内容証明の書き方は?記載ルールや素朴な疑問7つをわかりやすく解説

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投稿日時 2019年01月17日 18時49分
更新日時 2019年01月18日 18時40分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • クーリング・オフを行うために内容証明を書きたい人

  • 内容証明の書き方や規定について知りたい人

  • 簡単に内容証明を作成する方法があるのか気になる人

はじめに

内容証明郵便は、いつ、誰が、どのような文章を、誰に送ったのかを日本郵便が証明してくれ特別な郵便のことです。契約解除の通知や相手への要求など、何かしらを通知した事実を証拠として残しておきたいときに利用します。

「内容証明郵便って書くのは難しそう……」

そう思う人もいるかもしれませんが、内容証明は個人でも作成することができます。

そこでこの記事では、内容証明の書き方や素朴な疑問について解説していきます。


1.内容証明ってどんなもの?文字数・行数の規定



内容証明は、商品の購入契約を解除するクーリング・オフや会社へ未払い残業代の支払いを求める請求通知など、さまざまなシーンで使われます。

内容証明の詳細については、こちらの記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてください。


一般の人でも内容証明を作成することは可能ですが、様々な規定があり、それを守っていない文書は内容証明として認めてもらえません。

以下で詳しくご紹介します。

①書き方のテンプレート

内容証明に書く内容としては、

・表題
・それが起きた月日を含む内容
・要求(返金や支払い)
・お金が絡む場合は振込先の銀行口座
・作成した日時
・差出人の住所・氏名
・受取人の住所・氏名

などがあり、用途によって記載内容を変えていきます。

たとえば、クーリング・オフの内容証明は、以下のような書き方になります。


こうした内容の文章を作成します。

また、内容証明は封書で出すため、はがきなどではなく、ある程度の大きさの紙に書きましょう。用紙に規定はありませんが、郵便局などで内容証明用の用紙も販売されているので、気になる人はチェックしてみてください。

②文字数の規定

内容証明を作成するときは、送付用1通と差出人用1通(謄本)、郵便局用(謄本)1通の計3通分を作成する必要があります。

差出人と郵便局がそれぞれ保管する謄本と呼ばれる文書には、文字数や行数に制限があります。なお、この制限は謄本に関してのみであり、相手に送る内容文書には、文字数・行数の制限はありません。

ただ、基本的には内容文書と謄本を一緒に作ってしまったほうが書き漏れもないため、同じものを作成するケースがほとんどです。

謄本の文字数・行数の規定は以下の通りです。

縦書きの場合 1行20字以内、1枚26行以内
横書きの場合 1行20字以内、1枚26行以内
1行13字以内、1枚40行以内
1行26字以内、1枚20行以内

③文字の規定

文字数を合わせれば大丈夫!……というわけではありません。

内容証明は、どういう文字を何文字として数えるのかという文字数の規定があります。これを把握しておかないと、「文字数の規定を守った!」と思っても、実は1行の文字数がオーバーしている可能性があります。

以下、それぞれ解説していきます。

  • 記号は1個1文字

    たとえば、%や&といった記号は1文字でカウントされます。

    一方、kgやm2などのアルファベットを使った単位はそのままの文字数、つまりkgとm2はそれぞれ2文字です。

    ただし、括弧は上下(横書きの場合は左右)を全体として1字とし、上(横書きの場合は左)と下(横書きの場合は右)で行が分かれた場合は、上の括弧がある行の字数に算入します。

    つまり、括弧の数え方のルールは以下のようになります。

    例文 文字数
    (あいうえお) 6文字
    1行13文字(これは例文で 13文字
    す。)で書く。 6文字
    「おはようございます」 10文字
    私は「そのようなものは必要 13文字
    ない」と言いました。 9文字

  • 文字を囲む記号は枠も1文字

    たとえば、①は〇の枠も1文字と数えるため2文字、⑳は3文字となり、強調するために使う□での囲みなども同様に数えられます。

    つまり、枠に該当するものはそれだけで1文字、中身の文字は書かれている文字数分となります。

  • 項目は1文字

    いままでご紹介してきたルールに沿うと、①や(1)は、通常では2文字ですが、項目として使用する場合は1文字として数えます。

    たとえば、

    (1)契約内容
    私は貴社から〇月〇日、こういった商品の購入を……
    (2)要求
    上記、商品の購入契約を解除したい

    といったように、項目として(1)を使えば1文字ということになるのです。

    つまり、上記の「(1)契約内容」は5文字ということになります。

  • 英語は使えない

    固有名詞としての英語は使えますが、文章としての英語は使えません。

    つまり、商品名で「PEACE」というものがあった場合は使えますが、「彼がThis is a penと言った」という内容では使うことができないので、注意してください。


2.これってどうなの?内容証明の基本ルールQ&A7つ



内容証明について「これはどうなの?」と思うちょっとした疑問にお答えしていきます。

①Q.パソコンで作ってもいいの?

手書きでもパソコンでも問題ありません。最近では、手書きで3部作るよりもパソコンで作ったものを3部印刷したほうが間違いもなく、確実なので、パソコンで作成する人が増えています。

また、手書きの場合は、文字の読みやすさが個人の書く文字によって異なるため、「届いたが字が読めない」というケースも考えられます。

パソコンで作成した文書の場合は、そうした心配がないので、もしも自分の文字に不安がある場合はパソコンを使って作成してみましょう。

②Q.鉛筆やシャープペンシルで書いてもいいの?

