちらか低い方
+既に受けたサービスの料金

たとえば、10回で15万円のコースを3回払いで契約し支払い終えている状況で、2回利用後に解約するとします。

上記のルールあてはめて考えると、

1回あたり15万円÷10回=1万5000円
すでに受けたサービス料金=3万円
未使用サービス料金=12万円
未使用サービス料金の10%=1万2000円(2万円よりも低い)
違約金=3万円+1万2000円=4万2000円

となります。

つまり、返金されるのは

15万円ー4万2000円=10万8000円

と計算されるのです。

③中途解約以外にも返金を求める方法がある

中途解約以外にも、返金してもらえる方法として「クーリング・オフ」や「消費者契約法による取消権」があります。

それぞれ、どのようなものなのが見ていきましょう。

  • クーリング・オフ

    一定期間内であれば、契約を無条件で解約できる制度です。エステ契約の場合、契約書を渡されてから8日間がクーリング・オフ期間となります。

    先ほど触れたように、このクーリング・オフができなくなったら中途解約を行う流れになるため、契約から8日以内ならクーリング・オフを行いましょう。

    といっても、クーリング・オフ期間が過ぎてしまったからと言って100%クーリング・オフが使えなくなるわけではありません。

    契約書の記載事項に不備があったり、クーリング・オフをしようとしてサロン側に妨害されたりした場合は、クーリング・オフを利用できます。

    詳しいルールは、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。


  • 消費者契約法による取消権

    勧誘時にサロン側が違反行為をしていた場合、利用できる制度です。

    下記のようなもので、誤認・困惑して契約してしまっていたら、契約を取り消すことができます。主に、エステで関わるものをまとまました。

    不実告知 重要な内容について、事実とは異なる内容を告げた
    過量契約 消費者にとって商品の量が通常よりも多すぎると知りながら販売した
    断定的判断の提供 将来の予測ができないものを「必ず」「確実に」と断定した
    不利益事実の不告知 消費者が不利になる事実をわざと告げない
    退去妨害 消費者が業者の店舗などで「帰らせて下さい」と言っているのに引き留める

    取消権は、消費者が誤認に気づいてから1年、契約してから5年経過すると使えなくなってしまうので、素早く行動してください。

    ただし、サロン側が取り消しを拒否した場合、こうした違反行為をサロン側が行っていた事実を証明する必要があるので注意しましょう。


2.引き伸ばしに要注意!確実に中途解約するためのポイント



「よし、エステを解約しよう!」

そう思ってサロンに連絡を取った結果、契約できなくなるケースもあるので注意が必要です。

気を付けておきたいポイントをご紹介します。

①電話連絡で期限切れ?解約引き延ばしトーク

「中途解約したい」と思ったとき、まずはサロンに電話しようとする人もいるでしょう。

しかし、サロンに電話連絡したことによって役務提供期間が切れるまで解約を先伸ばしにされ、中途解約できなくなるトラブルもあるため、注意が必要です。

解約を先延ばしにされる口実は以下のようなものが考えられるので、用心しておきましょう。

・現在、担当者がいない
・混雑しているので後から折り返しする
・継続しないと効果が出ない
・サロンに来店して中途解約手続きをする必要がある

特に、役務提供期間の期限間近で連絡すると、こうしたトークにより解約できないように誘導される可能性があります。

また、直接来店すると、解約を引き止めるために様々なコースを勧められ、断り切れずに追加で契約してしまうトラブルも考えられるため、基本的には、電話連絡をしない方が得策です。

