「架空請求業者が家に来るかも…?」住所がバレても安心な3つの理由

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投稿日時 2018年09月19日 18時49分
更新日時 2019年09月18日 15時15分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 携帯のIPアドレスなどが表示されたメールが届いた人

  • 架空請求業者から「家に行く」などと言われ不安な人

  • 架空請求業者に住所を教えてしまったあとで詐欺に気づいた人

はじめに

架空請求の中には、携帯電話のIPアドレスや個体識別番号などの情報を載せているものがあります。また住所などの個人情報を架空請求業者に知られてしまい、「払わなければ家に行く」などと脅されてしまうケースもあります。

結論から言うと、架空請求業者が実際に家までくるケースはありませんので、心配は無用です。しかし、架空請求業者に住所を知られてしまっているかもしれないと思うと、不安に感じる人もいるでしょう。

そこで今回は、架空請求業者に住所を知られるとどんなことが起こるのか、どう対応すればいいのかを解説します

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1.これって住所がバレてる……?3つのケースで対策を解説!



架空請求業者に何らかの情報を知られてしまっているケースには、大きく分けて3つのパターンがあります。それぞれの場合について、実際にはどのような個人情報がバレていると考えられるのか、どんな対策をすればいいのかを紹介します。

①請求メールに「IPアドレス」「端末番号」などが書かれていた

請求メールに「お客様のIPアドレス」「端末番号」などの情報が書かれている場合があります。

一見、いかにも重要な情報のように見えますが、実はそこから詳しい住所などの個人情報を調べることは不可能です。IPアドレスや端末番号が知られてしまったからといって、心配する必要はありません。

以下、くわしく解説していきます。
  • IPアドレスとは
    IPアドレスとは、インターネットに接続している端末ひとつひとつに割り当てられている、住所のような情報のことです。ウェブサイトを運営している人は、そこにアクセスしてきた端末のIPアドレスを簡単に知ることができます。

    しかし、IPアドレスからわかるのは、その端末が利用しているインターネットサービスプロバイダや、大まかな位置だけ。それ以上の具体的な住所を知るためには、プロバイダに対して情報開示請求をおこない、個人情報を開示してもらう必要があります

    この情報開示請求制度は、ネット掲示板に誹謗中傷を書かれた人などが犯人を特定するために使う仕組みなので、請求にはきちんとした理由が必要となります

    しかし、架空請求はそもそも正当性がないため、それをもとにプロバイダ業者が個人情報を請求することはありません。安心してください。

  • 端末番号とは
    携帯電話の端末番号(個体識別番号)とは、携帯電話の端末を識別するために割り当てられている固有の番号のことです。どの端末からの通信なのかを見分けるために用意されている情報で、ウェブサイトにアクセスするときに端末番号が送信されることがあります。

    端末番号はあくまで端末を識別するための情報であり、端末番号から所有者の住所や氏名などの個人情報を調べることはできません。架空請求業者があなたの端末番号を知らせてくるのは、いかにも個人情報を調べられるかのように見せかけているだけです。

  • 対策:メールだけで住所を知ることは不可能なので無視する
    架空請求業者がメールにあなたのIPアドレスや端末番号などの情報を書いていても、心配する必要はありません。それらの情報から住所などの個人情報を調べることは不可能なので、何も連絡せずに無視しておきましょう。

②自宅に請求のはがきが届いた

2018年から、メールではなく「はがき」による架空請求が増えてきました。はがきの差出人が「法務局 日本民事訴訟管理センター」などの公的機関のような名称になっていて、いかにも役所からの請求のように見えるということで、騙されてしまう人も出てきています。

  • 見知らぬ業者からのはがきが届く理由
    架空請求業者に住所を教えたことはないのに、なぜ架空請求のはがきが届くのか?」と思う方もいるかもしれません。

    その原因としては、以前サービスを利用した会社から顧客情報が流出した、名簿業者に顧客情報を売られてしまった、というケースが考えられます。

    氏名や住所の情報を完全に守ることは難しいので、見知らぬ業者から架空請求のはがきが届く可能性は誰にでもあると考えて、用心することが必要です。

  • 対策:こちらから連絡しないかぎり問題なし
    はがきで架空請求が送られてきたときの対策も、メールの場合と同じです。こちらからは何も連絡せず、無視しておけば問題ありません

