この記事は以下の人に向けて書いています。
- 詐欺にあったが、どこに通報したらよいのかわからない人
- 通報先が色々ありすぎてわからない人
- 通報したが、上手く解決策が見つからなかった人
はじめに
「ネット通販で購入した商品が送られてこない」、「偽物が届いた」など、詐欺にあったときには、
これ以上の被害の拡大を防いだり、返金できる方法を探したりするために、まずは警察などの関連機関へ通報しましょう。
これにより結果的に損害を取り戻せる可能性があります。そうはいっても、詐欺にあった場合にどこへ通報するべきかわからず困っている方もいるかもしれません。
この記事では、詐欺にあったときの通報先や、通報しても対処方法がわからなかった場合について詳しく解説していきます。
1.ネット上で詐欺にあった!そんなときの通報先9つ
詐欺には、
振り込め詐欺や
フィッシング詐欺、送り付け詐欺などさまざまな種類があります。中でも詐欺にあいやすいのは、ネットを利用した詐欺です。詐欺にあった場合は、先に
通報の準備を整えてから関連機関に通報しましょう。
ここでは、準備と通報先をご紹介します。
①詐欺にあったかも…まずは証拠を集めておこう
詐欺にあった可能性がある場合は、まず証拠を集めましょう。
通報するためには、詐欺にあったことを証明しなければなりません。詐欺業者は、証拠隠滅のノウハウを持っており、対処が早い可能性もあるため、できるだけ早く証拠を押さえることが大切です。次のようなものが証拠となります。
・該当の通販サイトのURL
・該当の通販サイトのスクリーンショット
・業者名と連絡先
・購入したことを証明する購入履歴や明細書
通販サイトごと消される可能性もあるため、スクリーンショットは必ず撮っておきましょう。業者名と連絡先は偽物の可能性がありますが、何らかの役に立つ可能性があるため、押さえておくことが大切です。
②警察に相談する
事件に巻き込まれた場合は、警察に相談することが鉄則です。しかし、本当に詐欺にあったのかわからないため、警察に相談しづらいケースもあります。警察への相談に関して、パターン別に通報先をご紹介します。
- 相談窓口
詐欺かどうかわからないが何となく怪しさを感じている場合は、「#9110」の相談窓口に連絡しましょう。その地域を管轄する警察の相談窓口に繋がります。
必要に応じて、関係機関の紹介や、解決に向けてアドバイスしてもらえます。緊急を要する事件や事故は110ですが、緊急性のないものは#9110にかけましょう。むやみに110にかけると、他の緊急性のある事件や事故への対応が遅れる恐れがあります。
電話番号:#9110
受付時間:月曜~金曜8:30~17:15
休業日:土日祝(当直または音声案内)
- 都道府県警察のサイバー犯罪窓口
ネット通販詐欺やフィッシング詐欺など、ネット犯罪に関する相談ができる窓口です。詐欺にあったかどうかわからないケースにも相談できます。詐欺と判断できた場合は、今後どのように行動する必要があるのかなど、アドバイスをしてもらえます。各都道府県警察のサイバー犯罪窓口の連絡先は、こちらをご覧ください。
- 匿名通報ダイヤル(警察庁の民間委託業務)
匿名通報ダイヤルは、警視庁が民間に委託している業務で、通報者が民間団体に情報を提供し、その情報を警察に届けてくれる仕組みです。そして、民間団体から情報料が支払われます。ネット詐欺のような検挙が難しい事件の情報を集め、捜査に役立てることが目的です。ネット犯罪にあっていない、もしくはあいそうになった場合は、こちらに通報しましょう。
電話番号:0120-924-839
受付時間:月曜~金曜日9:30~18:15
休業日:土日祝
また、詐欺被害にあったことが明らかで、警察に捜査してほしい場合は、被害届を提出しましょう。被害届の書き方や提出方法については、こちらの記事をご覧ください。
③国民生活センターに相談する
国民生活センターは各地域にある消費生活センターのことで、詐欺被害にあった場合には、今後とるべき行動や再び被害にあわないための対策などをアドバイスしてもらえます。
また、
業者と和解できるようあっせんしたり、解決に向けて協力するよう業者に伝えたりも可能です。警察に被害届を受理してもらえなかったり、他の関係機関に相談しても解決に至らなかったりする場合に相談しましょう。
電話番号:188(いやや)
受付時間:地域で異なる
休業日:地域で異なる(年中無休、年末年始を除く窓口が多い)
