この記事は以下の人に向けて書いています。
- 「PCのログインを確認しました」等の不審なメッセージが来て不安な人
- 友達から、いつもと違う雰囲気のメッセージが来て心配な人
- LINEアカウントが乗っ取られるなどして、金銭的な被害を受けた人
はじめに
「コンビニで、プリペイドカードを買うのを手伝ってくれませんか?」
友達からいきなりそんな連絡がきた経験がある方は多いのではないかと思います。
少し前に流行った「
LINEアカウント乗っ取り」を利用した詐欺の手口は2014年ごろに流行し、多くのメディアで取り上げられました。
注意喚起の結果、いまではあまり見かけなくなりましたが、まだまだ油断はできません。より
巧妙化、悪質化した手口でのLINE詐欺が、新たに広まりつつあるのです。
本記事ではこうした“
新しいLINE詐欺”の手法・対処法について紹介をしていきます。
1.2018年最新版!LINE詐欺の手口3選
では、LINE詐欺にはどんなものがあるのでしょう?具体的な手口を紹介していきます。
①企業や団体からLINEが届く?フィッシング詐欺
「
アカウントが乗っ取られる危険性があるため、下記のURLからパスワードの再設定を行ってください」
そんなもっともらしい文章がLINE社を名乗って届いたら、思わず従ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。
しかしいま、こうした
公式の企業や団体を装ってメッセージを送り、個人情報を抜き取る「フィッシング詐欺」が新たに被害を拡大しつつあります。
一見もっともらしいメッセージに書いてあるURLは、
じつは偽物。指示通りに入力してしまうと、あっという間に
パスワードを相手に渡すことになってしまいます。
その結果、LINEのパスワードを変更されてLINEそのものにログインできなくなったり、
詐欺グループが自分になりすまし、友人や知人から金銭を騙し取るといった危険性があります。
また、決済サービス「LINE PAY」などを使用していた場合、
残高のお金を勝手に引き出されたり、ほかの商品の決済に使われるといった被害も考えられるでしょう。
②友人や有名人からのなりすましメッセージ
①で紹介した乗っ取り被害にあった友人・知人からメッセージが送られてくるパターンです。そのほか、著名人になりすましコンタクトを取ってくる事例もあるようです。
いままでの手口だと「困っているから助けてほしい」「プリペイドカードを購入してほしい」など、唐突に金銭を要求されるようなメッセージがくることから、「この人、アカウント乗っ取られてるのかな」と判断できました。
しかし、あらたな手口として、「
携帯番号をおしえて」とメッセージが友達から届き、番号を教えると次は「
SMSで4桁の認証コードが届いたら送信して」という形がひろまっています。
携帯電話番号と認証コードを伝えてしまうと、
今度は自分が乗っ取られてしまう、という仕組み。
いままでと違い金銭の要求をされるわけではないため、油断して乗っ取られてしまうという被害が報告されています。
③うまい話には裏がある?LINEビジネス詐欺
「LINEを使って簡単に稼げるアルバイト」「
副業にもってこいのLINEビジネス」などの誘い文句で、LINEを利用したビジネスを斡旋する詐欺もあります。
手数料として数万円の振り込みを先に求めたり、事前準備としてクレジットカードの作成などを促したりするのが代表的な手口。
被害者がうっかり言われたとおりにしてしまうと、それきり連絡がつかなくなったり、
カードを不正利用されて、数万~数百万の被害が出てしまう……といった事例が発生しています。
こうした詐欺が広まっているのは、
10代~20代にかけた若い世代。LINEによる気軽な連絡手段に慣れており、さらにこうした詐欺にあった経験が少ないため、ターゲットになりやすいという側面があるようです。
2.被害を防ぐために…とるべき対処法3選
では、実際に詐欺にあわないためには、どんな対処法をとるべきでしょうか。
具体的な対処法を、下記の通り説明します。
①こんな言葉が出てきたら要注意!不審なメッセージの見分け方
前の章で紹介したとおり、たとえ友人・家族であっても、アカウントを乗っ取られて不審なメッセージをあなたに送ってくる可能性があります。
「認証コードをおしえて」
「電話番号を教えて」
などの、
認証に関わることを聞き出そうとするメッセージや、
「ウェブマネーを買ってコードを教えてほしい」
といった金銭が絡むようなメッセージが来たら要注意。
また、
いつもと違う言葉遣いであったり、普段そこまで仲良くない知人から唐突に連絡が来た場合も、乗っ取られている可能性を疑いましょう。
メールや電話など、LINE以外の連絡手段で「
アカウント乗っ取られてない?」と確認するようにしてください。
②「ログインが検出されました」というメッセージの対処法は?
