増える「オリンピック詐欺」の3大手口!予防の心構え&相談先を紹介

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投稿日時 2019年03月11日 19時03分
更新日時 2019年03月11日 19時15分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • オリンピックに関する詐欺についてニュースなどで知った人

  • 知り合いなどからオリンピックに関する投資などの噂話を聞いた人

  • 東京オリンピックを見に行こうと考えている人

はじめに

オリンピック機運が高まるに連れて増えるオリンピックに乗じた詐欺被害。「オリンピック」という特別なイベントへの高揚感から、疑いもなく騙されてしまうケースが多いようです。

せっかくの楽しい祭典で嫌な思いをしないためには、手口を知って自衛することが大切。この記事では、オリンピック詐欺の手口と対策、そして万が一トラブルに巻き込まれた際の相談窓口を紹介します。

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1.東京オリンピックに関する詐欺の手口3つまとめ



オリンピック関連の詐欺は、おおまかに下記3つの種類に分類できます。

手口 特徴
①投資に関する手口 「オリンピック需要で必ず儲かる」ともちかけ、存在しない事業への投資を行わせる
②チケットに関する手口 チケットの優先販売という名目でお金を騙し取る。「今だけ、あなただけ」と、限定であることを強調することも
③振り込め詐欺に関する手口 銀行員や警察、弁護士など権威ある職業を騙って、現金の振り込みやキャッシュカードの引き渡しなどを迫る。

いずれもオリンピック以外の名目で行われることも多く、その手口は年々複雑になっています。順番にくわしく解説していきましょう。

①投資に関する手口

  • 手口

    「オリンピック需要で今後必ず価値が上がる」などとして、投資を持ちかける手口です。

    オリンピック関連グッズを扱う企業を装うケースや、「あなたの住んでいる地域限定で、社債の購入権が当選した」などとして購入をうながすパターンがあります。

    また、一度購入をうながす電話をかけたあと、別人を装って「投資した商品を高額で買い取る」などと持ちかけることも。

    これはいわゆる「劇場型」と呼ばれるパターン。疑っている業者以外から連絡することで信ぴょう性を高め、警戒心をなくさせる手法です。


  • 対策

    他人から持ち掛けられた投資はすべて詐欺だと思うようにしましょう。

    近年は電話だけでなく、知人や友人の勧誘がもとで投資詐欺の被害にあうケースも頻発しています。

    人の言葉に流されるまま自分のお金を預けるのは、詐欺か詐欺でないか以前に、非常にリスクの高い行為。相手に急かされるまま即断即決せず、本当にそれがいまの自分に必要なのか、そのお金は失ってもいいお金なのか、よく考えるようにしましょう。

    また、連絡先が実在する企業なのかを確かめるのも大切です。相手が実在企業になりすましているというパターンもあるため、相手から知らされた連絡先ではなく、インターネットなどで自分で調べた連絡先に問い合わせるようにしましょう。

    投資詐欺の手口や見分け方については、以下の記事でも詳しく解説しています。


②チケットに関する手口

  • 手口

    これから増加すると予想されるのが、オリンピックのチケットに関する詐欺です。

    まずはチケットの転売を持ちかけるというケース。

    すでに報じられている例として、「あなたにチケットの優先購入枠があたった」と電話が来たあとに、別の人物から「購入金額以上の値段で買い取るので、いったん代理で購入してほしい」と依頼されるというものがあります。

    また、加害者が「無料チケットがあたった」というメールを送って被害者を不正サイトへアクセスさせ、個人情報を抜き取るというフィッシング詐欺も起きています。
    (出典:日本経済新聞「『五輪チケットあげる』メール詐欺か」)


  • 対策

    東京オリンピックのチケット販売は、2019年春に抽選申し込みが開始され、6月中旬以降に抽選結果が発表されます。(参考:東京オリンピック公式サイト)。

    このスケジュールよりも早い時期に「チケットが買える」と言われたら、詐欺である可能性が高いといえるでしょう。

    また、2019年の6月14日に施行される「チケット不正転売禁止法」により、東京オリンピック・パラリンピックのチケットの転売はすべて違法行為となります。(※公式サイトのリセールサービスの利用などを除く)。

    詐欺であってもなくても、チケット転売の話には乗らないのが賢明だと言えるでしょう。

    さらに現状、オリンピックのチケットは購入者本人しか使えないような対策をとられると予想されています。転売チケットを購入してもそもそも入場できない可能性が高いことを覚えておいてください。

    公式チャネル(公式チケット販売サイト、公式チケット販売所、公式販売事業者)以外のサイトからの購入は控えるようにしてください。突然無料チケットが当たるなどということもまずないので、こうしたメールのリンクは、安易にクリックしないようにすることも大切です。

