この記事は以下の人に向けて書いています。
- 悪徳業者に騙されたかもしれないと不安に感じている人
- 今後の対応がわからず、相談したい人
- 専門家からアドバイスをもらいたい人
はじめに
リフォーム工事で法外な金額を要求したり、中身のない情報商材を買わせたりと、様々な手口で消費者をだます悪徳業者。
一口に悪徳業者による詐欺やトラブルと言っても、分野によって、解決方法は異なることもあります。
そのようなときに頼りになるのが、専門の相談窓口です。
この記事では、悪徳業者による詐欺やトラブルの被害にあった際に役立つ相談窓口をまとめました。
購入トラブル全般を相談できる窓口と、
トラブルが起こりやすい特定テーマの相談窓口をご紹介しますので、参考にしてください。
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1.迷ったらここ!消費活動全般のトラブルを相談できる窓口5つ
まずは、消費者と事業者のトラブル全般の相談を受け付けている窓口をご紹介します。
相談先に困ったときは、こちらに連絡してみましょう。
①消費者ホットライン(国民生活センター/消費生活センター)
消費者ホットラインは、消費者問題全般のトラブル相談に対応してくれる相談窓口です。
国の公的機関である
「国民生活センター」が運営しており、各都道府県に設けられている
「消費生活センター」が相談を受け付けています。
消費者ホットラインに連絡すると、最寄りの消費生活センターにつないでくれるので、「困ったときには188(いやや)に連絡する」と覚えておきましょう。
なお、直接
各地の消費生活センターに相談することも可能です。
もしも188等に電話がつながらない場合は、国民生活センターの
「平日バックアップ相談」も利用してみてください。
また、国民生活センターでは、事業者と消費者との間に立って積極的にトラブル解決を図る
「あっせん」なども提供しています。
国民生活センターの業務や利用方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
②警察相談専用電話
トラブルや安全に関わる不安を警察に相談できる電話窓口です。
たとえば、詐欺や悪質商法に騙された、インターネットオークションで取引相手とトラブルになった、などのときに連絡すると、どのように対処すればいいのかアドバイスをもらえます。
なお、相談内容によっては、法テラスや消費生活センターなどの専門機関を紹介されることもあるようです。
「これは詐欺かもしれない」「これってどうなの」と思ったり警察に判断を仰ぎたいときは、利用してみましょう。
実際、訪問業者に高額な屋根工事を契約させられた女性が#9110に連絡したところ、クーリング・オフについて説明され、無事に全額返金してもらえたケースもあります。
(
出典:2019年3月26日・政府広報オンライン『生活の安全に関する不安や悩みは警察相談専用電話 #9110へご相談ください』)
③法テラス・サポートダイヤル
法テラスは、
法的トラブル解決のために、国が設立した専門機関です。
サポートダイヤルでは、「代金を振り込んだが商品が届かない」「身に覚えのない請求書が届いた」など、どう対応すればいいのかわからず、困っている消費者に対し、
対処法や適切な専門機関を紹介してくれます。
消費者トラブルだけでなく、法律上の手続きなども解説してくれるので、利用してみてください。
なお、すでに弁護士への相談を検討しているものの費用を心配している人には、
無料の法律相談や弁護士費用の立替を行う「民事法律扶助業務」も提供しています。
民事法律扶助業務を利用するには、収入などの一定条件があるので、
こちらのページから確認してみてください。
④消費者相談室
経済産業省が設けている相談窓口です。
訪問販売や通信販売、電話勧誘、マルチ商法、クーリング・オフ、エステサロンとの契約トラブルなど、さまざまな消費者トラブルの相談を受け付けています。
必要に応じて、ほかの専門機関への紹介などのアドバイスをしてくれるので、連絡してみましょう。
⑤適格消費者団体
適格消費者団体は、
悪質業者から多くの消費者の利益を守るため、内閣総理大臣から認可を受けた法人(団体)です。
同団体は2019年6月現在、20団体認定されており、
「消費者団体訴訟制度」の
「差止請求」を利用して、法律に違反している業者に対しその行為をやめるよう求める活動を行っています。
差止請求の基本的な流れとしては、消費者が「この広告に騙された!」という被害情報を提供(通報)すると、団体が状況を確認し、
事業者に対してその違法行為をやめるよう差止請求訴訟を起こすというもの。
なお、団体によっては、生活相談を受け付ける窓口を設けていることもあるので、
各団体のウェブサイトをチェックしてみてください。
また、適格消費者団体の認定に加えて新たな要件を満たした
「特定適格消費者団体」では、
違法な契約で被害を受けた被害者の代わりに、業者へ返金請求訴訟を起こし、被害者に返金する「被害回復」を行うことも可能です。
適格消費者団体・特定適格消費者団体については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
このように、消費者団体訴訟制度は、
同じ原因で被害にあった多くの消費者に変わって集団的な回復を求めることが可能です。
また同じく、集団で協力し被害を回復する手段として、
「集団訴訟」という方法があります。
「集団訴訟」は、
証拠を共有できる、弁護士費用の分担ができる、といったさまざまなメリットがある訴訟方法で、同じ加害者から被害を受けた被害者仲間が自分以外にもいれば、訴訟を起こすことが可能です。
詳しくは、下記の記事で解説しています。
2.テーマ別!頻発するトラブルを専門に扱う相談窓口6選
トラブルになりやすい、
①インターネット関係
②投資詐欺
③不動産関連
それぞれの相談窓口をまとめました。
