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インプラントはここに注意!トラブル回避のための3つのポイント紹介
投稿日時 2019年04月09日 19時11分
更新日時 2019年04月09日 19時11分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • インプラント治療を検討していて、どんなリスクがあるか知りたい人

  • インプラント治療を受ける前に、トラブルを回避するための注意点などを知りたい人

  • インプラント治療を受けたが、健康被害があり、心配になっている人

はじめに

歯を失った場合に、手術をして人工の歯をうめこむ治療を「インプラント治療」と言います。大がかりな外科手術が必要で、自由診療のため、費用も高額になりがちです。

国民生活センターによるとインプラント治療による危害情報が年60 〜80件寄せられています。

だからこそ、事前にリスクや注意点をしっかり確認しておく必要があります。

この記事では、インプラント 治療におけるトラブルの事例や、治療を受ける際の注意点、実際にトラブルにあった場合の相談窓口などを紹介します。

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1.知っておきたい!インプラントのトラブル事例4つ



インプラントの治療のメリットは、義歯をしっかり固定できることで、しっかりと物を強くかむことができ、残っている歯にかかる負担が減って長持ちすることなどがあります。

一方で、治療期間が長く、治療費も高額です。また、天然の歯に比べ、感染に弱いこともあげられます。治療後に起きやすいトラブル4つを紹介します。

①インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、簡単に言うと「インプラントの歯周炎」のことです。インプラントにおける最も多いトラブルです。

インプラントの周囲に歯垢が蓄積したことで、インプラントの周囲が炎症し、骨まで進行したものを指します。放っておくと、最後には歯が抜けてしまうため、進行を止める治療が必要となります。

主な症状としては、

  • 歯肉が赤くなる
  • 腫れる
  • 膿が出る
  • 歯並びが悪くなる
  • 歯茎がやせる

などがあげられます。

治療は、「感染部分の除去」がメインになりますが、治療法は確立しておらず、治療費も保険ではカバーできません。

ブラッシングと、歯石の除去を適切に行うことが予防法の一つです。

②インプラントが固定されない

インプラントと骨がうまく結合されないと、固定されず、ぐらつきが生じます。 埋め込みの位置が適切でなかったり、浅かったりして、外れてしまうケースもあります。

インプラントの先端から骨が露出してしまう状況も、インプラントの固定がうまくいっていない場合に起こります。

固定がうまくいかない場合は、インプラントを抜く可能性が高くなります

③人工の歯(上部構造)がぐらつく、外れる

人工歯の固定やスクリューなどの締め付けがゆるいことで起こります。 噛み合わせの調整が適切でないために、特定の歯に負担がかかったり、人工歯が破損してしまったりします。

人工の歯が壊れたり、脱落してしまった場合は、修理や再作成することもできます

④痛みや腫れ、しびれが続く

インプラントが適切な位置や角度、深さで埋め込まれず、神経を損傷してしまうと、神経麻痺を起こします。下唇や下あごにしびれが出て、うまく動かすことができない場合もあります。

治療環境の衛生管理が悪く、手術中に細菌感染してしまい、炎症が起きてしまうケールもあります。

他にも、血が止まらなかったり、鼻の空洞にインプラントが刺さり、蓄膿になってしまったりしたトラブルも報告されています。

2007年には、東京都内のクリニックでインプラント手術を受けた当時70歳の女性が、手術後に死亡する事故も起きました。あごの骨を削る際に、注意を怠り動脈を傷つけたことが原因とされています。

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2.トラブル回避のための3つのポイント



①歯科選びの3つのポイント

インプラント治療のトラブルは、歯科医師のスキルや知識が十分でないことが原因の一つです。

インプラントを検討した時に、歯科を選ぶポイントを紹介します。

  • 治療症例数が多く、成功実績が高い

    歯科医院のウェブサイトなどをみて、インプラントの経験年数や、経験数などを確認する。治療症例300種以上、治療経験10年がひとつの目安になります。

    インプラントは、口腔内全体での治療を考える必要があるので、インプラント専門医が必ずしもいいとは言えないこともあります。

    公益社団法人日本口腔インプラント学会では、インプラント 治療に関する専門知識や技術が十分あると認めた歯科医師を専門医に認定しています。 ウェブサイト では、全国の専門医を検索できるので、参考にするといいかもしれません。


