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就活のセクハラで傷ついた人へ…心のケアを含む対処法3つと相談窓口

投稿日時 2019年02月25日 18時37分
更新日時 2019年02月26日 10時50分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 就活で受けるさまざまなセクハラに困っている人

  • 内定をちらつかせて性的な関係を強要された人

  • これから就活をはじめるが、不安を抱えている人

はじめに

大きな問題となっている、就活でのセクハラ行為。社内へ向けられる目が厳しくなる一方で、OB訪問やインターンなど社外での行為は監視が薄く、こうした被害が起こりやすい傾向になります。

懸命に就活をしている人ほど「目上の人に失礼なことはできない」「内定につながるかもしれない」と仕方なく受け入れてしまったり、被害にあっても口外できなかったりすることがあるかもしれません。

しかし、もしあなたが嫌な思いをしたのだとすれば、それを我慢する必要はどこにもないのです。悪いのは、100%加害者であることを忘れないでください。

この記事では「就活セクハラ」の事例と対処法を紹介します。自分の状況と照らし合わせながら、適切な手段を考えていきましょう。

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1.その行為は悪質な「セクハラ」!2つのタイプ別の事例



OB訪問で自宅に誘われ性的な関係を強要された、面接で性別や容姿に関わることを言われて不快だった……。これらは、就活生と企業側の人という立場の違いを利用した悪質なセクハラです。

セクハラには、

・「○○したら内定をあげる」など内定や選考に有利になることをチラつかせて関係を迫る「対価型セクハラ」

・面接時に恋人の有無を聞く・ボディタッチをすることで就活生に不快な思いをさせる「環境型セクハラ」

の2種類があります。

それぞれのタイプの定義と事例について、まずは整理していきましょう。

①対価型セクハラ

対価型セクハラは、内定選考通過といった結果と引き換えに、性的な行為を強要するもの。

・面接の後で個人的に食事に誘われる
・OB訪問で、選考に有利になる資料を見せるとして自宅に誘われる
・インターンや研修と称して性的なことを強制される
・面接の結果と引き換えに性的な行為をするよう求められる

上記のような例は、「拒否したら就職できないかもしれない」という就活生の心理をついた、悪質な対価型セクハラと言えるでしょう。面接企業に限らず、大学の教授キャリアセンターの職員から同様の要求が行われるような場合もあります。

就職希望者と採用者という立場を、相手は十分にわかっているはず。たとえ明確に言葉に出さなかったとしても、性的な要求を行えばそれは違法なセクハラ行為となり得るのです。

2019年2月には、OB訪問に来た女子学生に対してわいせつな行為をしたとして、大手ゼネコン社員が逮捕されました。

その社員と女子学生は就活専用のスマートフォンアプリで知り合い、会社近くの喫茶店で会話。その後社員が「パソコンを見ながら説明したい。面接指導もする」と言って女子学生を自宅に誘い、わいせつな行為に及んだとするものです。

(参考:毎日新聞「就職活動でOB訪問の女子学生にわいせつ容疑 大林組社員逮捕」)。

「セクハラ」という言葉で誤魔化されがちですが、就活セクハラはわいせつ行為として罪に問われるものなのです。

②環境型セクハラ

一方で環境型セクハラは、性的な言動により精神的な苦痛を与える行為で、就活中に受けた性的な言動がこれに該当します。

・面接で「彼氏はいるの?」「結婚はいつするの?」などプライベートなことを聞かれた
・「スカート短すぎ」「可愛いね」「スリーサイズは?」など服装や容姿に関することを言われた
・OB訪問で食事をしているときに性的な話題ばかりを出され、からかわれた
・インターンでの指導中、頭を撫でられたり肩を抱かれるなどの行為があった
・ヌードなどの卑猥な写真や動画を見せられた

対価型セクハラのような直接の被害はありませんが、こうした不快な思いをしたことがトラウマとなり、その後の就活が思うように進められないというケースは十分にあります。

「嫌だ」と言いづらい関係性の中で性的な言動を繰り返すのは、やはり悪質なセクハラであるという点は変わりません。


こうした就活セクハラはいま、就活生の2人に1人がセクハラにあっているとのデータもあるほど、深刻な問題となっています。

(参考:Business Insider Japan「2人に1人の学生が就活セクハラ被害に。OB訪問で自宅や個室で性行為強要、「選考有利」ちらつかせ」)。

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2.卑劣なセクハラにあった人へ…対処のための3ステップ



就活は、自分と向き合いながら多くの企業の選考を受けるため、ただでさえ精神的に辛い思いをする人が多いもの。その中でセクハラ行為があれば、ダメージは相当なものになります。

