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結婚詐欺師を訴える方法2つ!言い逃れを防ぐポイントと手続きを解説

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投稿日時 2019年05月07日 15時24分
更新日時 2019年09月18日 11時45分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 結婚詐欺師を訴える方法を身につけたい人

  • どんな罪を問うことができるのか詳しく理解したい人

  • 訴えるときに気をつけたほうがいいこと知りたい人

はじめに

結婚詐欺は、相手の恋愛感情を利用してお金を騙し取る悪質な犯罪。

にもかかわらず男女関係のもつれで片付けられがちな面があり、加害者が責任や罪から逃れやすくなっているのが実状です。

ですが、相手を訴えることができないわけではありません。

この記事で結婚詐欺師を訴える方法や言い逃れをされても追求できる証拠の種類を紹介します。

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1.訴える方法は2種類!結婚詐欺で発生する責任と罪



結婚詐欺をした相手を訴えたい……

そう考えたとき、取れる方法は民事訴訟刑事告訴の2種類です。

訴訟によって民事上の責任を問えれば慰謝料を請求でき、告訴によって刑事上の責任を問えれば相手に罰を与えることができます。

しかし結婚詐欺の場合、必ずしもそれぞれの責任が認められにくいのが実状。ここでは理由を交えながら、訴えるために必要な証拠をご紹介します。

①民事上の責任

まずは、結婚詐欺をした相手に発生する責任の種類についてまとめてみます。

  • 結婚詐欺で発生する民事責任の種類

    責任の種類 発生する条件
    不法行為 結婚を理由に財産を騙し取ったり権利を侵害した場合
    債務不履行 婚約やそれと認められるような行動を取りながら実際に結婚しなかった場合
    貞操権侵害 結婚する意思がないのに嘘をついて性的関係を持った場合


  • 訴訟を起こすために必要なのは証拠

    訴訟を起こして相手に損害賠償を請求する場合、民事責任が発生していることをはっきりと示す必要があります。

    それをしないと、例えば不法行為や貞操権侵害を問おうとしても「本当は結婚するつもりだった」と相手が言い逃れをし、裁判所に「単純な男女関係のもつれで別れた」と認識されてしまう可能性が高くなるからです。

    債務不履行の場合は、「勝手に婚約したつもりになっただけ」と言われてしまうこともあります。

    このような事態とならないよう、訴える前に以下の証拠などを集めるようにしてください。

    結婚する意思がなかったことを示す証拠 妻子や別の婚約者がいることを隠していた証拠
    収入や学歴で嘘をつき、相手に結婚を意識させるような行為をしていた証拠
    相手を騙そうと考えていたことがわかる発言やメール
    婚約していた事実を示す証拠 婚約指輪
    一緒に見学した式場の情報や予約のメール
    ブライダルサロンへの登録
    両親や親しい友人への紹介

②刑事上の責任

次に告訴して刑事上の責任を訴える方法です。

  • 結婚詐欺は詐欺罪に該当

    結婚詐欺の場合は、詐欺罪に該当するかどうかが検討されます。

    ただこちらは、民事訴訟以上に問うことが難しくなっています。

    男女関係内での金銭トラブルは民事トラブルの争点にはなりやすいものの、交際関係のもつれと見られやすく、「詐欺罪とまでは言い難い」と判断されてしまうケースが多いからです。


  • 詐欺罪と認定させるためには

    一方で、結婚の意思に関係なく「親が癌で治療費が必要」と嘘を言って金銭を騙し取った場合は、詐欺罪が成立する可能性が高まります。

    いずれにしても、詐欺罪として問うためには「最初から騙すつもりで結婚を利用していた」ことを示さなければいけません。以下の証拠が有効となるので、優先的に集めるようにしましょう。

    相手が騙そうとしていることに気づかずに交際していたことを示すもの
    (出会いからお金を騙し取られるまでの経緯がわかるメモなど)
    相手の嘘でお金や財産を渡してしまったことを示すもの
    (どんな理由でいつ、いくらお金を払ったのかがわかるとなおいい)
    相手の発言や教えてくれた住所、勤務先が嘘だと示すもの


2.まずは被害届を提出!訴えるために必要な手続きと流れ



証拠が揃ったら訴訟であれば裁判所、告訴であれば警察署で手続きを行ってください。

この章で手続きの仕方や必要な書類を、具体的な流れと一緒に解説します。

①被害届を出す

まずは訴訟と告訴、どちらの場合にしても被害届を出してください。

詐欺被害にあったことを知らせることで警察が捜査に乗り出し、後ほど相手の罪を決定づけるような証拠を見つけてくれる可能性もあるからです。

被害届に必要な内容は以下になります。

被害者の住居、職業、氏名、年齢
被害の年月日時
被害の場所
被害の模様
被害金額(品名、数量、時価、特徴、所有者)
犯人の住居、氏名又は通称、人相、着衣、特徴等
遺留品その他参考となるべき事項
(参照:『別記様式第6号(犯罪捜査規範第61条)』)

ただ場合によっては、より情報が必要なときもあるので事前に警察に聞くのがいいでしょう。

下記の記事では、被害届を受け取ってもらえないなど困ったときの対策などを紹介しているのでチェックしてみてください。


②民事訴訟の場合

損害賠償を請求するときは、詐欺師の住所地を管轄する簡易裁判所に下記を提出してください。
(※被害額が140万円を超えている場合は地方裁判所となります。)