③振り込め詐欺に関する手口

  • 手口
    東京オリンピックに乗じて「銀行のキャッシュカードを更新する」と言って騙し取るケースや、身に覚えのないチケットのキャンセル料を請求されるケースなどがあります。

    2019年2月には、「東京オリンピックに向けて悪意ある訪日外国人も増えるので、セキュリティの切れた古いカードを回収している」と銀行員を装った男性から電話があり、高齢者がキャッシュカードを騙し取られた事件が報じられました。

    (出典:朝日新聞デジタル「『東京五輪に向け古いカード回収』詐欺容疑で少年ら逮捕」)

    ほかにも、「オリンピック財団」「オリンピック協会」を名乗る組織の人物から身に覚えのないチケットの大量購入を告げられ、キャンセル料を請求される……といった手口も。

    手の混んだものだと、「申し込んでいない」と答えた後に、別の人物から「あなたの個人情報が不正に利用されている」と連絡があり、弁護士を名乗る人物から解決金を求められるといった場合もあります。


  • 対策

    「お金を振り込んで」と言われたら、まずは自分で事実関係を確かめましょう。

    警察や弁護士を名乗る人物からの電話でも焦らず、相手の所属や名前を聞いて、こちらから掛け直すことが重要です。その際、相手に言われた番号にかけるのではなく、インターネットなどで調べた連絡先に連絡するようにしてください。

    また、銀行や警察が個人の自宅までキャッシュカードを受け取りに行ったり、暗証番号を聞き出したりすることはありません。少しでも怪しいと思ったら、消費者ホットライン(局番なしの188)や警察相談専門窓口(#9110)に相談してください。

    振り込め詐欺の手口については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。


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2.もしトラブルにあったら?困ったときの相談先3つ



もしかして詐欺かも……。少しでもそう思ったら、まずは専門機関に相談しましょう。詐欺被害にあった時は、動き出しがとにかく大切。詐欺かもしれないと疑った時点で行動を起こすようにしてください。

この章では、詐欺かもしれないと思った時に相談すべき窓口を紹介します。

①消費者ホットライン

怪しいと思った時に、気軽に相談できる窓口が「消費者ホットライン」。局番なしの188にかけると、全国どこからでも最寄りの消費生活センター等につながります。

どこに相談すべきか迷ったら、まずはここを頼るとよいでしょう。

消費者生活センターが開所していない土日祝日は、国民生活センターに電話が繋がるため、年末年始を除いて原則毎日利用できます。

話し中で繋がらない場合は「平日バックアップ相談」も利用できます。気軽に相談できる体制が整っているので、少しでも不安に思ったら、まずは相談してみましょう。

受付番号:188(全国共通)
受付時間:平日9:00~17:00、土日祝日10:00〜16:00など
※相談窓口によって受付時間が異なります。最寄りの相談窓口が開所していない場合は、都道府県の消費生活センター等につながるか、市区町村の相談窓口の電話番号と受付時間が自動音声で流れます。

②警察相談専用電話

相談専用電話番号は、110番と違って緊急性がない場合や事件性があるか判断がつかない場合の相談窓口です。

電話をするときは、相談したい内容に関わる証拠をあらかじめ集めておくと、スムーズに状況を説明できます。

たとえば、会話の録音データなど相手とのやり取りを記録したものや、受け取った書類、経緯を詳細にメモしたものなどがあれば用意しましょう。相談する際には、できるだけ多くの証拠を集めてください。

受付番号:#9110
受付時間:平日8:30~17:15

③法テラス・サポートダイヤル

法テラス・サポートダイヤルは問題解決に役立つ法制度や手続き、適切な相談窓口を無料で案内している相談窓口です。

また、法テラスでは相談内容に応じて弁護士の紹介も行っています。

弁護士は、警察に被害届を受理してもらえなかった、加害者に返金交渉をしたい、加害者に民事訴訟を起こし返金要求をしたい、といったときに力になってくれるので、まずは相談してみましょう。

受付番号:0570-078374
受付時間:平日9:00~21:00、土曜日9:00〜17:00
※祝日を除く

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3.まとめ

  • オリンピック関連の儲け話は詐欺の可能性大。相手が信頼できるかどうか、お金を払う前に調べよう

  • 少しでも怪しいと思ったら専門機関に相談。早期の行動で解決の可能性は高まる

おわりに

オリンピック前の盛り上がりに合わせて増えることが予測されるオリンピック詐欺。年々巧妙化していく詐欺の手口ですが、慌てずに事実を確認することが最も基本的で重要な対策です。

相手の言葉を鵜呑みにせず、自分の目や耳で信頼できる情報なのか確認するようにしてください。


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