国民生活センターに関して詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
- 越境消費者センター
越境消費者センターは、海外サイトや旅行ショッピングによる詐欺被害を通報できる窓口です。トラブル解決に向けて、業者に相談内容を伝えるなど、あっせんをしてくれます。
日本と国外での言葉の壁や法律の違いなどを踏まえ、納得できる形で解決できるよう努めてくれます。電話での相談は受け付けておらず、メールかFAXでの対応となります。メールはこちらから送りましょう。
FAXの場合は、こちらからFAX用相談記入用紙をダウンロードして印刷し、03-3443-8879に送ってください。
④その他、インターネット犯罪の通報窓口4選
他にも、インターネット犯罪を通報できる窓口が4つあります。それぞれの特徴をご紹介します。
- インターネットホットライン連絡協議会
インターネットホットライン連絡協議会は、消費者が安心してインターネットを利用できるように、警察や弁護士、プロバイダー、消費者相談窓口などとの連携や情報共有を目的として設立されました。
被害の内容に応じて、どこに相談すればいいのかがまとめられています。
悪質通販業者相談リストも公開されているため、詐欺にあったかもしれないが定かではない場合に確認するといいでしょう。
- インターネットホットラインセンター
インターネット詐欺などを通報することで、必要に応じて警察へ情報提供してくれます。そして、サイト管理者などに対し、詐欺に関わるサービスや情報の送信防止措置を依頼するなど対応が期待できます。相談は匿名でも可能です。こちらのフォームから相談しましょう。
- フィッシング対策協議会
フィッシング詐欺の情報提供ができる機関です。フィッシング詐欺は、有名サイトなどを暗示させる偽の広告文をクリックさせ、IDやパスワード、クレジット情報などを搾取する詐欺。
フィッシング対策協議会では、必要に応じて警察などへ情報提供も行っています。
通報の方法はこちらをご覧ください。
- 一般社団法人ECネットワーク
ネット詐欺被害に関して相談できる機関です。今後どのような対応をとるべきか、トラブル解決に向けてアドバイスしてくれます。
法的な強制力や法的なアドバイスの権限を持たないため、あくまでも今後の対応について相談したい場合に利用しましょう。相談はメールでのみ受け付けており、ここから送信できます。
2.ネット以外の詐欺ならどこに通報できる?ジャンル別窓口5つ
詐欺の手口は様々です。ネット以外で詐欺被害を受けたり、詐欺の確証がないが気になったりする場合に通報や相談ができる窓口をご紹介します。
①ネット以外の通販の場合は?
チラシやカタログを見て電話などで注文する通販で詐欺にあった場合は、
通販110番へ通報しましょう。
消費生活アドバイザーなどの専門家に相談できます。解決に繋がるように、関係機関と連携し、今後の対応についてアドバイスを得られます。また、
通販協会に所属している業者とのトラブルの場合は、業者に対してフィードバックをしてもらえるため、再び同じ被害にあうリスクを減らせます。
電話番号:03-5651-1122
受付時間:月曜~金曜日10:00~12:00、13:00~16:00
休業日:土日祝
メールフォーム(電話番号の記載は必須)
②サプリメントや健康食品の被害
サプリメントや健康食品によってトラブルが起きた場合は、次の関係機関に通報、相談しましょう。
- 健康被害を受けた
最寄りの保健所や製造メーカーに相談しましょう。また、身体の健康を取り戻すために、医療機関を受診し、適切な処置を受けることが大切です。その際には、診断書を発行してもらい、サプリメントや健康食品によって健康被害を受けたことを証明しましょう。いずれも、問題のあった健康食品やサプリメントを持参してください。
- 効果が現れなかった場合
特定保健用食品など、特定の効果が期待できることが広告された健康食品を摂ったが効果を実感できなかった場合には、保健所や製造メーカーに相談してください。
なお、通常のサプリメントや健康食品については、そもそも身体の変化をもたらす効果の広告が認められていないため、そのような広告を見つけたら、厚生労働省のこちらから通報しましょう。
また、サプリメントの効果について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
③美容整形などの誇大広告に騙されたら?