・訴状(用紙は裁判所に備え付けてありますが、各ウェブサイトからでもダウンロードできます)
・申立手数料(手数料額早見表で確認できます)
・訴状副本

提出が終わったら、裁判所から裁判する日の指示を待ちます。当日は法廷で言い分を述べ、勝訴かこちらの陳述が認められれば相手から損害賠償金を得ることができます。

  • 弁護士に相談するのが無難

    民事訴訟を起こした場合、相手が慰謝料の回避や減額を画策してくる場合もあります。

    そのためひとりで起こすのではなく、弁護士に相談するのがベター。アドバイスをもらいながら証拠を集めれば、裁判を有利に進められることもあります。また相手がプレッシャーを感じて、慰謝料の支払いにすんなり応じてくれることもあるかもしれません。


  • 個人で起こすことが難しければ集団訴訟を

    ただ結婚詐欺師は基本的に証拠を残さないようにするため、民事訴訟を起こすときに必要な相手の住所がわからないまま、行方をくらましてしまうケースもあります。

    もしそうなった場合でも、集団訴訟であれば相手を訴えることができるかもしれません。集団訴訟とは同じ手口で被害にあった仲間を集めて訴訟する方法で、被害者が集まれば有用な証拠が手に入る可能性も広がります。

    デート商法などを使い、同じ加害者が複数の被害者に投資をさせたり、金銭を騙し取っていたりしたようなケースでは有効な手段です。

    集団訴訟については下記の記事で詳しく説明しています。



③刑事告訴の場合

最寄りの警察署に告訴状証拠を提出しましょう。

告訴状は以下の内容を、A4サイズの用紙に横書きで記入します。

・「告訴状」というタイトル
・宛先(例:渋谷警察署長殿 埼玉県警察署長殿)
・告訴人の住所と連絡先、名前、押印
・被告訴人の名前
・告訴の趣旨(該当する罪名や、処罰を求める意思表示)
・告訴の事実(いつ、誰が誰に対し、どのような結婚詐欺を行ったのか)

提出したあとは警察が捜査次第で詐欺師を逮捕。警察から身柄を預かった検察が集めた証拠を元に起訴すると、実刑を下す刑事裁判となります。

  • 告訴状は必ず受理されるわけではない

    ただ告訴状は、必ず受け取ってもらえるとは限りません。

    理由としては、告訴状を受理した場合警察は必ず捜査をしなければいけない決まりがあるからです。

    そのため、人員状況が厳しいときや加害者を逮捕できる可能性が低い場合は断られてしまうことがあります。

    もし受理してもらえなかった場合は、やはり弁護士に相談するのがベスト。事情を説明すれば、受理してもらいやすい告訴状を代わりに作成してくれます。

    告訴状の提出でおさえておきたいポイントについては、下記の記事で紹介しているので参考にしてください。


3.訴えても厳しい?罪を償わせるのが困難なケースとその対策



結婚詐欺では相手を訴える方法はあるものの、必ずしも結果に結びつくわけではありません。やはり万が一のときに備え、素性を明らかにしない相手には最初から近づかないなどの対策が重要です。

せっかく出会えたからと、相手からすぐに離れるのが難しいときもあるはず……ですがそれこそ詐欺師の狙いかもしれません。

最後の章では、証拠を揃えても損害賠償を請求したり相手に罪を償ってもらうことが難しいケースをご紹介します。事前の対策法についても講じているので、詐欺師の罠にはまらない術としてください。

①自分に非があって相手が別れを告げてきた場合

「相手に暴力をふるってしまった」
「相手とは関係なく大きな借金を負ってしまった」

など、相手に別れを告げられても仕方がないようなことをした場合は、自分に非がないとは言い切れません。

結婚詐欺師によっては罪を免れるためにわざと煽ってくる場合もあるので、喧嘩になったときも冷静に対応することを心がけてください。

よくありがちなのが相手が詐欺師とわかったことに腹を立て、相手の職場の上司などに告げ口してしまうケース。この場合は、むしろ名誉毀損で訴えられてしまう可能性があるので注意が必要です。

②自分の意思でお金を貸してしまっている場合

自ら進んでお金を貸してしまったときも、詐欺と認めてもらえない可能性が高くなります。

そのため「親が借金を抱えていて…」「祖母の入院費が足りないんだ」など身の上話をして、同情を誘ってくるのもよく使われる手口です。

仮に本当に結婚する相手でも、出会って間もない人に多額の援助を求めるのは気が引けるもの。お金の話をされたら一旦保留にして相手が嘘をついていないか調べたり、連絡の記録を残しておくようにしましょう。

③相手と連絡が取れる場合

結婚詐欺の相手は、ある程度お金を騙し取ると行方をくらますケースがほとんど。しかしなかには、直接会うことはできないけどまだ連絡が取れるような場合があります。

実はこのときはまだ詐欺とは言えず、訴えることが難しい状態。「返そうと思っていたけど忘れていた」「借金がまだあって返せていない」などの言い訳ができてしまうからです。

そうした事態を避けるために、会えているうちにお金を貸す場合は借用書を書いてもらうようにしましょう。


こちらの記事も参考にしてみてください。

4.まとめ

  • 結婚詐欺師を訴える方法は民事訴訟と刑事告訴の2種があり、どちらも証拠が重要。

  • 訴える場合は警察に被害届を提出。民事訴訟をひとりで起こすのが難しい場合は集団訴訟の検討をしよう。

  • 相手がお金の話をしてきたら要注意。話の裏を取る、貸し借りの記録をつけるなどを忘れないようにする。

おわりに

結婚詐欺をする相手は、お金を騙し取るだけでなく言い逃れにも長けている場合があります。

相手の責任や犯した罪をはっきり示すために、弁護士のアドバイスをもらいながら必要な証拠をできるかぎり集めてください。


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