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還付金詐欺でよくある言葉6つ!返金手段と予防・対策方法を徹底解説

投稿日時 2018年12月25日 19時45分
更新日時 2018年12月25日 19時45分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 還付金詐欺について詳しい手口を確認しておきたい人

  • お金を振り込んでしまい、返金方法を知りたい人

  • 被害を事前に食い止める方法があれば、実践したい人

はじめに

「還付金があると言われてATMを操作したのに、気づけばお金を振り込んでいた……」

還付金詐欺は「払い過ぎたお金が戻ってくる」などと電話で告げ、機械に不慣れな高齢者から言葉巧みにお金を騙し取る卑劣な詐欺です。

この記事では還付金詐欺に使われがちな6つの言葉と、騙し取られたお金を取り戻す方法や家族でできる対策についてご紹介します。


1.この言葉に注意!還付金詐欺の典型ワード6つ



突然かかってきた電話の人物から「医療費の払戻金がある」「携帯電話とキャッシュカードを持ってATMに行ってください」などの指示があった場合、そのほとんどが還付金詐欺とみて間違いありません。

しかし一方で、詐欺業者もさまざまな言葉で被害者を騙そうとしてきます。相手の指示が詐欺なのかどうか、悩んでしまうこともあるかもしれません。

まずは還付金詐欺でよく使われる言葉6つを、詐欺の流れに沿ってご紹介していきます。

事前に詐欺の流れを把握しておき、いざというときに見極める参考としてください。

①「社会保険事務局です。医療費の過払い金があり電話しました」

還付金詐欺では、「社会保険事務局」「○○市源泉徴収課」「○○市福祉課」などの公的機関を装うことが大半です。

特によく使われる名目として、以下の3つがあげられます。

・医療費の過払い金がある
・年金の還付がある
・健康保険料の一部が戻ってくる

ですが本来、還付金は県や市から送られてくる「還付通知書」の指示に従い、口座振込依頼書を返送することで受け取れるもの。電話で還付金について連絡してくることはありません。

さらに、受け取り方は口座振り込みか窓口受け取りの2種類のみとなっており、自分でATMを操作する必要もありません。

これらの方法以外を指示された場合は電話を切り、警察をはじめ最寄の公的機関に相談をしてみてください。

②「通知の書面を送りましたが、申込み手続きがなかったので電話しました」

①の内容を発展させたケースとして、「還付通知書を送ったが、手続きがなかったため電話した」と言ってくるパターンもあります。

似たようなフレーズに、

「還付金をすでに振り込みましたが、確認していただけましたか?」
「受け取りの連絡がなかったので、念のため連絡させていただきました」

というものもあります。

正しい手続きを踏んでいるように勘違いさせたうえに、「あなたにも非がある」というニュアンスを出してくるのが狙い。

良心を押し付けることで、その後のやり取りでも怪しまれないようにするための巧妙な手口です。

ただし、受け取り方については先ほど紹介した「口座振り込みか窓口受け取りの2種類のみ」という点は変わりません。いずれにせよ電話を切り、電話をかけてきた相手ではなく、自分で正しい窓口に連絡をしましょう。

・年金や健康保険といった社会保険料の還付は日本年金機構
・所得税、住民税といった税金の還付は国税局

が窓口となります。

③「本日中なら手続き可能です。携帯電話を持って最寄りのATMへ行ってください」

わざと期限を区切って切羽詰まった状況であることを伝えるのも、還付金詐欺でよく使われる手口です。

「急いで手続きをしないと受け取れない可能性があります。今お時間はありますか?」

このようなセリフでターゲットを焦らせ、冷静さを失わせようとしてくるのです。

加害者はその後、携帯電話を持ってすぐにATMへ向かうように指示し、「ATMについたら、操作方法を教えるので電話をしてほしい」と言ってきます。

もしそのように言われたら間違いなく還付金詐欺と判断してください。

先ほどお伝えした通り、還付金の受け取りには書類での手続きが必須で、ATM操作で返ってくることはありません。

当然ながら、県や市の職員が、ATMによる操作手続きを促すような連絡をしてくることもありません。

なお、加害者によっては事前にターゲットの家から一番近いATMを調べていたり、混雑の少ないATMを教えたりすることもあります。これは親切な人だと思わせて信用させ、ひと目の付きにくいATMに誘導するための手口なので注意しましょう。

  • キャッシュカードを自宅に取りに来るパターンも

    最近では市役所職員に扮した人物が「還付金を口座に振り込む」と告げたあと、金融機関職員を名乗る別の人物が「手続きを行うために、暗証番号を教えてください。またキャッシュカードをお預かりしますので後ほど伺います」と自宅まで来るパターンもあります。