さらに、セクハラを受けた事実を公表すれば就職に響くと、泣き寝入りする人が多いことも特徴。加害者は、そんな就活生の心理をつけこんで同じことを繰り返すのです。

この章では、セクハラ被害を受けた人へ、その対処法を紹介していきましょう。

①まずは心の整理を。相談窓口3選

受けた行為が不快だったと感じた場合は、一人で抱え込まず、親や友人など身近な人に相談してみましょう。大切なのはセクハラかどうかではなく、あなたがどう感じたかです。

もし、他の人に迷惑をかけたくない、言いたくない…という場合は、以下の窓口も頼ってみてください。

セクハラは、あなたが我慢すればいいという話ではなく、ましてやあなたに非があるわけでもありません。受けた心の傷はなかなか癒えないかもしれませんが、相談することで少しは気持ちが軽くなるはずです。

  • こころの耳

    厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト。無料で電話での相談を受け付けています。労働者とその家族、人事労務担当者などが対象ですが、就活で受けたセクハラについても相談に乗ってもらえ、プライバシーは厳守されます。

    電話番号:0120-565-455(フリーダイヤル)
    受付時間:月曜日・火曜日 17:00~22:00 / 土曜日・日曜日 10:00~16:00
    (祝日、年末年始はのぞく)


  • こころの健康相談統一ダイヤル

    どこに相談すればいいか迷った時は、厚生労働省が運用している「こころの健康相談統一ダイヤル」が便利です。統一ダイヤルに電話をかければ、都道府県・政令指定都市が開設している「心の健康電話相談」などの公的な電話相談窓口につながります。

    電話番号:0570-064-556
    受付時間:都道府県によって異なりますので、サイトを確認してください。


  • よりそいホットライン

    一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」が運営する24時間通話料無料の相談窓口。幅広い相談に電話相談の専門員が対応してくれます。全国どこからでもかけられ、秘密は守られます。

    電話番号:0210-279-338
    受付時間:24時間受付

②「声を上げる」or「あきらめる」…もう一度考えてみる

就活という人生の大きなイベントの中で受けたセクハラ。辛い気持ちをどう乗り越えるかは人それぞれです。

誰かに話を聞いてもらった上で「過ぎたこと」として忘れ、別の場所で頑張るというのも、もちろん立派な選択です。純粋にあなたの長所を評価してくれる企業はきっとありますし、悔しい気持ちをバネにすることで、仕事で結果を残せるということもあるでしょう。

しかし、少しでも「許せない」「このままにしておきたくない」という気持ちがあるのなら……声を上げる勇気を持ってもいいかもしれません。おかしいことはおかしいのだ、と立ち向かうこともまた、あなた自信を救うことになる場合もあるのです。

どちらかの選択がベスト、というわけではありません。これからどうしたいのか、何をしたいのか、自分にとって最もよいと思える道を選んでください。

③声を上げると決めたなら…証拠を集めよう

就活中のセクハラで声を上げるためには、証拠が必要です。メールやLINEでのやり取りが残っていれば、証拠資料として使用できます。もし録音をしていたら、それも忘れずに集めましょう。

また、日時や場所を詳細に記したメモも証拠になり得ます。いつ、どこで、誰に(相手の名刺を受け取っていれば用意しましょう)、何をされた(言われた)かを、時系列順に詳細にまとめます。家族や友人に相談していたら、その事実も合わせて証拠としましょう。

さらに、当日の日記やSNS上での発言も状況証拠になります。メモでもいいので、当時書き記していたものがあれば集めてください。

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3.就活セクハラを通報&訴える方法まとめ!