  • 丁寧な説明をする

    治療の方法だけでなく、手術のリスクや治療期間、成功率や失敗率、費用などを事前にしっかり説明してくれたり、疑問や質問に答えてくれる医院を選びましょう。

    治療の相談をして、その日のうちに手術が行われ、トラブルになったケースもありますが、リスクのある手術ゆえに、説明を怠る医院は注意が必要です。

    費用も、100万円以上の高額になる場合が多いため、見積もりを作成してもらうことをおすすめします。

    詳しい内容は、「②説明を受け、納得してから治療」で説明します。


  • 設備や機器がそろっている

    インプラント治療を安全に行うには、高度な設備を必要とします。
    特に「歯科用CT」「専用オペ室」がポイントです。

    CTでは、血管の位置や骨の幅などを診査、診断することができます。レントゲンでは判断がつかない箇所まで撮影ができるため、治療の精度を上げます。

    手術は、細菌感染を防ぐために、一般の診療室ではなく、完全滅菌の専用オペ室で行われることが望ましいです。


上記のほかにも、公益社団法人日本口腔インプラント学会では、医院を選ぶポイントを紹介 しています。

  • 医院が清潔である
  • 掃除が行き届いている
  • 物が整頓されている
  • 検査が念入りである
  • インプラントする部分だけではなく口全体の検査も行う
  • インプラント部だけでなく口全体の治療のスケジュールを考えてくれる
  • インプラントを予定する際に体の状態もしっかり聞く

などの部分に注意してみましょう。

②説明を受け、納得してから治療

手術に際して、医師が患者に治療に関する正しい情報提供や説明をすることを「インフォームドコンセント」(説明と同意)と言います。

インプラント 治療においても、インフォームドコンセントと徹底することをおすすめします。

日本歯科医学会の 「歯科インプラント治療方針」でも、インフォームドコンセントの必要性が書かれています。

インフォームドコンセントは、患者が申し立てる症状や口腔の状態、全身状態などを把握して、総合的に診断します。その上で、治療に関して全ての情報を整理し、わかりやすく説明し、患者の理解や同意をえることで成立します。

具体的には下記の説明がなされているか注意するといいでしょう。

  • インプラント治療の流れ
  • デメリット
  • リスク
  • メンテナンスの必要性
  • 治療費用の総額
  • 合併症


可能であれば、治療の説明は、家族らと一緒に説明を受けることが望ましいです。

③1人の歯科医師の話だけで決めない

はじめに相談した歯科医の話だけで治療を決めずに、別の歯科医師による診察や診断を受けることも、トラブル回避につながります。

当事者以外の医師の診察を受け、診断、治療などについて相談することを「セカンドオピニオン」と言います。

歯科医によって同じ症状でも診断が異なる場合もあります。また、悪徳な歯科医院では「インプラントしか治療法はない」と強引に治療をすすめることもあります。そのような場合は、セカンドオピニオンをおすすめします

セカンドオピニオンを受ける場合は、セカンドオピニオン外来を行なっているかどうか事前に調べてから行くといいでしょう。

セカンドオピニオンを受けたい場合は、主治医から紹介状やレントゲンフィルムなどの検査資料をもらう必要があります。

セカンドオピニオンを受けたら、結果を元に、主治医と今後の治療をどうするか相談しましょう。セカンドオピニオンの結果、セカンドオピニオン先で提示された治療法を受ける場合は、あらためてこれまでの治療内容や経過などを紹介状で引き継ぐことが一般的です。

主治医との関係を壊すようで、セカンドオピニオンを受けたい旨を言えない人もいるかもしれません。しかし、リスクを伴う手術は、十分な納得の上で行うことが大切です。主治医との信頼関係を壊すことではないと思いましょう。

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3.トラブルが発生したら…相談できる5つの窓口



①口腔インプラント治療相談窓口

公益社団法人日本口腔インプラント学会が開設している相談窓口。 インプラント治療に関する相談に応じてくれる、全国の大学病院や医院などを ウェブサイト で紹介しています。