    金融機関の職員や関係者が暗証番号を聞きにきたり、キャッシュカードを受け取りに来たりすることもありませんので、絶対に応じないようにしましょう。

④「操作方法を説明します。私の言ったとおりにボタンを押してください」

ATMに着いて折り返しの連絡をすると、加害者は「操作方法を説明するので、言ったとおりにボタンを押してほしい」と言ってきます。

その際、「ボタンの操作を間違えると手続きができない」「給付金が受け取れなくなる」などと言うのも特徴のひとつ。

ターゲットにプレッシャーをかけ、「何か変だ」と疑うことなく指示に従うように誘導しているのです。

繰り返しているとおり、還付金の関係者がATMを操作させることはありませんので、指示には従わず、電話をすぐに切ってください。

⑤「残高照会を押し、表示された数字を右から読んでください」

還付金詐欺は、還付金の振り込み手続きを装いながら、ターゲットに指示を出して加害者の口座にお金を振り込ませます。そのため、ターゲットに気づかれないように「振込」「口座番号」などの言葉を具体的に言わないのが特徴です。

加害者はまず残高を知るために、「給付金を受け取るための認証番号になる」などと言って残高照会のボタンを押させ、残高の数字を右から読ませます。

通常通り左から数字を読むと「預金残高を教えている」とすぐにわかりますが、右から読むと、何の数字を伝えているのか意識が曖昧になってしまうことが多いのです。

次に「左側のボタンを押してほしい」と言って振り込みボタンを押させ、「取引番号」という名目で加害者の口座番号の入力を指示。

その後、振込金額の入力欄で「先程の認証番号」「認証番号の最初から〇番目までの数字」などを入力するように指示して振り込ませます。

場合によっては、

「還付金が行き違いで振り込まれていないかどうか確認したいので、残高を教えてほしい」
「払い戻しは振り込みのボタンから行うことになっています」
「今操作しているATMは古いタイプなので、画面上の表記は違うかもしれない」

など、それらしい嘘をついて誤信させようとしてくるパターンもあるようです。

いずれにしても、給付金を受け取るためだと思わせながらATM操作の指示をしてくるのが還付金詐欺だと思ってください。

⑥「出てきた明細書は不要なので、破棄してください」

加害者は最後に、ATMから出てきた明細書を破棄するように指示します。ターゲットが騙されたことに気づくのを遅らせるためです。

多くの場合、ATM操作をさせる段階ですでに別のATMに出し子と呼ばれる引き出し係が待機しています。騙されたとわかったときには、振り込んだ口座からお金が引き出されているのがほとんどです。

この言葉を聞いた段階で、すでに騙されたと考えてよいでしょう。ただ、警察へ被害届を出す際に必要となりますので、せめて明細書は破棄せずに所持しておいてください。


いかがでしたでしょうか。

還付金詐欺に騙されないようにするには、とにかく「お金が返ってくる」と言われたらすぐに電話を切り、正しい窓口に確認をすることです。

事実であるかどうかは、正しい窓口に確認すればすぐにわかること。多少面倒でも、相手からかかってきた電話を信頼しないと思っておけば、詐欺にあう可能性は低くなるでしょう。


2.騙し取られたお金を取り返せるかも?返金のための方法



様々なことに気を付けたが、それでも騙されてしまった……。
そんな場合でも、「振り込め詐欺救済法」という制度を利用することで、お金が戻ってくる可能性があります。

この章では、その手続きの仕方などを詳しく説明していきます。

①振り込め詐欺救済法とは

振り込め詐欺救済法とは、還付金詐欺、オレオレ詐欺、架空請求詐欺などの被害を受けた人が、振り込んでしまったお金を取り戻すために用意された法律のこと。

銀行がお金を振り込んだ口座を凍結し、詐欺グループがお金を引き出せなくしたあとで、残ったお金を被害者に分配してくれます。

②利用のため手順

振り込め詐欺救済法を実際に利用するには、警察と銀行の両方に手続きをしなければなりません。

  • 警察に通報する

    まずは、還付金詐欺にあったことを知らせるために警察に被害届を提出してください。その際、以下の内容が必要となります。

    ・被害者の住居、職業、氏名、年齢
    ・被害の年月日時
    ・被害の場所
    ・被害の模様
    ・被害金額(品名、数量、時価、特徴、所有者)
    ・犯人の住居、氏名又は通称、人相、着衣、特徴等
    ・遺留品その他参考となるべき事項