    自分の氏名と住所が知られてしまっているということで不安に思う方もいるかもしれませんが、架空請求業者は手に入れた名簿をもとに大量のはがきを送っているため、あなたが返信しない限り、それ以上の行動を起こすことはありません

    むしろ、架空請求のはがきに書かれている連絡先に電話してしまうと「まだ引っ越していない」「架空請求を真に受ける人である」ということが相手に知られてしまい、ほかの架空請求業者からも同様のはがきや電話が送られてくるおそれがあります。

    また、電話をすることで銀行振り込みやコンビニ払い、プリペイドカードなどの手段でお金を払うように誘導されてしまいますので、絶対に連絡しないようにしてください

  • 例外:もし実在する裁判所からはがきが届いた場合……
    はがきによる架空請求は基本的に無視しておけば問題ありませんが、実在する裁判所からはがきが届いた場合は要注意です。裁判所から「支払督促」や「小額訴訟」の連絡がきたときは、無視していると相手の主張を認めたことになってしまい、後でお金を払わなければならなくなる可能性があります。

    ただし、裁判所からの通知を装ったはがきを架空請求業者が送ってくることもありますので、裁判所に連絡する前に、本当にそれが裁判所からのはがきなのかを調べましょう。裁判所のホームページで、はがきに書かれている名称の裁判所が実在するか、そして電話番号が正しいかを確認してください。間違っても手紙に書かれた連絡先に直接電話をしてはいけません

    また、本物の裁判所からのはがきであれば、書留で送られてきます。普通郵便で送られてきて、受取確認なしで家のポストに投函されていた場合は、ニセモノであると判断しましょう。

    本物の裁判所からのはがきだった場合は、裁判所に連絡すれば自分宛ての支払督促や訴訟の状況を聞くことができます。そのうえで、早めに弁護士や消費者センターに相談しましょう。

③ 電話して自ら住所を教えてしまった

架空請求メールの連絡先につい電話してしまい住所を教えてしまったけれど、途中で詐欺であることに気づいて電話を切った、というケースでは、少し注意が必要です。架空請求業者から再度連絡が来る可能性がありますので、騙されてお金を払ってしまわないようにしましょう。

  • 実際に家まで来る可能性は低い
    住所を知られてしまったので、実際に家まで来てお金を請求してくるのではないか、と不安に感じるかもしれませんが、その可能性は低いです。架空請求業者は電話やメール、はがきなど、自分たちの身元がバレにくい手段で連絡してきます。

    もし相手の家まで行ったら、被害者が警察に通報することもあるため、架空請求業者にとってリスクが大きすぎます。したがって、実際に家まで来るのではないか、と心配する必要はありません。

  • 住所を教えてしまったあとに起こること
    うっかり架空請求業者に住所を教えてしまった場合、しばらくは架空請求の電話やはがきが頻繁に送られてくることが考えられます。「この人はもう一押しすれば騙されてお金を払ってくれるかもしれない」と思われてしまうためです。

  • 対策:基本は無視。しつこく連絡が来る場合は通報を!
    再度はがきやメール、電話で架空請求が来る可能性がありますが、無視しましょう。

    同居している家族がいる場合は家族にも事情を説明して、怪しい請求には一人で対応しないように約束しておくと、より安心です。

    しばらく無視していれば、架空請求が来なくなる可能性は高いですが、あまりにしつこく連絡が来る場合は、電話番号の変更や、警察などへの通報も検討してみてください。

    詳しい窓口は後半部分で紹介します。


2.こんなことを言われた場合はどうすればいい?架空請求Q&A



架空請求の手口はますます多様化しています。この章では、架空請求にありがちなケースや、まぎらわしいケースについて、手口や対策をQ&A形式で紹介します。

Q:「法的な手続きをとる」と言われたんだけど……

A: ただの脅し文句なので無視しましょう。

架空請求業者は、お金を払わせるために「法的な手続きをとる」などと相手をあせらせるような言い方をすることが多いです。ただの脅し文句であり、実際に架空請求業者が訴訟を起こすケースはほとんどありませんので無視しておけば大丈夫です。

ただし実在の裁判所から通知が来た場合のみ注意しましょう。本当に裁判所からの通知かどうかを確認する方法や、対処法についてはこちらの記事で紹介しています。


Q:裁判所から督促のメールが来た!