ただし、相談窓口での相談は有料です。

②全国の医療安全支援センター

医療に関する患者、住民の苦情や相談などに対応するとともに、医療機関、患者・住民に対して医療安全に関する助言や情報提供などを行っています。

日本全国で380ヶ所以上に設置されています。

医療安全支援センター総合支援事業のウェブサイト では、全国の医療安全支援センターを検索することができます。

医療に関することで、どこに相談したら良いかわからない場合などに、電話で相談に乗ってくれます。相談員が必要に応じて関係相談先などを案内してくれます。

ただし、医療行為における過失の判断や、医療機関とのトラブルにおける交渉、仲介、調停、診断の見立てに関するものの判断などは行っていません。

相談方法や受付時間などは、各センターによって異なるため、ホームページなどで確認しましょう。

③消費者ホットライン

消費生活におけるトラブルにあった時に、相談や問い合わせに対応してくれます。

市外局番なしの「188」(いやや)にかけると、最寄りの消費者センターを案内してくれます。相談は無料

土日祝日は、都道府県などの消費生活センターなどが開所していない場合、国民生活センターに電話がつながります。

④各自治体の歯科医師会

都道府県ごとなどにある歯科医師会では、治療に関する相談窓口を設置している場合があります。

⑤医療ADR

弁護士らが仲介役となり、話し合いで医療機関との紛争を解決する手続きを「医療ADR」(裁判外紛争解決手続き)と言います。

裁判よりも費用を安くあげられたり、解決までの期間を短縮できるメリットがあります。

一方で、医療機関側が手続きに参加する義務はないので、患者側が申し立てをしても手続きが進まず、和解に至らない可能性もあります。

各地の弁護士会が医療ADRの運営を行っています。 日本弁護士連合会(日弁連)のウェブサイト では、各地域の弁護士会の医療ADRの連絡先などを紹介しています。

⑥弁護士

トラブルに関して、訴訟を検討したら、弁護士への相談も候補に入れましょう。

歯科医の治療が原因で症状が悪化したり、追加の症状が現れたりした場合は、医療過誤に該当する可能性もあり、損害賠償を請求できるかもしれません。

どの弁護士に相談したらいいかわからない場合は、 日本弁護士連合会のウェブサイトから検索できます。

医療に強い弁護士を探す場合は、以下の医療問題専門団体も参考になります。

  • 医療問題弁護団

    医療事故被害者の救済や医療事故の再発防止のための活動などを行う団体。弁護士242人が参加しています。 相談方法:電話、FAX、郵送(相談は初回無料)
    電話番号:03−6909−7680
    電話受付:平日10時から16時


  • 医療事故情報センター

    医療事故などにおける医療過誤訴訟に置いて、患者側弁護士に対して、専門的情報提供サービスを行う民間機関。ウェブサイトで、各都道府県にある医療問題を扱う弁護団を紹介しています。

弁護士に相談する前には、下記の情報を整理しておくといいでしょう。

  • 症状
  • 治療を始めた、またはトラブルが発生した時期
  • 実際に行われた処置
  • 身体的な違和感(痛い、しびれる、物を噛めない、出血がある、など)
  • 医師からの説明(できる限り詳しく)、あれば説明書や同意書
  • 治療費の領収書
  • 給与明細、源泉徴収票(休業する必要があった場合)


訴訟において必要な準備や、医療訴訟の特徴などは、こちらですでに紹介しているので、あわせてご覧ください。

4.まとめ

  • インプラントには、どんなリスクがあるのか事前にしっかり調べる

  • トラブルを回避するために、インフォームドコンセントを行い、セカンドオピニオンも検討する

  • 治療後、歯にトラブルが発生したら、医療機関の相談窓口などに問い合わせをする

おわりに

美しい歯で、生涯過ごしたいと思い、インプラントを検討する人も多いと思います。

しかし、外科手術をともなう治療のため、安易にインプラントの治療を決めることは避けた方がいいでしょう。

高い技術力を持った専門医を選び、治療前に納得のいく説明を聞くことが、安全な治療につながります。疑問に感じたことがあれば、歯科医師に問い合わせることも、患者さんは必要な作業となるでしょう。

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