    (参考:別記様式第6号(犯罪捜査規範第61条)

    記入した情報だけでは内容として足りない場合もあるので、事前に警察署に確認するのが確実です。被害届の詳細は下記を参照してください。


  • 振込先の銀行に連絡する

    自分がお金を振り込んでしまった口座の銀行に「犯罪に使われた口座なので、口座を凍結してほしい」と伝えましょう。

    場合によっては、すでにほかの被害者が通報し、口座がすでに凍結されている場合もあります。その際は、被害の返金を受けるための手続きに進むことになります。

③申請後の流れや現状の確認方法

金融機関が犯罪に使われた口座を凍結させたあとは、加害者の口座を完全に使えなくするための手続き(失権手続)が行われます。

この手続きが終わってはじめて、返金がはじまります。金融機関などから連絡があるほか、預金保険機構にも支払い申請の受付開始が告知されますので、それを待ってから申請を行いましょう。

申請するときは、以下の3つを振込先金融機関の窓口か郵送で提出する必要があります。これらを提出しておかないと、お金を受け取ることができませんので、注意してください。

・被害回復分配金支払申請書
・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
・振り込みの事実を確認できる資料(明細書や通帳など)

その後、金融機関が預金残高や各被害者の被害額などから支払額を計算し、被害者にお金が支払われます。

ただしこの際、とられたお金がすべて戻ってくるとは限りません。

口座に残っていたお金が騙し取られた金額よりも少ない場合は、その分しか返金はありません。さらに、ほかにも申請した被害者が複数いた場合、返金額は被害額に応じて分配して支払われることになります。

振り込め詐欺救済法を利用する場合、預金保険機構のウェブサイトを毎日チェックして現状を確認することが大切です。「支払手続開始」という告知が出たら、必ず申請を行いましょう。

振り込め詐欺救済法については、下記も参照してください。


3.家族で防ぐ詐欺被害!いまからできる3つの対策



還付金詐欺に対する注意喚起が頻繁に行われ、多くの人に「こういう詐欺があるんだ」と知られたことで、残念ながら、詐欺の手口もどんどん巧妙化しています。

日々、詐欺に引っ掛からないように気を付けていても、あなたの身近な方が被害にあってしまう可能性もゼロではありません。

この章では、本人だけでなく、家族でできる対策をご紹介します。

①ATMでの振込利用限度額を下げておく

万が一還付金詐欺などの振り込め詐欺に引っ掛かってしまった場合に備えて、ATMの振込利用限度額を低く設定しておきましょう。

騙されてしまったとしても、被害額を最小限に抑えることができます。

上限の設定はATMやインターネットで行える場合もあります。詳細は各銀行に確認してください。

②電話を基本的に留守電にしておく・非通知電話を拒否設定にする

電話の留守電機能を活用したり非通知電話の着信を拒否するなどして、安易に知らない番号に出ないようにするのも大切です。

最近では、防犯用に録音機能や、自動拒否機能などの詐欺対策機能を備えた電話も販売されています。これらを利用するのもよいでしょう。

携帯電話であれば、アドレス帳に入っている電話番号だけしかかかってこないようにする方法もあります。

③成年後後見制度を利用する

成年後見制度は、認知症などの理由で判断能力が不十分な人たちを保護する制度で、裁判所が選出した後見人が、本人にかわって財産などを管理するというものです。

この制度を利用することで、もしその人が還付金詐欺で被害にあったときに成年後見人が代理となって振り込め詐欺救済法を申請したり、騙し取られたお金を取り戻すために民事訴訟を起こすことが可能です。

ただし「家族の意見に対立がある」「管理する財産が多い」などといった場合は、親族ではなく弁護士などの専門家や適切な法人が成年後後見人に選ばれることもあります。

そうした際は別途費用がかかってくるほか、親族であっても本人の財産を管理できなくなることになりますので、事前に専門家とよく相談したうえで利用をしましょう。


4.まとめ

  • 「返金」「払い戻し」「還付金」と言われたら電話を切り、正しい窓口に確認しよう。

  • もし振り込んでしまったら、返金のためにすぐに警察と銀行に連絡を。

  • 大きな被害にあわないように、日頃から家族とコミュニケーションを取っておこう。

おわりに

ATM操作で還付金が支払われることは絶対にありません。

本来の還付金は通知書に従って振込依頼書などを郵送し、あとは振込を待つだけです。

電話がかかってきても絶対に応じないようにしてください。


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