A:裁判所がメールで督促や通知をおこなうことはありませんので、無視しましょう。

裁判所がメールで督促してくることは基本的にありません。

類似の事例として、警察や弁護士、消費者センターを名乗って架空請求でだまし取られたお金を取り戻しますよ、と連絡してくるケースもあります。自分から相談していないのに、いきなり警察や弁護士から連絡が来ている時点で怪しいと思ってください。

Q:警察から「架空請求の逮捕にご協力ください」という電話がかかってきた

A:警察を装った詐欺業者です。

本物の警察が一般の方に対して、急に捜査協力の依頼をしてくることはありません。詐欺業者が警察を装って連絡してきているだけなので、すぐに電話を切りましょう。もしお金を要求されても、絶対に振り込まないでください。


3.架空請求の被害にあったら……通報窓口3つ



架空請求業者からしつこく連絡が来る場合や、騙されてお金を振り込んでしまった場合は、警察などの窓口に通報しましょう。主な通報窓口3つを紹介します。

①警察

  • 警視庁「架空請求詐欺」「融資保証詐欺」の情報提供

    架空請求業者の情報を警察に提供して、警察の捜査に役立ててもらいたい場合は、警視庁ウェブサイトにある上記の情報提供ページからいつでも通報することができます。ただし、あくまで情報提供のためのページであり、ここで通報しても個別に相談に応じてもらうことはできませんので注意してください

  • 都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧

    お金をだまし取られた場合など、警察に個別に対応してもらいたい場合は、各都道府県のサイバー犯罪相談窓土口に相談してください。上記のウェブサイトで窓口の電話番号を確認できます。

  • 警察相談専用電話「#9110」
    架空請求の被害など、緊急ではないけれど警察に相談したいことがある場合は、局番なしの「#9110」に電話しましょう。各都道府県の警察の相談窓口につながります。

    受付時間:平日 8:30~17:15(ただし各都道府県警察本部で異なる)
    ※土日・祝日および時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応

②国民生活センター・消費生活センター

  • 消費者ホットライン「188」
    全国にある消費生活センター・国民生活センターの窓口では、架空請求の被害など生活に関する身近なトラブルに関する相談を受けつけて、解決の手助けをしてくれます。局番なしの「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターの窓口につながります。

    土日など消費者センターが開いていないときは自動的に国民生活センターにつながりますので、年末年始以外はいつでも相談可能です。

    受付時間:平日9:00~17:00、土日・祝日10:00~16:00(窓口によって違うこともあります)

③弁護士

  • 法テラスサポートダイヤル
    法テラスは法的トラブルに関する相談を解決するために、国が設立した機関です。上記のページからメールで相談できるほか、電話でも無料で相談を受けつけています。

    電話番号:0570-078-374
    受付時間:平日の9時~21時、土曜日の9時~17時(祝日・年末年始を除く)

  • enjin
    enjinは集団訴訟を起こしたい人が情報を提供したり、他の人が起こしている集団訴訟に参加したりするためのウェブサイトです。架空請求の場合、多数の被害者どうしで情報を共有することができる以外にも、警察などにも動いてもらいやすくなるというメリットがあります。

    「集団訴訟って何?」という方は、「集団訴訟のメリットって?ひと目でわかる早見表で4つの違いを解説!」の記事で集団訴訟について詳しく紹介していますので参照してください。


4.まとめ

  • IPアドレスや個体識別番号から住所などの個人情報を調べることはできないので、それらの情報を載せた請求が来ても不安にならずに無視すること。

  • 住所を教えてしまった場合でも、架空制空業者が実際に家まで来る可能性は低いので不安になる必要はない。ただし、しつこく請求が来る場合は警察などに相談を。

  • 裁判所から書面で通知が来た場合は、無視していると後で問題になる可能性があるので、本物の裁判所から送られてきているのかを調べること。

おわりに

架空請求業者にIPアドレスや個体識別番号、住所を知られてしまった場合にどうなるかを解説しました。
IPアドレスや個体識別番号から個人情報を調べることはできません。また住所を知られてしまった場合も、実際に家におしかけて来ることはありませんので安心してください。


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