筆記用具に縛りはないため、鉛筆やシャープペンシルで記載しても問題はありません。

ただし、こすれて文字が読めなくなる心配のないボールペンでの記載が一般的です。

「内容証明は届いているがこすれていて読めなかった」と相手に言われないよう、手書きの場合はボールペンで記載するようにしましょう。

③Q.ポストに投函してもいいの?

内容証明は、郵便局の窓口を利用します。ポスト投函では内容証明とはなりません。

また、窓口を利用する際は、作成した文書を確認してもらう必要があるので、封筒には封をせず、中身を確認してもらえるようにしておきましょう。

④Q.何か書いてはいけない用語はあるの?

「この言葉は書いてはいけない」という明確なルールはありませんが、一般的に好ましくないとされる表現は使わないようにしましょう。

また、「これをしない場合は強制的にこういった手段にでる」という内容を高圧的に書いてしまうと、こちらが相手に脅迫罪で訴えられる可能性があります。

もしも内容証明でのやりとりやその後の交渉がうまくいかず訴訟になった場合、「このような不適切な表現を使ってきた」「高圧的に通知してきた」などと相手に主張され、こちらの信用性が低くなることも考えられるため、できるかぎり丁寧な表現をするようにしてください。

また、当然ですが嘘を書いてもいけません。

嘘の内容でお金を要求する内容証明を出した場合、詐欺罪になる可能性があり、内容証明はその証拠になってしまいます。

必ず、事実に基づいて書きましょう

⑤Q.枚数に制限はあるの?

枚数には特に制限がありませんが、ページ数が増えるほど料金がかさんでいきます。

謄本の枚数が2枚以上になる場合は、そのつづり目にまたがるように押印する「契印」をしてください。

内容証明郵便の基本的な料金は、

郵便物の料金+一般書留の加算料金+内容証明の加算料金

です。

内容証明の加算料金は、枚数によって変動します。もちろん、枚数が増えるほど重さも加算されるため、郵便物の料金も上がっていきます。

料金規定については、日本郵便のウェブサイトを確認してください。

⑥Q.訂正するときはどうすればいいの?

間違えた文字の上に二重線を引き、もともとの文字がわかるようにしておきます。その横に正しい文字を書き、欄外に「〇行目〇字削除、〇字加入」などと記載して押印をします。

このように、訂正しなくてはいけないケースがあるため、内容証明郵便を郵便局に出しに行くときは、自分の印鑑を必ず持っていきましょう。

⑦Q.内容証明と一緒に使えるサービスはあるの?

配達証明本人限定受取などを一緒につけて内容証明を送ると便利です。

配達証明は、いつ郵便物を配達したのか、日本郵便が証明してくれるサービスです。内容証明は「出した」ことは証明できますが、「届いた」かまでは証明できません。

そのため、内容証明を出すときは、配達証明も一緒につけるのが一般的です。

本人限定受取は、郵便物の宛先の人にのみ郵便物を渡すサービスです。

個人宛に内容証明を送る場合、送り先に家族も一緒に住んでいると「家族が受け取り、捨ててしまった」などと言い逃れされる可能性があります。

本人限定受取をつけておけば、そうした言い逃れの心配がありません。


3.自分で作成するのは難しい……ほかの方法は?



「ルールはわかったけど、自分で書くのは大変……」

そんな人のために、自分で紙に書く以外の内容証明作成方法をご紹介します。


①電子内容証明サービスを利用する

電子内容証明サービスは、インターネットで内容証明を作成できるサービスのことです。

24時間いつでもインターネットを使って内容証明を出すことができ、無料の会員登録で利用できます。

郵便窓口から紙の文書を送る内容証明の場合、文字数が決められていますが、電子内容証明サービスは文字数が定められていません。そのため、文字数を気にせずに作成でき、紙の文書よりも枚数が少なくてすむため、郵便よりもコストを抑えることも可能です。

こうしたメリットについては、日本郵便のウェブサイトで詳しく解説しているので、参考にしてください。

②弁護士に依頼する

弁護士に依頼する場合、内容証明の作成代行だけでなく、弁護士の名前で内容証明を出してもらうことも可能です。弁護士の名前で出された内容証明は、通常よりも相手にプレッシャーをかけることができ、スムーズに交渉が進むことが期待できます。

また、弁護士を間に挟むため、自分で相手とやりとりせずに済み、複雑な交渉を専門家にやってもらえます。

ただし、弁護士の名前で内容証明を出してもらうときは3万~5万円ほどコストがかかるため、まずは相談をしてみましょう。


4.まとめ

  • 内容証明郵便は、差出人と郵便局が保管する謄本という文書に文字数や行数の表記規定がある

  • 内容証明郵便を出すときは、郵便局の窓口にいく。その際、封書は封をせずに中身を確認できる状態で持っていき、誤字脱字があったときのために印鑑も持参する。

  • 紙の文書での作成が難しい場合は、インターネットを使って内容証明を送る電子内容証明サービスを利用したり、作成そのものを弁護士に依頼する。

おわりに

内容証明は、表記のルールが明確にされていますが、自分ひとりで作成することは難しいかもしれません。

そんなときは、弁護士などの専門家に依頼してみましょう。


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