資格商法のよくある手口は?返金手段3つや実際の事例もあわせて紹介

2018年10月05日 19:14:00詐欺・消費者被害

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 電話勧誘で資格教材を購入したが、説明と実態が違ったという人

  • 解約を申し出ても業者側が受け付けず、高額の手数料を要求された人

  • 悪質な資格商法に支払ったお金を返してもらいたい人

はじめに

「この資格があれば、就職に有利になりますよ」

「この資格をとれば、仕事を紹介できます」


そんな言葉で、就職活動中の大学生や主婦を狙う資格商法。

資格自体が役に立たないものだった、実際の教材が価格に見合わないレベルだった、解約しようとすると高額な手数料を請求された……といった被害が挙げられています。

そんな場合、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、資格商法の手口や返金方法を解説するとともに、実際に返金された事例についても紹介していきます。


1.資格商法ってどんなもの?よくある流れと手口を解説!



まずは、資格商法の流れと手口についてまとめてみます。

①業者から連絡が来て、資格教材の購入を薦められる

主に電話や直接訪問などを通じて、業者から売り込みが行われます。
最初は日常会話からはじめ、徐々に「この資格は近いうちに国家資格になり、難しくなる。今なら取得しやすい」「就職にも有利になる」などとして、言葉たくみに購入を勧めます。

しかし、これらの魅力的な言葉の多くは嘘です。
実際に国家資格になるケースはまれですので、疑ってかかるようにしましょう。

また、「この資格を取ったら、内職・副業を斡旋する」などと言う手口もあります。

こちらも、実際には仕事を紹介してもらえなかったり、仕事をするための道具をさらに買わされたりといった被害がありますので、警戒したほうがよいでしょう。

②強引に契約させられる

怪しいと思って断ろうとした場合でも、根負けするまでしつこく勧誘を続けたり、「このままでは一生成功できない」などと不安を煽ったりと、強引な手口で契約させようとしてきます。

さらに悪質なパターンになると、断るときに「結構です」「いいです」など、肯定の意味もとれる曖昧な言葉を使ったのを悪用して勝手に契約を結んだことにすることもあります。

③高額の請求が来る

うっかり契約してしまうと、高額の請求を受けることになります。
当初の勧誘では安価だった場合でも、

「追加の教材費が必要」
「説明した金額は、分割払いの1回目の金額だ」

として、契約の時にはまったく聞いていなかった追加費用を請求されるということもあります。

拒否しようとしても、「すでに契約しているので支払いの義務がある」「支払いがない場合は法的な手続きをとる」などと脅されることがあるようです。

④解約しようとすると、解約手数料を請求される

悪質な資格商法の場合、中途解約を申し出ても、解約手数料の名目でさらに支払いを請求されることがあります。

「これが最後だから」と思わせ、お金を支払わせるのが業者側の狙い。しかし、ここで無事に解約しても、被害がおさまるとは限りません。

一度資格商法の被害にあった人は、この後も長期間にわたり、二次被害、三次被害のターゲットにされることがあるのです。

⑤解約後も長年にわたってお金を請求されることも

解約をしたあと、数ヶ月から数年の期間を置いて、下記のような勧誘に遭う可能性があります。

  • ほかの悪質業者からの勧誘

    悪質商法の被害にあった人は、「騙されやすい人」とみなされ、その情報はほかの悪質業者と共有されてしまいます。
    そのため、別の悪質業者からの連絡が頻繁に来るといった被害が考えられます。

    実際、業者の巧みなセールストークに騙されたのをきっかけに、6件もの資格教材販売業者と契約してしまった(国民生活センター)という事例もあります。

  • 「顧客データを削除する」としてお金をだまし取られる

    「悪質業者にあなたのデータが共有されています」

    そう言って、データの削除費用という名目でお金をだまし取る詐欺の手口です。相手は弁護士や消費生活センター、警察などを名乗って顧客を信用させることが多いようです。

    頻繁な悪質業者からの連絡に悩まされているほど、うっかりお金を支払ってしまいがちですが、本当にリストから削除されたのかを確認する方法はありません。

    実際に連絡が止むことは少ないばかりか、「知っているデータの削除はできたが、ほかのリストが出回っている可能性もある」として何度もお金をとられるといったこともあります。

