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騒音トラブルの相談先4つまとめ!準備したいものと騒音の規制ルール

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投稿日時 2019年04月19日 17時26分
更新日時 2019年04月19日 17時26分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 近所の人との間で騒音に関してトラブルになっている人

  • 近所の工事や店舗の音で子供が寝付かず困っている人

  • 騒音が原因で体調を崩してしまった人

はじめに

「マンションの上の階の足音がうるさい」

「工事の音が大きすぎて頭が痛い」

日常生活で起こりがちな騒音のトラブル。

しかし、自分で直接相手と話し合いをするのは厳しい……という人は多いのではないでしょうか。

この記事では、騒音のトラブルについて相談したり、相手との交渉の仲立ちになってくれる機関とともに、相談前に準備しておきたいものや騒音の規制についてご紹介します。

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1.騒音トラブルの相談先4つまとめ!



隣人とのトラブルや工事騒音など、騒音の内容によって相談先も変わってきます。

それぞれ、そのようなときにどこへ相談すればいいのかご紹介していきましょう。

相談先
隣室・隣人との騒音トラブル ①管理会社・大家
②警察
 緊急性がない場合は#9110
 受付時間:平日8時30~17時15分
 (各都道府県警察本部で異なる)
工事や店などの騒音
損害賠償請求を行う
③公的機関
アドバイスが欲しい・訴訟をしたい ④弁護士

①管理会社・大家・管理組合

隣室の住人の生活騒音に悩まされているケースでは、直接注意すると嫌がらせ目的でより大きな音をたてられる、嘘のうわさを近所に流されるなどの悪影響がでる可能性があります。

賃貸やマンションなどに住んでいる場合、まずは賃貸を担当している管理会社や大家、マンションの管理組合に連絡しましょう。

自分の名前を出さずに相手に注意してもらうことで、自分の生活を守りつつ相手の生活騒音が軽減される可能性があります。

②警察

すでに隣人とトラブルになっている場合、警察に連絡してみましょう。

相手に怒鳴り込まれたりしている場合は110番通報をするべきですが、緊急性がない相談でしたら、まずは警察相談専用電話「#9110」に連絡してください。

警察相談専用電話では、ご近所トラブルを含め、生活の安全に関するさまざまな困りごとの相談を受け付けており、場合によっては匿名での利用も可能です。

連絡するとアドバイスをしてくれるだけでなく、相手方へ事情を聴きに行くなど何かしらのアクションを起こしてくれることもあります。

③公的機関

公的機関への相談は、深刻度や求める対応ごとの3段階に分かれます。

・市区町村公害苦情相談窓口
・都道府県の公害審査会
・公害等調整委員会

それぞれ説明していきましょう。

  • 市区町村公害苦情相談窓口

    工事やお店の騒音などへの苦情の場合は、市区町村の公害苦情相談窓口へ相談してみましょう。

    お住まいの地域の役所に訪問して直接相談したり、電話で連絡したりすることも可能です。

    相談を受けた窓口は、被害状況の調査を行い、原因や実情を把握したうえで会社側などに改善指導をしてくれます。


  • 都道府県の公害審査会

    公害審査会は、各都道府県で起きた騒音や汚染などの公害紛争の解決を担当している機関です。

    中立・公平な立場で当事者との間に入り、基本的には話し合いによる解決を促しています。

    主に行っている解決手段は以下の3つ。

    種類 概要
    あっせん 公害紛争処理機関が当事者間の自主的解決を援助、促進する目的で、その間に入って仲介し、紛争の解決を図る手続
    調停 公害紛争処理機関が当事者の間に入って、両者の言い分や要求を調整し、双方の譲り合いに基づく合意によって紛争の解決を図る手続
    仲裁 当紛争解決を公害紛争処理機関にゆだね、その判断に従うことを合意し、その判断によって紛争の解決を図る手続
    出典:2013年10月22日・政府広報オンライン『身近な公害問題を解決!「公害紛争処理制度」をご利用ください』


