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歯列矯正返金の鍵は2つの違法性!方法・相談先・必要な費用も全解説

投稿日時 2019年06月11日 10時53分
更新日時 2019年06月11日 10時53分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 歯列矯正に失敗したので返金手段を知りたい人

  • 返金をしてもらいたいけど医師が取り合ってくれなくて困っている人

  • 訴えたときに返金は可能なのか、訴訟費用はいくらなのか知りたい人

はじめに

「歯列矯正をしてもらったが効果がない」「むしろ前より悪化した」

悪質な病院ならもちろん、単なる医療ミスであったとしても、施術に失敗したとなれば治療費は返してもらいたいと思うもの。

しかしただ返金してほしい、と言うだけでは実はうまくいかない側面があります。

そこでこの記事では、なぜ難しいのかを解説しながら返金の可能性を上げるために必要な知識や方法などをご紹介。法的に解決できる術を身につけましょう。

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1.どうしても返金してほしい!まずは知っておきたい基礎知識



冒頭で紹介したように、歯列矯正で返金を求めてもすんなり応じてくれる可能性はそう多くありません。

大抵は医師に「施術は成功している」と強く主張されたり、「あなたの歯が特殊だから」とこちらのせいにされ、言い逃れされてしまうからです。

そのため返金を求めるには相手の民事責任を問い、損害賠償を請求することが必要。

この章では、歯列矯正で発生する医師側の民事責任、

①医療ミス
②説明不足

について詳しく解説します。

①医療ミスがあった

明らかな医師のミスで歯列矯正が失敗した場合、民法が定める不法行為にあたり、返金を請求できる可能性があります。

不法行為とは、注意すれば防げたはずの行動で相手に損害を負わせること。つまりわざとミスするのはもちろん、医師のうっかりミスや力量不足で発生したものも当てはまるのです。

不法行為にあたる可能性が高いケースとしては、次の2つが考えられます。

  • 治療前の検査を慎重に行わなかった

    まず治療前の検査がずさんだったために、歯列矯正が失敗した場合です。

    「紹介状の記載を見落とす」
    「治療するべき歯を事前チェックの段階で見逃す」

    これらが原因で症状の改善が見られず治療期間が伸びてしまった、などのときは、不法行為として責任を問える可能性があります。


  • 適切な治療を行わなかった

    次に、適切な治療を行わなかった場合です。

    「歯列矯正が必要なのに差し歯治療」
    「必要な抜歯を行わなかった、あるいは不必要な抜歯を行った」

    これらは民事責任を問える可能性が高いでしょう。

    ほかに治療の経過が思わしくないからと、こちらの同意なく飛び出した歯を削るなどの行為も、患者に精神的な苦痛を与えたとして不法行為に該当すると思われます。

②医師が十分な説明をしていなかった

この場合は説明義務違反となり、「医師がやるべきことをやらなかった」という債務不履行にあたる可能性があります。

要するに歯列矯正の前後に医師が十分な説明をしてくれれば、失敗しなかったというものです。

例えば、

「病状がわかっているのに説明しなかった」
「定期検診が必要なのに、何も案内がなかった」
「治療後のブラッシング指導を怠った」

などが挙げられるでしょう。

このほか「治療のメリットだけを話し、リスクを伝えてくれなかった」というケースも、リスクを知っていれば治療を依頼せず不利益も被らなかったかもしれない、として説明義務違反となることがあります。