  • 「契約が解除されていないので費用を払うように」と連絡がくる

    契約を解除したにも関わらず、同じ業者、もしくは別の業者から「まだ契約が終了していない」と連絡が来ることもあります。

    「契約を取り消すか継続するか。いずれも費用がかかる」という理由でお金を請求されることが多いようです。

  • 「被害者どうして集団訴訟をする」として費用を請求する

    「被害者が多数いる」として集団訴訟への参加を勧誘され、費用を振り込むよう求められるパターンです。

    被害にあったという認識を逆手にとった、悪質な事例です。


2.資格商法で返金してもらうには?3つの方法を解説



断り切れずに契約してしまった場合、返金してもらうことはできるのでしょうか。
一般的な返金手段としては、

①クーリング・オフ制度を利用する
②契約時の不備を指摘して契約を取り消す
③弁護士に依頼する

の3パターンがあります。

以下、解説していきます。

①クーリング・オフ制度を利用する

クーリング・オフ制度は、一定の期間内であれば、契約を一方的に解除できるという制度です。

資格商法の多くは、「電話勧誘販売」または「訪問販売」とみなされ、業者から契約書面を受け取った日から8日間のうちであれば、理由なく契約を解除し、返金してもらうことができます。

クーリング・オフをする場合は、契約を解除するという意思をはがきに書き、内容証明郵便という、相手に届いた日付と内容を証明してくれる配達方式で送るだけでOK。

8日目までに相手にはがきが届いている必要もなく、「期間内にはがきを送った」という事実が残っていれば問題ありません。

また、すでにクーリング・オフ期間が過ぎてしまっていても、以下の場合は制度を利用できる可能性があります。

  • 「クーリング・オフはできない」などのウソをつかれた
  • 契約時にもらった書面(契約書面)に明らかな不備があった
  • 業者からの妨害行為があった

クーリング・オフの詳しいやり方などについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。


②消費者契約法による取消権を使う

クーリング・オフ期間を過ぎていた場合でも、相手側との契約が悪質であった場合は契約を取り消すことが可能です。

消費者契約法という法律では、業者が顧客と契約する際、

  • 嘘を伝えてはならない(不実告知)
  • 一度断られたら勧誘してはいけない(再勧誘の禁止)
  • 消費者からの契約解除の申し出を妨げるために威迫・困惑させてはいけない

などの禁止項目を設けています。

これらのルールを業者が破っていた場合、それに気づいてから1年以内、かつ契約から5年以内であれば、取り消すことができます。

ただし、その証明には法的な知識が必要になってきますので、
国民生活センターが運営する消費者ホットラインなどの専門機関に相談したほうがよいでしょう。

③弁護士などの専門家に依頼する

①②の手段を使っても、業者側が返金に応じてくれなかった場合は、弁護士などに依頼しましょう。

業者側との交渉だけでなく訴訟を起こす場合にも力になってくれます。

ただし、弁護士に依頼や相談をするときには、弁護士費用が発生します。自分の被害額と弁護士費用との兼ね合いを吟味してから、依頼するかどうかを決めたほうがよいでしょう。

「被害額が少ないので、泣き寝入りするしかない」という場合には、集団訴訟も選択肢のひとつになるかもしれません。

集団訴訟プラットフォームのenjinでは、自分の被害を登録して仲間を集め、被害人数や被害者が多い場合は、集団訴訟を起こすことも可能です。


3.実際に返金してもらえるの?資格商法の事例を解説!



これまで、資格商法の返金方法について紹介してきましたが、実際に返金された事例はあるのでしょうか?

国民生活センターなどを参考に、解説していきます。

過去の契約を理由に、次々と新たな契約を結ばされた例

(参考サイト:名古屋市消費生活センター)

  • 概要

    40代男性が10年以上前に電話勧誘を受けA社と資格教材を契約した。5年前にB社から「契約が終了していない」と何度も職場に電話がきたため、40万円の教材を契約。最近になってC社から「まだ終わっていない」と高圧的な電話が何度も職場にかかってきたため、昨日30万円の教材を分割払いすると言ってしまった。解約したい。

  • 結果

    クーリング・オフを行い、C社との契約を解除した。

  • ポイント

    過去の契約を理由に、次々と契約を結ばされたケースです。
    事例によると、C社は「まだ契約が終わっていない。解約には、手数料の代わりにこの教材を買う必要がある」などと言い、男性が電話を切っても「何故切るんだ」と執拗に勧誘を続けたとのことです。

    このケースでは、以下の2つがポイントとなります。

    ・存在しない契約を持ち出して支払いを迫った点

    各業者は過去の契約とは無関係です。なんらかの手段で名簿を手に入れ、もっともらしく話を作っていただけとみられています。応じる必要はありません。

    ・一度断ったにも関わらず、執拗に勧誘を繰り返した点

    「契約しない」と伝えた消費者を繰り返し勧誘することは法律で禁止されています。契約を断っても電話がかかってくることもありますが、そもそも違法行為なので、きっぱりと断りましょう。