実際よりも優れた商品やサービス、施術に見せたり、お得感があるように見せたりすることは、景品表示法違反に該当する恐れがあります。
- 消費者庁に通報する
誇大広告に関する情報は、消費者庁に伝えましょう。紛争解決の仲介などはできませんが、情報提供によって誇大広告を打っている業者が取り締まられ、再び被害にあうリスクを減らせる可能性があります。こちらのフォームから通報しましょう。
- 日本広告審査機構(JARO)に通報する
広告主や出版社、広告会社などによって設立された機関です。消費者からの通報や相談によって寄せられた情報をもとに、広告を審査したり改善を促したりします。
電話番号:03-3541-2811(東京)、06-6344-5811(大阪)
受付時間:月曜~金曜日9:30~12:00、13:00~16:00
休業日:土日祝
誇大広告について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
3.通報しても解決できなかったら、自分でできること2つ
関連機関に相談や通報をしても解決できなかった場合には、
「クーリング・オフ制度」の利用や、弁護士への相談などの対策をとりましょう。それぞれ、詳しくご紹介します。
①「クーリング・オフ」制度を使ってみる
「クーリング・オフ」は、訪問販売や電話勧誘などによって、冷静に考える間もなく契約してしまって後悔する消費者を救済すべく導入された制度です
クーリング・オフの条件を満たすことで、一定期間内に限り、消費者側から一方的に解約できます。
内容を記録できる特定記録郵便を利用して、クーリング・オフを業者に申し込むだけで解約できるため、トラブルを早期に解決できるのです。ただし、ネット通販で購入した商品やサービス、開封後の食品などにはクーリング・オフを適用できません。
クーリング・オフの方法について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
- ネット通販の場合はどうしたらいい?
ネット通販の場合は、返品特約が記載されていないか確認しましょう。返品特約が明示されていない場合は、商品が到着した日から8日以内であれば返品できます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
②弁護士に相談する
弁護士には、返金が可能になった場合の複雑な手続きの代行を依頼できるため、
手続き失敗によるリスクを抑えられるでしょう。
さらに、悪質な業者の場合には訴訟を起こすことも検討できます。詐欺に詳しい弁護士に相談しましょう。弁護士は、日本弁護士連合会(日弁連)の
ウェブサイトから検索できます。
- その被害は、あなただけではないかも?
詐欺のターゲットは複数人であることが多いため、自分以外にも被害者がいるかもしれません。
仲間を見つけることで、トラブル解決に向けて積極的に動けるようになるでしょう。また、集団訴訟も検討できるようになります。
集団訴訟については、「集団訴訟ってなに?普通の訴訟との違いは?4つの特徴と事例を紹介」をご覧ください。
4.まとめ
- 詐欺にあったかどうか微妙なときは、#9110などに相談することで、過去の事例から詐欺の可能性を教えてもらえる
- 詐欺の内容に応じて、消費者庁や国民生活センターなど相談・通報先を選ぶことが大切
- クーリング・オフを利用できないか調べて、利用できる場合は期間内に手続きをする
おわりに
詐欺にあった可能性がある場合は、証拠を隠滅される前に通報しましょう。
詐欺にあったかどうかわからない場合は、窓口に相談してください。詐欺の種類などに応じて、専門機関のサポートを受けて、トラブル解決に向けて動きましょう。場合によっては、弁護士に依頼して、返金手段や訴訟も検討してみて下さい。