  • 公害等調整委員会

    公害等調整委員会は、都道府県の垣根を超えた広域事件や大気汚染などで被害者数が膨大かつ被害額が5億円以上の事件など、深刻な事件のあっせん、調停、仲裁を担当しています。

    また、損害賠償を求める「裁定」は公害等調整委員会のみが担当しているため、都道府県内のトラブルでも損害賠償の法的判断が欲しいときは公害等調整委員会に依頼することになります。

    裁定の内容 概要
    責任裁定 損害賠償責任の有無や賠償額を判断
    原因裁定 被害内容と加害者側との因果関係の有無を判断

④弁護士

弁護士は、個人と会社、両方のトラブルで使える相談先です。

法的な観点からアドバイスをしてくれるだけでなく、相手方との話し合いに同席して専門家の観点から問題点を指摘してくれます。

もちろん、民事訴訟を起こすときにも弁護士は必要です。

ただし、このときネックになるのが弁護士費用の負担。難しい案件になればなるほど弁護士費用が嵩んでしまいます。

そのようなときは、集団訴訟を行いましょう。

たとえば、被害者が複数いるマンションそのものの欠陥による騒音や鉄道や大規模工事の騒音などのトラブルだったら、被害者仲間で団結して訴訟を起こす集団訴訟を利用できます。

集団訴訟の場合、弁護士費用は被害者仲間で分割するため、費用を通常よりも抑えることが可能です。

騒音トラブルで集団訴訟となったケースでは、小田急電鉄の騒音トラブルがあります。

このケースでは被害者118人が集団訴訟を起こし、計5500万円の賠償金を勝ち取りました。(参照元:2014年7月31日・日本経済新聞「小田急騒音訴訟が和解 東京高裁、住民に5500万円支払い」)

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2.相談前に準備しておきたいものまとめ



相談するときには、状況を把握してもらいやすいよう、さまざまな証拠・情報を用意しておおきましょう。

どういったものを用意しておけばいいのか、ご紹介していきます。

①日記帳などの日々の記録

日々の記録を詳細に記載した日記帳やメモ帳を用意しましょう。

たとえば、以下のような情報がわかるとよいです。

・いつごろからその騒音がはじまったのか
・この騒音はどのくらいの期間続いているのか
・原因は何なのか
・1日のうち何時ごろから何時間続くのか
・すでに直接トラブルになっている場合、どういった被害を受けているのか

騒音の詳細や継続期間、付随する被害を記録しておくと、状況を理解してもらいやすくなります。

もちろん、こういった情報を後から思い出して紙にまとめてもいいのですが、「記憶違いでは?」と思われてしまう、また自身の勘違いが出てきてしまう可能性があるので、その場その場で記録した方が無難です。

②録音データ

実際の騒音の様子を録音・撮影しておくと、被害の実態を正確に把握してもらうことができます。

たとえば警察に相談する際、相手と直接話したときの音声も取ってもっていくと、「改善を求めたが認めてもらえなかった」という事実が明確になり、警察からの指導をしてもらいやすくなるかもしれません。

③証人の証言

実際の被害の様子を証言してくれる人から証言をとっておきましょう。

通常の相談ならここまでの準備は必要ないかもしれませんが、あっせんや調停などを受けたいと思っている場合は、自身の被害状況を裏付けるものをできる限り準備しておく必要があります。

④医師の診断書

精神的にストレスかかった、相手とのトラブルで怪我を負ったなどの場合、必ず医師の診断書をとっておきましょう。

自身の被害を明確にすることができます。


⑤騒音レベルを測定した数値

本格的に裁定や民事訴訟を起こし損害賠償を請求したい場合は、騒音レベルを測定しておく必要があります。

この数値は「受忍限度」と呼ばれる、耐え難い騒音かどうか判断する基準に使われます。国や自治体が定める受忍限度を超えていれば、その騒音は違法行為だと判断される場合があるでしょう。

