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お酒の強要は違法!アルハラの人を訴えるときにできる2つの手続き
投稿日時 2019年04月08日 18時00分
更新日時 2019年04月08日 18時00分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • アルハラの被害にあい、今すぐにでも相手を訴えたい人

  • アルハラがどんな罪にあたるのか知りたい人

  • 今後アルハラにあわないようにしたい人

はじめに

お酒の強要で不快な気持ちにさせるアルハラ(アルコールハラスメント)

大量の飲酒が原因で大学生が亡くなるなど命にも関わる危険な行為であり、相手を訴えたいと思うのは決して不思議なことではありません。

この記事では、アルハラがどんな罪に該当するのかを詳しく解説し、訴えるための具体的な手続きの仕方についてご紹介しています。

相手に罪を償ってもらうための参考としてください。

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1.アルハラで訴える!各行為の違法性をケース別に解説



アルハラをした人を訴える場合、まずどんな理由で問うことができるのかを明確にする必要があります。

「アルコールを無理矢理飲まされた、ではダメなの?」と思われるかもしれませんが、実はアルハラ自体を明確に禁じる法律はないのが現状。

しかしアルハラによって発生した民事責任や刑事責任から問えるので、訴えることは可能です。

この章では、それぞれの行為に該当する責任や罪の内容について詳しく解説します。お酒の席にありがちな違法行為も紹介するので、あわせてチェックしてみましょう。

①アルハラはどんな法的根拠で訴えることができるのか

  • 民事責任

    こちらに損害を与え、お金を持って償わなければならない責任です。

    アルハラの場合、自分の意志に反してお酒を強要して精神的な苦痛を与えてきたことから、不法行為責任で訴えることが可能。

    これは飲酒をはやし立てたり、気分が悪くなったときに適切な救護を行わなかった人も対象となります。

    もし飲み会での不法行為責任が認められた場合、会社の飲み会であれば企業にも使用者責任が発生するので損害賠償を請求できます。


  • 刑事責任

    刑務所での服役や罰金によって償わなければならない責任です。

    アルハラの各行為と罰の内容は次の通りとなっています。

    アルハラ行為 罰の内容
    脅迫されて無理矢理お酒を飲まされた 強要罪(3年以下の懲役)
    お酒を強要されて酔いつぶれた 傷害罪
    (15年以下の懲役または50万円以下の罰金)
    急性アルコール中毒になった 過失傷害
    (30万円以下の罰金または科料)
    飲酒が原因で倒れたのに救急車を呼んでくれなかった 保護責任廃棄
    (3カ月以上5年以下の懲役)

    なお「イッキコール」などで飲まざるを得ない状況に陥った場合、コールをした人も現場助勢罪(1年以下の懲役または10万円以下の罰金か科料)を問うことができます。

②そのほか酒の席でありがちな違法行為

次にお酒の席でありがちな違法行為についてご紹介しましょう。

  • セクハラ

    いわゆる性的な嫌がらせです。

    身体を触る、わざと卑猥な発言をする(させる)、自分が使った箸を使わせる、お酌をさせるなどがありがちなパターン。

    不法行為責任による損害賠償請求ができるほか、強要罪や強制わいせつ罪に問うこともできます。


  • パワハラ

    先輩や上司が優位的な立場を利用して暴言を吐いたり、暴力をふるってきたらパワハラに該当します。

    こちらも民事上の責任が発生するので損害賠償を求めることが可能。暴行罪や傷害罪、名誉毀損罪や侮辱罪などで訴えることもできます。


  • 労働基準法違反

    飲み会に強制参加させる、飲み会での振る舞いを理由に給与や評価を下げるなどの行為は、業務命令権を使えば可能です。

    ただしその場合は飲み会が業務となるので、会社は残業代を出さなければいけません。もし支給されていないのであれば、パワハラや残業代不払いとして訴えることができます。

③実際の事例

最後にアルハラで裁判となり、勝訴した例をご紹介します。

  • ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件

    2008年5月に飲酒を強要され、その後パワハラを受けたとして元営業マンが会社と上司を提訴。この元営業マンは上司とお酒を飲んだとき少量のお酒でも嘔吐していて、ほかの人でもアルコールに弱いことが簡単にわかるような状態でしたが、「吐いたら飲める」などと言われて無理矢理飲まされたようです。

