増えるコインパーキングのトラブル…利用前に確認したい3項目を解説

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投稿日時 2019年02月15日 12時25分
更新日時 2019年02月15日 15時49分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • コインパーキングで支払い料金のトラブルにあっている人

  • 過去にコインパーキングで料金トラブルにあったことがあるので、対策を知りたい人

  • コインパーキングの利用について、気を付けるべき点を知りたい人

はじめに

コインパーキングで想定よりも高額な料金を請求されるトラブルが頻発しています。

利用者自身でも入庫前に十分な注意を払う必要がありますが、場合によってはコインパーキング運営側が責任を問われることも。万が一トラブルに陥った際は、然るべき相談先に連絡することが大切です。

この記事では、

  • コインパーキングで法外な料金を請求されないように気をつけるポイントは?
  • トラブルが生じた場合の相談先はどこ?
  • 高額請求以外にも起こりがちなトラブルやその対処法は?

といった内容について、詳しく解説します。


1.コインパーキングの料金トラブル、ここが問題!気を付けたいこと3つ



コインパーキングでの料金トラブルのもっとも大きな原因は、「料金表示のわかりにくさ」です。

以下、特にトラブルの原因になりやすい3つの問題について説明します。

①料金の文字が小さく、表示がわかりにくい

コインパーキングの料金体系は、一般的に「○○○円/○○分」「1日最大○○○円」と大きく表示されています。しかし、時間が細かく区切られていたり、特定の曜日や期間、スペースによって料金体系が異なっていたりと、料金体制が複雑な場合もしばしば。

こういった補足的な条件が小さな文字で書かれているケースや、道路から見える看板とは別の場所に書かれているケースなど、誤解や見落としを起こしやすい表示になっているコインパーキングが多数存在しています。

コインパーキングの利用時には、看板に大きく書かれた情報だけで判断せず、できるだけ入り口付近や精算機付近の注意書きもよく読むようにしましょう。

特にトラブルになりやすいのが「最大料金」の解釈です。以下のポイントを入庫前にしっかり確認しておき、無用な高額支払いを防ぎましょう。

  • 「1日(24時間)最大○○○円」などの最大料金が「1回限り」(一度上限時間を越えると、以降は時間料金が加算され続ける)なのか

  • 「1日最大○○○円」という表記の場合、駐車後から24時間を指すのか、当日の24時を過ぎると1日と数えるのか

  • 最大料金は平日・休日によって変わるのか

  • 夜間・昼間で最大料金が切り替わるパーキングで、曜日や時間帯によって最大料金が適用されないケースがあるか

なお、消費者がコインパーキング利用前に最大料金の適用条件を認識できないような表示や、適用範囲を明示しないような表示は、「実際よりも安いように見せかける表示」として有利誤認表示に抵触する場合があります。トラブルの元になりそうな表示に対しては、積極的に国民生活センターに相談するとよいでしょう。

②スマホアプリと料金の誤差がある

近年では、スマートフォンアプリでコインパーキングを検索できるサービスも登場しています。非常に便利ですが、アプリで表示されている料金体系が実際とは異なる場合があり、注意が必要です。金額自体が異なる場合のほか、アプリ内では詳細な料金設定が記載されていなかったり、アプリ上でも記載がわかりづらかったりと、トラブルが発生しやすくなっています。

アプリを鵜呑みにせず、現地の表示をよく確かめることが必要です。

③イベント時は料金が変更に

年末年始やお祭りなどの混雑が予想されるイベント期間には、コインパーキングが特別料金を敷いている場合があります。これも特別料金の記載が見づらいなど、運営会社からの告知が十分でないケースがトラブルの原因に。

イベント期間に利用する際は、特に料金表示を注意して読むようにしましょう。


2.トラブルが起こったら?相談先はこの3つ



もし実際に料金トラブルが起こってしまったときは、慌てずに対処することが必要です。

まず、駐車していた証拠として次のものを保管しておくようにしましょう。

  • 領収書
  • ロック板が上がっていたこと・下がっていたことがわかる写真
  • ドライブレコーダーの映像

続いて、次に紹介する相談先へ連絡しましょう。

①管理会社に連絡をする

まずはコインパーキングの管理会社に現状を報告しましょう。

現在、多くのコインパーキングの看板に「緊急連絡先」「お問い合わせ先」といった表記で電話番号が記載されています。もし見つからない場合は、券売機や他の表示を探してみましょう。それでも見つからないときは、パーキング名や運営会社名などで検索するのも手です。

ただし、管理会社が素直に返金等の対処をしてくれるとは限りません。後述のように弁護士に相談する場合は、会話を録音しておくのも良いでしょう。大事な証拠になり得ます。

②国民生活センターに相談

このようなトラブルの際は、国民生活センターおよび全国の消費者センターに相談することも大切です。国民生活センターでは、さまざまな消費者トラブルの相談受付・情報集積・情報提供を行なっています。