③返金が難しくなるパターンもあり

歯列矯正の返金では、上記のような医療ミスや医師の説明義務違反を指摘することが不可欠です。

しかし患者にも責任があるとみなされた場合、医師の民事責任を問えないこともあります。

下記のような場合は返金が難しくなることがあるので注意が必要です。

・治療を定期的に行わなかった
・医師の言うことを聞かなかった
・ほかの医院で治療を受け、それが原因で失敗した

医師の説明を十分に受け、それに了承した場合も同様です。

以上のように、ひと言に損害賠償を請求すると言っても、「どんな責任が発生しているのか」「そもそも責任を問えるのか」などケースによって異なります。

下記でも損害賠償について詳しく説明しているので、より基本的な知識を抑えておくためにあわせてチェックしてみてください。

また歯医者を訴えることができる理由は、以下でも解説しています。


2.返金は弁護士に依頼がいい?気になる費用と依頼の仕方



歯列矯正の返金を求めるとき、民事責任を問わなければならないことから法的な知識が必要となってきます。

そうなれば、やはり弁護士に依頼するのが無難。弁護士が介入したとなれば、医師にプレッシャーをかけることができ、医師が素直に応じてくれる可能性も高くなるでしょう。

この章では、弁護士に依頼した場合の費用や、依頼する前に準備しておきたいことなどをご紹介します。

①弁護士探しと費用相場

  • 弁護士を探す

    弁護士を見つける場合は、日本弁護士連合会(日弁連)のサイトを利用するのがベターです。

    次のポイントに気をつけながら探してみてください。

    医療過誤や医療事故の相談を受け付けている
    事務所が通いやすい場所にある
    担当する弁護士と性格的な相性がいい


  • 弁護士費用の相場

    歯列矯正にかかる弁護士費用の相場は次のとおりです。

    相談料
    歯列矯正で起きたトラブルについて、法律的な観点からアドバイスをしてもらうときに発生する費用
    相場…1時間1万円程度
    調査費用
    カルテの入手や医学文献の収集、協力してくれる医師の確保など、示談交渉や訴訟に必要な調査をするときにかかる費用。協力医の意見書作成費用や謝礼が含まれていることがほとんどです。
    相場…20~50万円程度(うち謝礼が10~30万円前後)
    証拠保全費用
    証拠保全とはカルテなどの改ざんを防ぐために、抜き打ちで医院に弁護士が出向いて証拠を抑えることです。提出された書類を撮影するカメラマンの同行費用もここに含まれます。
    相場…30~40万円前後
    着手金
    示談交渉や訴訟をする際にかかる前払い料金
    相場…30万円前後
    報酬金
    トラブルが解決した際に支払う費用
    相場…返金額の30%前後

    このほか、調査や証拠保全でかかった交通費などが実費でかかることがあります。

    ただし、ここに記載した料金はあくまで目安です。訴訟となったときに着手金が再度発生したり、その着手金も損害賠償の金額で決められるなど料金形態はさまざまなので、相談前に必ず確認するようにしてください。

②医療過誤に強い弁護団に依頼

医療に強い弁護士が見つかっても料金やそのほかの条件で依頼が難しい場合は、次の医療問題を専門とする弁護士団体に依頼するのもいいでしょう。

それぞれの連絡先と受付時間、かかる費用もまとめたので参考にしてください。

  • 医療問題弁護団

    連絡先・受付時間
    TEL:03-6909-7680
    平日10~16時
    費用
    相談料 無料(2回目以降30分5400円)
    調査活動 324000円+実費
    示談交渉・訴訟 案件による


  • 医療事故研究会

    連絡先・受付時間
    TEL:03-5775-1851
    火・木・金13~15時
    費用
    相談料 無料(2回目以降1時間10000円)
    証拠保全 300000円+実費
    示談交渉・訴訟 案件による

③依頼の前にやっておきたいこと

弁護士や弁護団に依頼するメリットのひとつは、医師と交渉したり証拠を集めるなどを任せることができ、時間や精神的な負担を減らせることです。

ただ、いくら代わりにしてくれるとはいえ、最低限次のことは依頼前にしておいてください。

  • 相手の情報を集める

    必要なのは、医師の名前住民登録住所(法人の場合は代表者名と登記簿住所)です。加えて相手が実在していることがわかる書類(登記簿謄本、附票付きの戸籍謄本、住民票など)があるとなおいいでしょう。


  • 状況整理と証拠収集

    状況の整理では、「いつ」「どこで」「どんな治療を受けたのか」「そのとき医師は何を言っていたのか」など、医療ミスや説明義務違反を指摘できるよう客観的な文章でまとめてください。