教材購入後にクーリング・オフを申請したが認められず、解約を求めた例

(参考サイト:国民生活センター)

  • 概要

    20代の男性が行政書士の資格を勧められて分割払いを申し込んだところ、後日約50万円の契約金額を求められた。クーリング・オフで解約しようとしたものの「裁判沙汰になる」と脅されたため諦めて契約。分割料金を支払うためにクレジット契約もさせられた。契約を解除したい。

  • 結果

    国民生活センターが交渉にあたり、契約直後のクーリング・オフを認めなかったことや、特定商取引などで定めた書類の不備を理由に、全額が返金された

  • ポイント

    このケースでは、以下の3点が問題となりました。

    ・契約直後にクーリング・オフを申し出たにも関わらず、解約を受けつけなかった

    契約直後にクーリング・オフを申し出たので契約を解除できるはずでしたが、業者側は「裁判」「捕まる」といった言葉で男性を脅し、解除を認めませんでした。


    ・契約書面の記載に不備があった

    契約書面には、クーリング・オフに関する事項を記載するように法律で定められていますが、威迫・困惑させた場合についての記載がなく、書面そのものに不備がありました。

    ・クレジットカードを持ったことがない男性にクレジットを薦め、消費者金融から融資を受けさせていた

    業者は、事前知識が十分ではない男性に、契約書面を交わして分割払いをするクレジット契約をさせ、その契約書(融資申込書)を仲介会社を通じて貸金業者に渡していました。

    この形式は三者間取引という割賦販売法の規制対象となるため、男性は問題が解決するまで分割支払いを停止できる「支払い停止の抗弁手続き」をとれるはずでしたが、業者側は三者間取引ではないとして、抗弁を認めませんでした。

    販売業者はクーリング・オフ期間が過ぎていることを理由に解約を認めようとはしませんでしたが、最終的に国民生活センターの交渉を受け入れ、返金を行いました。

当初の説明と実際の受講内容が異なっていたため、返金を求めた例

(参考サイト:国民生活センター)

  • 概要

    20代男性が就活セミナーに参加したところ、アンケートに記載していた電話番号に連絡があり、担当者と実際に会って勧誘された。「現住地域に新校ができる」「全国に学校がある」「いつでもインターネット授業が受けられる」と言われ、学生専用のクレジット契約を組み、総額約163万円の契約をした。しかし実際には当初の話と違っていたため解約を申し出たところ、約70万円を請求された。


  • 結果

    アンケートで取得した個人情報を利用したことや当初の勧誘内容とは異なっていたこと、「学生のうちに契約するとクレジット契約が安くなる」と契約をせかしたことなどを理由に、クーリング・オフを求めて国民生活センターが交渉。クレジット契約は取り消しとなり、返金された。


  • ポイント

    このケースでは、以下のポイントが問題とされました。

    ・勧誘当初の説明内容と実際に提供されたサービスが食い違っていたり、「学生のうちだけ安い」と言って契約を急かした

    ・アンケートで記入した個人情報を勧誘に利用した

    ・訪問販売に該当する契約だったが、クレジット契約書面にはクーリング・オフができない「店舗契約」と記載されていた


    これらを理由に、クーリング・オフが可能だとして、国民生活センターがクーリング・オフを認めるように業者と交渉しました。

    業者側は、すべて問題ないと主張しましたが、最終的には「クーリング・オフには応じないが、クレジット契約を取り消す」とし、返金されました。


いかがでしたでしょうか。

資格商法の場合、クーリング・オフを適用して返金・契約解除を行うことが多く、その場合は全額が返金されます。

たとえクーリング・オフ期間(8日)が過ぎていても、業者側の過失により、クーリング・オフができることもあるので、最寄りの消費生活センターに相談してみましょう。

消費生活センターへの相談は消費者ホットライン(188)が便利です。電話をすると、あなたの最寄りの消費生活センターを案内してくれます。


4.まとめ

  • 資格商法は主に電話勧誘により行われ、契約解除をするときにも解約金を要求されたり、解約後も様々な手段でお金を要求される。

  • 資格商法の返金手段は①クーリング・オフ制度を利用する②契約時の不備を指摘して契約を取り消す③弁護士に依頼する という3つの方法がある。

  • クーリング・オフ期間(8日間)が過ぎていても、業者側の過失によりクーリング・オフできることがあるので、最寄りの消費生活センターに相談する。

おわりに

資格商法の勧誘はきっぱりと断り、契約をしないことが大切です。

勧誘を断り切れずに契約をしてしまったら、すみやかにクーリング・オフを行いましょう。


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