もちろん、コインパーキングでの料金トラブルも例外ではありません。あなたが相談し、提供した情報によって、事業者に是正勧告がなされる場合があります。

覚えておきたいのが、国民生活センターが設置している総合相談窓口「消費者ホットライン」。局番なしで188番に電話をかけると最寄りの消費者センターへの電話をつないでくれるサービスです。土日祝日でも国民生活センターの専門窓口が対応してくれます。

  • 消費者ホットライン

    電話番号 188または03-3446-1623
    受付時間 平日:10時〜12時、13時〜16時
    土日祝日:10時〜16時

国民生活センターについて、詳しくはこちらをご覧ください。



③弁護士に相談する

「どうしても納得が行かない、何としても返金したい」という場合には、弁護士に相談するのも選択肢になるでしょう。

弁護士に相談する際には、事前に予約をして相談日程を決めるのが一般的です。 相談先の弁護士を探す際には、日本弁護士連合会の予約サイトがおすすめです。日本各地の法律相談センターを予約することができます。お近くの法律相談センターに連絡してみましょう。

また、自動車保険の特約についている弁護士に依頼することも可能です。相談の際に一言添えるのも良いでしょう。


ただし、弁護士に相談する際の注意点があります。それは、コインパーキングの料金トラブルによる被害額に対して弁護士費用が高くなるケースが多いことです。

一般的に、弁護士の相談費は30分で5000円程度。もし訴訟となれば、当然費用はさらにかさみます。

そこで、訴訟費用を抑える手段として集団訴訟をご紹介します。他にも同じコインパーキングおよび運営会社とトラブルになった被害者を募り、共同で起こす民事訴訟が集団訴訟。一人あたりの訴訟費用を抑えることができます。

集団訴訟を考える方は、被害者集団と弁護士をつなぐ集団訴訟プラットフォーム「enjin」を利用してみましょう。


3.ロック板で傷、支払い間違い…他に起こりがちなトラブルと対策



①ロック板が上がらない、上がってしまった

コインパーキングで起こりがちなアクシデントやトラブルはほかにもあります。代表的な一つが「ロック板の誤作動」です。

駐車してもロック板が上がらない、または駐車していないのにロック板が上がってしまった場合は、機械の故障が考えられます。また、冬場や寒冷地の場合は、凍結のためにロック板が動作しないケースもあるようです。

早急にコインパーキングの管理会社に連絡し、そのスペースの利用を控えましょう。無理やり利用したことによって駐車料金が想定した金額にならない、予期せぬタイミングにロック板が動作して車に傷がついた、などとトラブルが増えてしまってはもってのほかです。

万が一、ここでも料金トラブルになった場合は、前項と同じように消費者ホットラインへの連絡をしておきましょう。

ちなみに、近年ではロック板ではなく監視カメラで管理しているコインパーキングも増えています。ロック板との接触事故が避けられ、また監視カメラによって車上荒らしもおきにくいのが利点です。

②番号を間違えて他人の車の料金を精算してしまった

ほかにありがちなトラブルが、「駐車番号の誤入力」

JAFのアンケートによれば、「他人の車の料金を支払ってしまった」という経験がある人の割合は、全国平均で約13%。パーキング利用の多い都市圏では20%に上りました。なんと5人に1人がしている計算になります。

その後の対応として、自分の分を改めて清算した人が8割近くを占めています。一般的に、番号の打ち間違いは利用者責任となり、返金に応じてもらえるケースはごくわずか。どうしても、という場合は、清算してしまった車の持ち主が帰ってくるのを待って直接相談するしかありません。


精算機の液晶がくすんでいたり、二桁の入力方法が機械によってまちまちだったりと、誤入力の原因はいたるところに潜んでいます。十分に気をつけましょう。

ただし、入力中に間違いに気付いた際に入力をリセットする機能がない精算機だった場合、悪質な消費者問題と捉えられることがあります。このときは必ず消費者センターに相談しましょう。


4.まとめ

  • 料金体系の表示のわかりづらさがトラブルにつながっている。入庫前に表示をしっかり確認しよう。ただし、明らかに問題がある表示は有利誤認表示に相当する場合も。トラブルが起きたら泣き寝入りせず、然るべき機関に相談しよう

  • トラブルの相談先は、①コインパーキングの管理会社、②国民生活センター、③弁護士の3つ。ただし、弁護士への相談は被害額に対して相談料がかさむケースが多い。一人当たりの費用を抑えられる集団訴訟を検討しよう。

  • ほかに起こりやすいトラブルには、ロック板の誤作動や駐車番号の誤入力がある

おわりに

クルマ社会になくてはならないコインパーキングですが、トラブルやアクシデントが発生しやすい場所でもあります。駐車の前に、ここで挙げたポイントをしっかり確認しておき、無用のトラブルを回避しましょう。また、あまりにわかりづらい・誤認を誘うような悪質な表示を見つけたら、早急に消費者ホットラインに相談しましょう。

運転同様、コインパーキングの利用も急がず・焦らず・ゆっくりと。


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