この記事は以下の人に向けて書いています。
- アルバイトをはじめようと思っている人
- アルバイト先がブラックではないかと疑っている人
- ブラックバイトの特徴や見極め方を知りたい人
はじめに
アルバイトをはじめたけれど、店長に毎日怒鳴られている……。友だちと一緒に遊ぶ時間もとれない……。
そんな、日常生活に支障をきたし、精神・肉体的にも苦しいアルバイトを「ブラックバイト」と呼びます。
アルバイトをはじめる前に、「ブラック」だといわれるブラックバイトの特徴を知っておくことで、危険なアルバイト先を避けられる可能性があります。
この記事では、ブラックバイトの特徴や面接・求人で注目したいポイントについてご紹介していきます。
1.ブラックバイトの特徴ってどんなもの?イラストで紹介!
「ブラックバイト」とは、どのようなアルバイト先のことなのでしょうか。
その特徴をご紹介します。
①ノルマを達成しないと買い取りをさせられる
店長から「クリスマスケーキは1人10個販売が目標。目標達成できなかったら、売れなかったケーキを自腹で買って自分で穴埋めしてね」などといわれるパターンです。コンビニバイトでよく問題となっており、
「自爆営業」と呼ばれています。
クリスマス以外にも、おせち料理や恵方巻、バレンタインデーなど、季節のイベント時期に「〇個販売」というノルマを言われることが多いようです。
商品の買い取りだけでなく、ノルマを達成できなかった
「罰金」としてアルバイト代からお金を引かれることもあります。罰金はコンビニバイトだけでなく、様々な会社に商品を売り込みに行く営業のアルバイトなどでも問題になっています。
②シフトの希望を聞いてもらえない
アルバイトをするときは毎月、自分の都合の良い時間帯や日程をアルバイト先に伝えてシフト(予定表)を組んでもらうのが普通なのですが、なかには、こうした都合をまったく反映してくれないことがあります。
「この日は誰も出られないから」などの理由で勝手にシフトに入れられ、無理やり働かされるのです。
③セクハラやパワハラをされる
セクハラは、性的な嫌がらせのことです。たとえば、必要がないのに肩や腕といった身体を触られたり、「彼氏はいるの?もうどこまで進んだ?」「もう若くないんだから」というような性別・年齢を理由にする何かしらの会話が頻繁にされていたりするケースがあります。
パワハラは、上司としての権力を利用したいやがらせのことです。上司から「辞めてしまえ」「本当に役に立たない」と暴言を吐かれたり、殴る・蹴るなどの身体への攻撃をされたりすることを指します。
④残業代が出ない
残業とは、1日8時間・1週40時間以上の勤務時間で働くことです。たとえば、9時~18時(うち休憩1時間)の勤務予定だった人が9時から20時まで働けば、2時間残業したことになります。
この残業時間分は、通常の時給よりも多めにお金が支払われます。この多めに払われるお金を
残業代とよぶのですが、勤務先が「アルバイトには残業代は出ない」といって支払ってくれないことがあるのです。
しかし、実際には、アルバイトでも残業代は支払われます。
⑤応募した職ではない仕事をやらされる
たとえば、ウェイトレスやホール担当に応募し採用されたのに、なぜかキッチンで調理をやらされる、というようなケースです。
せっかく採用されたのに、応募した仕事ではない仕事だったり、聞いていた内容とは全然合わない仕事だったりと、求人の内容が全くのうそであることがあります。
⑥休憩させてもらえない
労働者が長時間働くとき、会社側は、必ず休憩時間をとらせる義務があります。
具体的には、以下のようなルールです。
勤務時間 |
休憩時間 |
6時間以上8時間未満 |
45分 |
8時間以上 |
1時間 |
たとえば7時間勤務だった場合は、休憩が45分入るので、実際に働くのは6時間15分ということになります。
しかし、このルールを無視して、従業員に休憩を与えず、ずっと働かせる会社もあるのです。
2.ブラックバイトを避ける!採用前にやっておきたい行動4つ
ブラックバイトは、採用される前に「ここはおかしい」と見抜くこともできます。そのためには、どういった点に注目すればいいのでしょうか。
事前に確認しておきたいポイントややっておきたい行動をご紹介します。
①求人に書かれている言葉・内容に注目する
まずは、職務内容や給与(時給)の記載をチェックしましょう。
たとえば、塾講師のアルバイトの場合、
・生徒への指導時間以外の準備時間も時給が発生するのか
・1コマ〇円という換算ではないか
などをチェックしていきます。
給料は勤務時間だけでなく、着替えや教材の準備などの、仕事をするために準備する時間にも発生します。
こうした時間には給与を支払わない、という形式のアルバイトは避けたほうが無難です。
また、ブラックバイトの典型的なフレーズにも注意してておきましょう。
・アットホームな職場です
・夢に向かって協力し合う
・やりがいがある会社
・プライベートでも仲良し
などは、一見するとプラスな言葉ですが、職場の説明には全くなっていません。中身がない言葉ともいえます。