自分が操作していないにもかかわらず、PCなどの他の端末からログインしたことを伝えるメッセージが届いた場合、ふたつの可能性が考えられます。
ひとつは、先ほど紹介したフィッシング詐欺であるケース。
そしてもうひとつは、
本当に第三者のPCからログインされてしまったケースです。
乗っ取り被害の対策として、LINE社では使用している携帯の端末以外でログインがあった場合、使用している携帯へ「
PCでLINEにログインしました」と必ず通知が来るように設定しています。
ログインできた時点でパスワードは流失しているため、すぐにパスワードを変更しましょう。フィッシング詐欺の被害を防ぐため、メッセージにURLが書かれた場合もタップせず、
必ずアプリの設定画面から変更するようにしてください。
同じパスワードを使用している他のアプリやサービスが狙われる危険性もありますので、そちらのパスワードを変更することも忘れないようにしましょう。
またもうひとつの手段として、
ほかの端末からのログインを許可しないという設定をとることもできます。
具体的には、下記のような操作をする形となります。
この設定を普段からしておけば、PCなどからの不正なログインを防止できるでしょう。
また、不審なメッセージのパターンとして、「
PCからのログインに失敗しました」というものが来る場合もあります。
こちらは、アカウントID(LINEであれば電話番号やメールアドレス)はあっているが、パスワードの入力が間違っていたときなどに届きます。
この場合は、
詐欺グループがパスワードの入力に失敗した、もしくは
手当たり次第に英数字の羅列を並べログインできないか試みているなどの可能性が考えられます。
こちらも同様に、パスワードの変更や他端末からのログインをオフにする設定を行いましょう。
最後に、不審なメッセージを受けたあとに自分がログインできなくなった場合、相手がパスワードを変更してしまったことが考えられます。
こうなってしまうと、アカウントを取り返すことは困難です。被害が広がる前に
LINEの相談窓口へ連絡し、アカウントの削除を依頼するようにしましょう。
③サービスごとに異なったパスワードの再設定
乗っ取りや、乗っ取りによる被害を最小限に防ぐには、
ユーザーIDやパスワードを使い回さないことが重要です。
日々使う様々サービスのIDやパスワードを見直し、より推測されにくいものに変更しましょう。
自動でパスワードを作成してくれるサービスもありますので、それを利用するのもひとつの手です。
より特定されにくい強度なものを作成してくれたり、こちらの要望でカスタムしてくれる機能も付いています。
気になった方は以下のサイトをチェックしてみてください。
3.アカウントやお金は取り戻せる?被害にあった場合の対処法
前章でも取り上げた通り、LINEアカウントを乗っ取られパスワードを変更されてしまい、ログインが出来なくなってしまった場合、
アカウントを取り戻すことはほぼ不可能です。
被害拡大前にLINE運営へ連絡し、アカウントの削除を依頼しましょう。
LINE問合せ窓口は
こちらです。
また、LINE詐欺にあい、電子マネーなどでお金を支払ってしまった場合、
取り返すことはとても難しいと考えてください。
LINE詐欺の一番怖いところは「
相手の顔が見えない」「
誰が行っているのか一切わからない」点にあります。
通常詐欺などの被害に合い、相手を裁判で訴訟する場合に必要な書類には、基本的に相手の「名前」と「住所」を記載しなければいけません。
LINE詐欺の場合、住所はおろか、相手の名前も顔も国籍も何もわからないため、お金を取り戻す難易度が高いのが実情です。
ただし、乗っ取りによってLINE PAYにチャージしていたお金を使われた場合、
原則10万円まで(被害額がそれを上回る場合は個別に検討)LINE社の補償サービスを受けることができます。
問い合わせ窓口から事情を説明し、返答を待ちましょう。
4.まとめ
- 一時期は下火になったLINE詐欺だが、新たな手口でふたたび被害が広がっている。
- 「パスワードの再設定」を求めるメッセージは詐欺の可能性あり。怪しいURLがある場合はクリックせず、アプリ内の設定画面からパスワードを変更すること。要注意
- 友達から、電話番号などを唐突に聞かれた場合は、乗っ取られている可能性あり。LINE以外の手段で本人に確認をとること。
- LINE詐欺で支払いをした場合、お金を取り戻すのは困難。ただ、乗っ取られてLINE PAYから勝手にお金を使われた場合は、原則10万までの補償制度がある。
おわりに
いまや10~50代の利用率は9割といわれるLINE。
SNSとしてだけではなく、メールや電話に代わる連絡手段・コミュニケーションツールとして重宝されていますが、その手軽さだけに詐欺も身近に潜んでいます。
この記事が、少しでもみなさんが気をつけるきっかけとなれば幸いです。