    2013年に東京高裁は執拗に酒を飲ませたことは違法であり、上司の不当行為責任と会社の使用者責任があると判断し、損害賠償金150万円を支払うように命じました。(公益社団法人全国労働基準関係団体連合会「ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル(自然退職)事件」)

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2.訴えるときに必要なことは?証拠集めと2つの手続きの流れ



相手がどんな罪に該当するかがわかったら、実際に訴える手続きを始めます。

真っ先にするべきことは証拠集めです。どんなものが必要か紹介し、民事訴訟と刑事告訴それぞれにわけて手続きの仕方を解説していきます。

①証拠を集める

相手を訴えるとなったら、裁判を有利に進められるように次のような証拠を揃えておきます。

・レシートなど日時、場所がわかるもの
・飲み会の様子を書き留めたメモ
・アルハラをした人の発言内容
・その場にいた別の人の証言
・写真
・病院の診断書

②民事訴訟

民事責任を問う場合には、アルハラをした人の住所地を管轄する簡易裁判所で行うことになります。トラブルの内容が金額にして140万円を超える事件については、地方裁判所で扱われることになるので注意しましょう。

  • 手続きの流れ

    ステップ 内容
    ①訴状を書く 裁判所を見つけたらそのウェブサイトから訴状をダウンロード、もしくは備え付けの定形用紙に必要事項を記入します。
    ②申立手数料を納める 申立手数料は、手数料早見表に従って収入印紙で納めてください。
    ③訴状と添付書類を提出 訴状を提出するときは、訴状副本が相手の人数分だけ必要になります。
    また当事者が法人の場合は登記事項証明書1通、当事者が未成年の場合は親権者を証明する戸籍謄本1通必要になるので忘れずに用意しましょう。
    ④裁判所に行き、言い分を述べる 訴状を受け取った裁判所は、裁判の日を原告と被告に通知します。
    裁判ではお互いの言い分を述べ、勝訴すれば損害賠償を相手に支払わせることができます。

    なお、損害賠償請求のポイントは下記にも詳しく紹介しているので参考にしてください。



  • 弁護士に依頼する

    民事訴訟では、訴状の書き方などをはじめさまざまな専門知識が必要になってくるので、弁護士に依頼したほうが手間や時間がかかりません。

    ただ訴訟の相場が20万円以上と、決して安くはないのが現実です。

    もし費用が難しい場合は、同じ飲み会でアルハラを受けた人たちなどと一緒に裁判を起こす集団訴訟を検討してみてください。この方法であれば、弁護士費用を人数によって分けることができ、ひとりの負担を減らすことができます。

③刑事告訴

刑事責任を問う方法で、手続きは最寄りの警察署で行います。

  • 手続きの流れ

    ステップ 内容
    ①告訴状を作成する A4サイズの用紙に横書きで下記の必要事項を記入。
    ・「告訴状」というタイトル
    ・宛先(例:渋谷警察署長殿 神奈川県警察署長殿)
    ・告訴人の住所と連絡先、名前、押印
    ・被告訴人の名前
    ・告訴の趣旨(該当する罪名や、処罰を求める意思表示)
    ・告訴の事実(いつ、誰が誰に対し、どのようなアルハラを行ったのか)
    ②証拠と一緒に提出する あらかじめ用意しておいた証拠と、法人の場合は登記事項証明書を揃えて提出します。
    ③逮捕後、検察が起訴すれば刑事裁判へ 告訴状を受理した警察は、捜査次第で犯人を逮捕します。身柄が検察に移され、検察が集めた証拠などに基づいて起訴をすると刑事裁判が行われます。