②応募したいと思った店があったら、まず客として実際に行ってみる
ファミレスやコンビニなどの店舗で働きたい場合は、応募する前に、その店舗に行ってみましょう。客として店を訪れ、店舗の雰囲気や従業員の様子をしっかりと確認します。
たとえば、店長の怒鳴り声が聞こえてくる、従業員同士の雰囲気が悪いなど、働いている様子をみることで、そうした職場の空気をつかむことができます。
③アルバイト先の店長・上司の人柄を把握する
たとえ会社としてはしっかりと働くためのルールを作っていても、現場では守られていないことがあります。それを見抜くポイントのひとつとして、「店長・上司の人柄」が挙げられます。
たとえば、
・こちらの話をあまり聞かず、ずっと話している
・態度が横柄で高圧的
といった特徴がある場合、部下に対し無茶な指示を出してきたり、パワハラやセクハラをしてくるかもしれない……と用心した方が無難です。
また、自分の性格と合うかどうか、という点も注意しましょう。
相性が良くない上司・店長の場合、アルバイトに行くことが嫌になったり、関係がうまくいかずギスギスしてしまうことが考えられます。
面接のときに「この店長・上司とはあわない」と思ったら、辞退したほうがいいでしょう。
④面接時に、職務内容や給与についてごまかされないか確認する
自分よりも年上の初対面の相手に質問するのは難しいかもしれませんが、給与や職務内容について詳しい説明を求めましょう。
このとき、丁寧に説明してくれる店長・上司ならいいのですが、「働けばわかるよ」などとごまかしてきた場合は、避けたほうがいいでしょう。
また、採用されると
「労働条件通知書」という書面が渡されます。
これは、仕事の内容や賃金のルール、始業・終業時刻、休憩時間のルール、契約期間などが書かれた書類で、会社側は、
必ず労働者に渡す義務があります。
この書面を見て「求人の内容とはちがう」とわかったとき、または書面そのものを渡してくれない場合は、採用をされたとしても辞退した方がいいでしょう。
3.アルバイトを辞めたい……スムーズに辞めるために知っておきたいポイント
働くうちにブラックバイトだとわかった場合、どうにかしてアルバイトを辞めたいという人がほとんどでしょう。
アルバイトを辞める(退職)ときは、「辞めないでほしい」と引き止められることがあります。その際、アルバイト先が様々な理由をつけて「こういうことだから、退職は認めない」と言われることもあるのです。
そこでこの章では、退職を引き止められるためにアルバイト先から言われがちな言葉と、その反論をご紹介します。
①「突然辞めると言われても困る」
「辞めたい」と伝えたら、このように言われて辞めさせてもらえないことがあります。しかし法律上は、
退職する2週間前に辞める意思を伝えればOK。最低限、このルールさえ守れば退職できます。
「一般常識として、突然の退職は認められない」などと言われるかもしれませんが、退職は労働者の権利です。退職しても問題ありません。
できる限りトラブルを避けたいのなら、退職希望日の1~2ヶ月前に伝えるといいでしょう。
これぐらい余裕があれば「突然」ではありません。会社側にも、後任を募集・採用するための時間があります。
②「新しく人が入るまでは辞めないで」
このように引き止められても、応じる必要はありません。
欠員が出た場合、募集をかけるのは会社の都合であり、労働者側には関係ありません。そのような理由で引き止められても、「次のアルバイト先がもう決まっている」などと言って突っぱねましょう。
③「退職は認めない。働いて」
休みの日にも退職を思いとどまるようしつこく連絡が来るような場合は、チェーン店を展開している本社や直属の上司ではない別の上司に連絡・相談してみましょう。
まず、本社は法律違反になりかねない行為を止める必要があるため、「退職を希望したら強引な引き留めにあって困っている」といえば、店側に指導してくれる可能性があります。
会社で勤めている場合は、直属の上司よりも上の立場にある上司に相談する、人事関係の社内の相談窓口があれば、そこに相談するなどして、対応をお願いすることができます。
4.まとめ
- ブラックバイトは、労働者の意思・意見を無視する、ノルマを課し未達成者には買い取り強要や罰金の徴収を行う、ハラスメントを行う、などのブラックなバイトのこと。
- 応募前や面接時に、求人票で曖昧な表現をしているバイトを避けたり、店や従業員、店長、会社の雰囲気を把握しておくことで、ブラックバイトを避けることができる。
- バイトを辞めたいときは、退職日の2週間前に伝えることで、退職できる。また、執拗に退職を引き止められたら、本社や別の上司に連絡・相談する。
おわりに
はじめてバイトをするときは、よくわからないまま、上司の言うことを聞き入れてしまったり、気づいたらブラックな勤務になっているかもしれません。
しかし、ブラックバイトの特徴をあらかじめ知っておくことで、そうした事態を避けられる可能性が上がります。
この記事が皆様のお役に立てば幸いです。