    収集すると望ましい証拠は、治療費が記載された領収書治療の同意書や契約書、治療前と治療後の様子がわかる写真など。

    治療に関わっていそうなものはとにかく集めるのが重要です。

    なお必要な情報や証拠は、下記でもご紹介しているので参考としてください。


3.費用をかけても返金は難しい……あわせて検討したい3つの方法



歯列矯正をはじめとする医療過誤の事案では、弁護士に依頼しても返金が非常に難しいと言われています。

実際、医師の説明がわかりにくかったものの、直接治療の失敗に繋がるようなものではないと裁判で判断されたケースもあるなど、損害賠償請求が認められなかった事例は少なくありません。

また不法行為や債務不履行を指摘しようとしても、カルテが医師の手元にある以上、改ざんされることもあります。

そのため多額の弁護士費用をかけても、こちらが損をする可能性も……。

では泣き寝入りするしかないのか、と言えばそうではありません。

最後の章では、費用を抑えつつ返金を求める方法を3つご紹介するので、あわせて利用を検討してみてください。

①法テラスの利用

法テラスは、法的トラブルの解決を支援してくれる相談所です。ここでは「民事法律扶助制度」というものがあり、下記の条件をクリアすれば弁護士費用を立て替えてくれます。

条件 概要
月収が一定額以下 単身者:182000円以下
(大都市圏は200200円以下)
2人家族:251000円以下
(同276100円以下)
3人家族:272000円以下
(同299200円以下)
4人家族:299000円以下
(同328900円以下)
5人家族以上:1人つき30000円
(同33000円)増
保有資産(預金や自宅を除く)が一定額以下 単身者:180万円以下
2人家族:250万円以下
3人家族:270万円以下
4人家族:300万円以下
少なくとも勝訴の可能性がある 和解や調停などで解決する可能性が高い事案も対象
訴訟の目的が民事法律扶助に適している 返金ではなく、医師への報復などが目的だと断られる可能性あり
参照:法テラスウェブサイト『よくあるご質問:費用を立て替えてもらいたい』

ただしこれはあくまで立て替えのため、後々分割払いで返済する必要があることに注意してください。

利用したい場合は、下記に連絡しましょう。

電話番号 0570-078374
受付時間 平日9時~21時 土曜9時~17時

②集団訴訟

集団訴訟は、同様の被害を同じ加害者から受けた人と一緒に裁判を起こす方法です。

場合によって弁護士費用を集まった人数分で割ってひとりあたりの負担を軽くできたり、ほかの人が持っている証拠を全員の証拠として扱うこともできます。

enjinでは、すでにいくつかの集団訴訟プロジェクトを立ち上がっているので、こちらで同様の被害がないかチェックしてみましょう。

もし、まだプロジェクトが立ち上がっていない場合は、こちらから利用を検討してみてください。

なお、下記では集団訴訟について詳しく解説しています。

日本弁護士連合会 医療ADR(裁判外紛争解決機関)へ依頼

日弁連の医療ADRは、医療に強い複数の弁護士が仲裁役として間に入って、患者と医師双方が話し合いでトラブルを解決できるようにサポートしてくれます。

費用は場合によりますが、訴訟よりは抑えられることがほとんどです。

電話番号 医療ADRを扱う最寄りの弁護士会に連絡
受付時間 地域による


4.まとめ

  • 歯列矯正の返金手段は損害賠償請求。「医療ミス」か「説明義務違反」の指摘を。

  • 弁護士費用は相談料のほか、調査費用や証拠保全費用などさまざまな形態があるので必ず確認。

  • 費用の準備が難しい場合は法テラスや集団訴訟などを検討する。

おわりに

一般的に難しいと言われている歯列矯正の返金。ですが泣き寝入りすれば、返金の可能性はゼロとなってしまいます。

この記事を参考に、可能なかぎり行動してみてください。

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