  • 本来、サロンは中途解約を妨げてはならない

    そもそも、サロンは中途解約の妨害を禁止されているのですが、ルールを守っていない悪質なサロンがいるのも実情です。

    なお、東京都消費者被害救済委員会が担当したエステの解約に関するあっせん事例では、以下のように指摘しています。

    2.解約申出に対する遅延行為や妨害行為をしないこと
    特定商取引法上、クーリング・オフや中途解約の申出があった場合、事業者は無条件に受け入れなければならず、特約によりこれらの解約の権利を制限することはできない。また、解約に至る経緯や事情を聞き出して代替案を提示して翻意を促すことは、同法の禁止行為(解約拒否・遅滞、解除妨害)に該当するので、すぐに是正しなければならない。
    出典:2017年08月28日・東京都生活文化局『東京都消費者被害救済委員会があっせん解決 エステ及び関連する商品の解約に係る紛争』

②確実に中途解約したいときは書面で通知する

中途解約は、書面で行う方法が無難です。

書面には、下記の内容を記載しましょう。

・事業者名とその代表者名
・自身の名前、住所
・書面を作成・送付する日付
・契約した日付と契約したサービス内容
・中途解約を求める旨
・計算した違約金の金額とその差額から返金を求める金額
・振込先の銀行口座

なお、書面は「内容証明郵便」「配達証明」を利用して送付してください。

「内容証明郵便」とは、いつ、だれが、どのような内容の書面を、誰に出したのかを日本郵便が公的に証明してくれる郵便のこと。

「配達証明」は、郵便を確実に届けたことを日本郵便が証明するものです。

中途解約制度は、相手に解約の意思が伝わった時点で効力を発揮するので、内容証明郵便に配達証明をつけて通知を送る方法がベターです。

なお、内容証明郵便には文字数制限などの表記ルールがあります。詳しくは、こちらの記事で解説しているので、作成の参考にしてください。


3.返金をしてもらえない…そんなときは専門家に相談しよう



中途解約を申し入れても解約や返金を拒否されたら、専門家に協力を仰ぎましょう。

まずは、相談してみることが大切です。

主な相談先2つをご紹介します。

①国民生活センター(消費生活センター)

国民生活センターでは、事業者と消費者との間で起きたトラブルについて、相談を受け付けています。

トラブル内容に応じて、事業者との間に入って交渉を行ってくれることもあるため、困ったことがあれば相談してみてください。

相談方法は電話連絡と消費生活センター訪問の2通りです。

消費者ホットライン
電話番号 188
受付時間 各地で受付時間が異なる
国民生活センター 平日バックアップ相談
電話番号 03-3446-1623
受付時間 平日10時~12時 13時~16時
直接訪問
各地の消費生活センターや消費生活相談窓口へ

②弁護士

弁護士には、トラブルに対する法的なアドバイスを求めることができます。

相談には1時間5000円~1万円ほどかかりますが、初回相談は無料としている事務所もあるので探してみましょう。

相談後、弁護士に対応を求めたいときは正式に依頼を行ってください。弁護士が事業者と交渉を行うと、すぐに返金に応じてくれる可能性があります。

また、事業者に弁護士での交渉も拒否された場合、返金を求めて訴訟を起こすことになるはずです。

依頼料や弁護士報酬などの費用がかかるため、あらかじめ自身の被害額との兼ね合いを考慮してください。


  • 費用倒れの場合は集団訴訟もあり

    自身の被害額と弁護士費用を鑑みて、費用倒れしてしまうリスクがある場合、集団訴訟も候補に入れてください。

    集団訴訟とは、同じ加害者から被害を受けた被害者が協力して訴訟を起こす方法で、費用は参加者全員で分割して支払います。

    同じサロンから被害を受けた人がいれば協力して訴訟を起こせるので、Twitterで情報発信を行ったり、enjinでプロジェクトを立ち上げるなどして、仲間を募ってみましょう。


4.まとめ

  • エステの中途解約は、役務提供期間中に行う必要がある

  • 中途解約は配達証明つきの内容証明郵便で行う

  • 不安になったときやサロンが返金に応じてくれない場合は、国民生活センターや弁護士に相談する

おわりに

中途解約は役務提供期間中しか利用できないため、すぐに行動を起こすことが大切です。

支払いきれないエステローンなどは解約し、返金してもらいましょう。

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