裁判のように法的な判断を行うときには必要となるので、準備しておきましょう。

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3.騒音を規制する法律はないの?気になるポイント2つ



①工場などに対する規制

工場・店舗などの騒音は、「騒音規制法」という法律により規制されています。

規制レベルについて表にまとめました。

なお、この表では「主に住居用の区域」として定義されている区域での規制についてまとめています。そのほか、工業利用が主体となる地域については、こちらのパンフレット で確認してください。

特定工場・事業場
第1種区域
良好な住環境の保全により特に静穏の保持が必要な区域
昼間
45~50デシベル
朝・夕
40~45デシベル
夜間
40~45デシベル
第2種区域
住居用にも使われるため、静穏の保持が必要
昼間
50~60デシベル
朝・夕
45~50デシベル
夜間
40~50デシベル
特定建設作業
第1号区域
良好な住環境の保全により特に静穏の保持が必要な区域
騒音
敷地境界において85デシベルを超えない
作業時間
19時~7時の間に行わない
作業期間
1日10時間以内
連続6日以内
日曜・休日以外
自動車騒音
a区域
専ら住居用の区域
昼間
(6時~10時)

1車線
65デシベル
2車線以上
70デシベル
夜間
(22時~6時)

1車線
55デシベル
2車線以上
65デシベル
b区域
主に住居用の区域
昼間
(6時~10時)
1車線
65デシベル
2車線以上
75デシベル
夜間
(22時~6時)
1車線
55デシベル
2車線以上
70デシベル

  • 耳には聞こえない騒音もある

    掃除機の音や大声での会話など、おもわず「うるさいなあ」と思いがちな音だけが騒音というわけではありません。「低周波音」という、耳には聞こえない騒音があるのです。

    低周波音とは、人の耳では感じ取ることができないほど低い音のことで、日常生活で問題になることは滅多にありません。

    しかし、低周波音が発生すると、窓や家具がガタガタと揺れるなどの影響が出ることがあります。

    実際の事例として、港近くの民家で起きた低周波音の例があります。

    その民家では早朝、ふすまや人形ケースがガタガタと揺れるトラブルが続いており、住民が関係機関に相談しました。調査したところ、港に停泊している船のエンジンから出ている低周波が原因だったそうです。
    参照:環境省 水・大気環境局待機生活環境室「よくわかる低周波音」

②生活騒音など個人に対する規制

隣室・隣人などとの生活騒音トラブルの場合、迷惑防止条例などが規制に該当しますが、騒音規制法のように、強力に規制している法律はありません。

そのため、先ほどご紹介した「受忍限度」を超えている騒音かどうかが規制のポイントとなります。

ただし、騒音が傷害にあたると判断された事例もあります。

この事例では、ラジオの音声や目覚まし時計のアラーム音を大音量で鳴らし続けるなどして、近隣住民を慢性頭痛症や睡眠障害、耳鳴り症に陥らせたことが傷害にあたるとされました。
参照:裁判所 連日連夜にわたってラジオの音声や目覚まし時計のアラーム音を大音量で鳴らし続けるなどして慢性頭痛症,睡眠障害,耳鳴り症に陥らせた行為が傷害にあたるとされた事例(平成16年4月9日宣告)

なお、この事件では控訴審で懲役1年8か月が確定しています。


4.まとめ

  • 騒音トラブルは①管理側②警察③公的機関④弁護士に相談する

  • 相談前に、日々の記録などの騒音被害の状況を説明でき、客観的に見てわかりやすいものや情報を用意しておくとよい

  • 工場や建設現場への騒音規制はあるものの、個人への明確な規制はない。しかし、被害状況によっては加害者側に傷害罪が適用されるケースもある

おわりに

騒音は「耳栓をすれば我慢できる……」と思っている人もいるかもしれませんが、自分の意思とは関係なく、大小の音が鳴り響く環境は、意識していなかったとしてもストレスを蓄積していく可能性があります。

長期的にみれば、必ずしも良い環境とは言えないでしょう。

睡眠障害などさまざまな健康被害が引き起こされることも考えられますので、被害を我慢せずに、まずは相談してみてください。


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