  • 告訴状は受理されにくい

    警察は告訴状を受理すると、捜査を行う義務が発生します。そのため証拠不足や捜査人員の不足などを理由に断るケースが少なくなく、受理されにくいのが現状です。

    弁護士に相談して受理されやすい告訴状を代筆してもらうか、証拠の集め方についてアドバイスをしてもらうようにするといいでしょう。


  • 場合によっては被害届を提出する

    アルハラの被害にあったことを警察に知らせるのが被害届です。

    受理されたと言って必ずしも捜査をしてくれるわけではありませんが、訴訟や交渉を有利に進めることができます。

    ステップ 内容
    ①被害届を記入 ・被害者の住居、職業、氏名、年齢
    ・被害の年月日時
    ・被害の場所
    ・被害の模様
    ・被害金額(品名、数量、時価、特徴、所有者)
    ・犯人の住居、氏名又は通称、人相、着衣、特徴等
    ・遺留品その他参考となるべき事項
    (参考:別記様式第6号(犯罪捜査規範第61条)
    ②最寄りの警察署に提出する これだけでは内容として足りない場合もあるため、事前に警察に問い合わせて必要なものを聞くと確実。

    また、下記では被害届が不受理になる理由や対処法を紹介しているのであわせて参考としてください。


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3.アルハラはこう防げ!被害にあわないための5つの対応策



アルハラは心身に深いダメージを負わせる深刻な問題です。

今後二度と被害にあわないようにするためには、お酒の席に参加しないことが何よりの防衛策となります。

しかしそうは言っても、断りきれないときがあるかもしれません……

この章では、参加せざるを得なかった場合の対応策についてご紹介します。

①飲んではいけない体質だとアピールする

「この前検査をしたら、アルコールを飲むと内臓によくないことがわかった」と言って避ける方法です。飲酒を強要してくる人でも、飲ませて健康を害したら……と責任が頭をよぎって声をかけなくなります。

アルコールアレルギーだと判明した、ドクターストップがかかっていると伝えるのもいいでしょう。

本当に体質的に無理な人はきちんと申告すべきですが、そうでない人も飲みたくないのであればアピールしてください。

②薬を服用していると言う

アルコールを飲むと常用している薬の副作用が出ると話せば、強要されることはありません。

実際薬の種類によって効き目が急激に変化することはあり、命の危険にさらされる可能性があります。

③救急車に運ばれたと話す

飲酒で体調が悪くなって救急車に運ばれたことがある、入院していたなどと話すのもひとつ。

笑い話にしてしまうと「大したことないんだな」と思われてしまうので、できるかぎり深刻そうに話すのもポイントです。

④これから車を運転しないといけないと伝える

運転すると知りながら飲酒を強要した場合、飲酒運転の教唆や幇助にあたり刑事罰が科せられます。

「最寄りの駅から自宅まで車を運転している」「飲み会が終わったら車で家族を迎えにいかなければならない」と言えば飲まされることはありえません。

⑤飲めない人や常識のある人と一緒にいる

大人数での場合、飲めない人や無茶な飲み方をしない人とテーブルを囲むのも有効な方法です。

飲めない人と事前に打ち上わせしておくのもいいでしょう。


4.まとめ

  • アルハラはケース次第で罪の内容が変わる。

  • 損害賠償請求するか告訴をするかで手続きの仕方が異なるので注意。

  • アルハラを避けるには飲みの席に行かないのが一番。難しい場合は嘘をついて切り抜けよう。

おわりに

アルハラは、お酒が苦手な人や飲みたくない人の気持ちを度外視するだけでなく、命の危険にまで及ぶ許されざる行為です。

しかしほどんとの場合、相手はそれに対して気づいていません。

損害賠償や刑事罰を望むなら、こちらの記憶が曖昧にならないよう速やかに手続を進めていきましょう。


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