証拠を集め終わったら、実際に通報・相談をしていくことになります。

その際の方法について詳しく解説していきましょう。

①ここに連絡!通報&相談窓口一覧

  • 大学のキャリアセンターまたは学生課

    「相談しても解決しない」と思われることが多いキャリアセンターですが、多くの大学では就活セクハラの存在を認識していて、親身になって相談に乗ってくれます。就活に精通している職員が対応してくれるので、まずは大学のキャリアセンターを頼ってみるのが良いでしょう。

    キャリアセンターや学生課の連絡先は、各大学のHPから確認できます。


  • 女性の人権ホットライン

    法務省が運営する電話相談窓口。セクハラをはじめ、女性をめぐる様々な人権問題について、女性の人権問題に詳しい法務省職員または人権擁護委員が相談に乗ってくれます。料金は無料、秘密は厳守されるので、安心して相談できます。

    電話番号 0570-070-810
    受付時間 平日8時30分〜17時15分


  • 性犯罪被害相談電話全国共通番号「 #8103(ハートさん)」

    性行為の強要など、悪質な場合は迷わず警察に通報しましょう。性行為の強要はれっきとした犯罪です。警察は、ああなたの立場やプライバシーを最大限尊重してくれます。

    短縮番号「 #8103(ハートさん)」をダイヤルすれば、発信された地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながります。警察では、性犯罪被害者への手厚いサポートを行なっているので、今後のことについても相談してみましょう。

    電話番号 8103
    受付時間 24時間年中無休


  • おしごとアドバイザー

    厚生労働省委託事業として株式会社マイナビが受託して運営している相談窓口。就職・転職に関することなら何でも相談できるので、上にあげた3つには相談しにくいという場合は、ここに相談してみると良いでしょう。

    電話のほか、メールからでも相談ができます。また、電話の受付時間が平日の夜間および土日祝日はほぼ終日と、就職活動で忙しい学生でもかけやすい時間帯なのも嬉しいポイントです。

    電話番号 0120-987-754
    受付時間 平日17時〜22時、土日・祝日10時〜22時
    メール メールで質問・相談フォーム

②セクハラを訴えることで請求できること

就活でセクハラを受けて訴えた場合、どのようなことが請求できるのでしょうか。

対価型セクハラ・環境型セクハラにかかわらず、受けた相手から精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料の請求ができるでしょう。

例えばOB訪問であったとしても、加害者は企業の採用業務の一環としてアドバイスを行っていた……つまり、仕事として面談をしていたとも考えられます。

その場合は社員だけでなく、企業そのものにも責任を追及できるでしょう。

また、もしあなたがセクハラがきっかけで通院したのならば、その治療費などを請求することもできます。

そのほか、加害者の所属企業に報告して懲戒処分を促すことが考えられます。特にある程度大きい企では、セクハラ行為を社内規定で禁じている場合がほとんど。

たとえ社外で起きたことであっても、発覚すれば何らかの社内処分が下る可能性はあります。

③集団訴訟で被害を集めよう

声を上げる覚悟ができたとしても、証拠が少なかったり、費用に不安があればなかなか裁判には踏み切れないもの。そういう時は集団訴訟という手段を検討するのも一つの手です。

1人で訴えたのでは「個人同士のこと」「合意の上のことだったのでは」と見なされそうな場合でも、同じ相手が複数の人にセクハラ行為を働いていたことがわかれば、話は変わってきます。

あなたにセクハラをしてきたその人は、他の人にも同じようなことをしているかもしれません。声を上げる覚悟ができているのであれば、同じ苦しみを経験した仲間を探して、一緒に戦ってみてはいかがでしょうか。

集団訴訟ポータルサイトのenjinでは、自分の受けた被害をプロジェクトとして立ち上げ、仲間を募ることが可能です。


4.まとめ

  • セクハラには内定や選考に有利になることをチラつかせて関係を迫る「対価型セクハラ」と、同意なく性的な言動をして相手を不快にさせる「環境型セクハラ」がある

  • セクハラを受けたらまずは身近な人に相談。その上で声を上げるかどうかを決断しよう

  • 声を上げる覚悟ができたら、各種窓口に通報。当時の日記などできる限りの証拠を集めよう

おわりに

セクハラは卑劣な行為です。特に、内定を得ようと真剣に就活に取り組んでいる就活生に対するセクハラは、相手が声をあげにくいことを見越しているぶん、より悪質と言えます。

相手の言動を不快に感じたのであれば、我慢する必要はありません。まずは身近な人に相談した上で、納得できる手段であなたにとっての解決を目指してください。


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