①インターネット関係
- サイバー犯罪相談窓口(都道府県警察本部)
オークション詐欺やネットストーカー、架空請求メールなど、インターネットに関するトラブル相談を専門的に扱っている警察の相談窓口です。
相談した結果、「被害届を出したい」と思ったときにも力になってくれます。
インターネットでトラブルが起きたときは、真っ先に相談してみましょう。
また、「悪質なサイトを見つけた!警察に通報したいけど、自分の名前は出したくない…」と思った場合は、インターネット・ホットラインセンターに情報を提供してみてもいいかもしれません。
インターネット・ホットラインセンターは警察庁から業務委託を受け、消費者からの情報提供を元に、警察への通報やプロバイダへの削除依頼などを行っています。
ただし、あくまで悪質・有害なサイトを通報する窓口であり、消費者個人の相談は受け付けていないので注意してください。
- 通販110番(日本通信販売協会)
通信販売に関する相談窓口です。
消費生活アドバイザーの有資格者が「注文していないのに商品が届いた」「説明と商品が異なる」などの相談にのってくれます。
日本通信販売協会のウェブサイトから問い合わせをすることも可能です。
インターネット関係のトラブルについては、下記の記事で特徴や手口、対処法を紹介しています。
②投資詐欺
- 金融サービス利用相談室(金融庁)
投資商品や仮想通貨などのトラブルを扱う相談窓口です。
相談内容に応じて、専門の相談員がアドバイスや情報提供などの対応をしてくれます。
なお、適切な機関の紹介や論点整理などはしてくれますが、あっせんなどはしてくれないので、注意してください。
- 「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター(日本証券業協会)
「未公開株を買いませんか?」
「今、〇〇社の社債を買えばあとで高く売れますよ!」
電話などでこのような連絡が来た場合の通報・相談窓口です。
少しでも怪しいと思ったら、連絡しましょう。
投資詐欺については下記の記事で手口や特徴を紹介しています。
③不動産関連
- 住まいるダイヤル(公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが設けている、住宅全般に関する相談窓口です。
契約金額や工期、解約、リフォーム、工事不備など、住宅に関する業者とのトラブルを相談でき、専門の相談員がアドバイスをしてくれます。
リフォームの見積の項目や価格などをチェックするサービス(無料)もあるので、リフォームの金額に不審点がある人は利用してみてください。
- 一般社団法人日本不動産仲裁機構
不動産の取引や敷金、相続など、不動産に関するトラブル全般を受け付けている相談窓口です。
メールでの相談内容に応じて、以下の3つの相談窓口に案内されます。
自分の希望する内容により、どの窓口か適切か判断できている場合は、直接メール相談することも可能です。
不動産関連のトラブルについて、下記の記事でも詳しくご紹介しています。
3.弁護士から専門的なアドバイスが欲しい…弁護団に相談を
すでに、特定の業者に対してアクションを起こす「被害対策弁護団」(特設弁護団)が立ち上がっているものもあるので、ウェブサイトを確認してみてください。
詐欺が頻発しているテーマのトラブルの場合、すでに「弁護団」が結成されています。
そのテーマに詳しい弁護士が所属しているため、専門的なアドバイスを受けられたり、業者に対して対応を依頼したりすることも可能です。
悪徳業者のトラブルを相談できる弁護団をピックアップし、ご紹介していきます。
①クレジット・リース対策弁護団
クレジットカードを使い、多額の契約をしたトラブルを相談できる弁護団です。
主に、下記のような被害をあつかっています。
クレジット
リース
サクラサイト
占いサイト
情報商材
投資用マンション |
②医療問題弁護団
医療問題弁護団では、美容整形など
医療問題に関する法律相談を行っています。
初回無料の法律相談を行っていますが、
電話かメールで相談申し込みが必要です。
なお、医療事故との確信がなく、「自分の状況は医療事故ではないのか?」との不安・不審があるケースでは、
「医療被害テレフォンガイド」を利用してみてください。
こちらに電話相談した結果、消費者が面談を希望しつつ弁護士も面談相談が適切だと判断した場合は、弁護士による法律相談(面談)を受けることも可能です。
③サブリース被害対策弁護団
明らかに利益の出ないアパート経営を提案する
「不動産サブリース問題」を主に扱う弁護団です。
サブリース事業者側から理不尽な賃料減額請求を受けたときや、理不尽な契約解除を受けたとき、アパート建築を取りやめたものの不当な請求を受けたときなどで、対応してくれます。
④弁護団や仲間を探すには
これらの弁護団に相談した結果、被害者仲間と協力して訴訟を起こす
「集団訴訟」の参加を呼び掛けられることがあります。
なお、特定の業者から多数の消費者が被害にあっている事件では、
「〇〇被害対策弁護団」や
「被害者の会」が立ち上がっているケースもあるので、インターネットで検索してみましょう。
また、こうした弁護団・被害者の会が立ち上がっていない場合、自分でTwitterなどSNSで被害情報を発信し、仲間からの連絡を求め、訴訟に参加する仲間を集めるやり方があります。
このほか、
集団訴訟プラットフォームenjin
ではすでに、あなたのトラブル内容と合致するプロジェクトが立ち上がっているかもしれません。
こちらから業者名やトラブル内容を入力し検索してみてください。
4.まとめ
- どこに連絡していいか迷ったら「消費者ホットライン」へ
- 分野別の相談窓口や弁護団を探して相談
- 被害者の会に加わることも手段の一つ
おわりに
だまされたかどうか判断がつかない段階でも、相談にのってアドバイスをくれる窓口もあります。
決して一人で悩まず、専門家の力を借りましょう。