詐欺対策まとめ!被害の多い4つの手口別に対策法と防犯グッズを紹介

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投稿日時 2019年03月22日 18時29分
更新日時 2019年03月25日 10時46分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 詐欺などのニュースを見て自分も被害にあわないか不安な人

  • 高齢者の親などが詐欺の被害にあわないよう対策をとりたい人

  • 万が一詐欺の被害にあったときの相談先を知りたい人

はじめに

警察庁が発表した2018年の特殊詐欺の件数は16,493件、被害額は356.8億円(いずれも暫定)に上ります。(参考:警察庁「平成30年における特殊詐欺認知・検挙状況等について」)

2017年に比べると件数・被害額ともに下がってはいるものの、依然として多いのが現状。ニュースでも連日のように取り上げられ、身近な犯罪であることに変わりありません。

そうした状況から、最近では工夫が凝らされた詐欺対策グッズが多数販売されています。

この記事ではさまざまな詐欺の手口を解説しながら、被害を防ぐためのグッズをご紹介。自分や家族の身と安全を守るための参考としてみてください。

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1.被害の多い「振り込め詐欺」の対策はコレ!対策と防犯グッズ3選



詐欺の中でもいまだに猛威をふるっているのが、言葉巧みにターゲットを誘導し、指定の口座に送金させる振り込め詐欺です。

警察や銀行が注意喚起しているためか、今は振り込まない振り込め詐欺も横行。2019年1~2月には東京都で、事前に電話して資産状況などを聞き、その後直接自宅に押し入って金品を奪うアポ電強盗も発生しました。

この章では、凶悪化しつつある電話を使った詐欺から身を守るために、特に持っておきたい心構えと最新の対策グッズをご紹介します。

①事前にこれだけおさえよう!詐欺を防ぐための心構え

電話を使った振り込め詐欺の被害にあわないようにするために、次の心構えを持ってください。

・自分もだまされる可能性があると自覚する

・知らない番号からの電話は取らない

・どんな人であれ、怪しいと思ったら一度切る

・無視できないと思ったら、自分から家族・警察・公共機関などに連絡して相談する

以上のことは、ご家族にも伝えておきましょう。

特に近年、住所や資産状況を聞いたあとで強盗に押し入る、いわゆる『アポ電強盗』が横行しています。疑わしい電話は「断る」のではなく「話さない」よう心がけましょう。詐欺電話相手に長々と話したり、自分で解決しようとするのは控えてください。

また、家族間で第三者に特定されにくい合言葉を決めたり、電話番号が変わったら必ず口頭で伝えるなどのルールも決めておくこともベター。

加えて、「合言葉は間違っていたけど、もしかしたら本当に息子かもしれない……」とならないように、ルールが守れていなかったら例え本人であってもいったん切ってから折り返す……と決めておくのもよいでしょう。

②人形で振り込め詐欺を防止?最新対策グッズ3選

次に被害を防ぐための対策グッズをご紹介します。最新の商品を3種類ピックアップしたので、購入を検討してみてください。

  • 詐欺バスター

    警察が監修している対策グッズです。

    ボタンを押すと「合言葉を言ってください」「この電話の内容をすべて録音しています」などが流れるのが特長。犯人が切羽詰ったように話してきたり高圧的な態度を取ってきても、はっきり自分の意思を伝えることができます。

    価格は734円(税込)。製造しているLEADWORKS(レッドワークス)の公式オンラインストアのentrex(アントレックス)から購入が可能です。


  • かんたんスマホ(型番:705KC)

    ソフトバンクとウィルコム沖縄が提供している、携帯電話サービス「Y!mobile(ワイモバイル)」から発売された高齢者向けのスマートフォンです。

    振り込め詐欺対策機能として迷惑電話をブロックするアプリ「迷惑電話対策」機能を標準搭載しているのが特長。危険な電話番号から着信が来たときや、こちらから発信するときに警告を表示してくれます。アプリの利用料はかかりません。

    本体はワイモバイルショップや量販店などのY!mobile取扱店、公式サイトで販売中です。

    ただ一方、高齢者がスマートフォン契約の際に高額のオプションをつけられるなどのトラブルも頻発しています。契約時には家族が同席するなどの対策をとりましょう。

    携帯電話契約時に起こりがちなトラブルとその対処法については、下記の記事でも紹介しています。



  • あんしんみーちゃん

    見た目は女の子の人形ですが、株式会社パートナーズが静岡警察と共同して開発した対策グッズです。

    電話が鳴ると胸のブローチが点滅して警告し、「この電話、振り込め詐欺かもしれませんよ、注意してね」「電話でお金の話をしてきたら、きっとサギだよ」など9種類のメッセージで注意を促してくれます。使っている電話機のスピーカーにシールでマイクを貼るだけで設置できるのも特長です。

    価格は6800円(税込)で、公式サイトで購入可能。

    本体は単3アルカリ乾電池4本で動きますが、充電切れの心配がない電源コードが付いた「あんしんみーちゃん・ACアダプターセット」(税込8420円)や、さらに録音機能などを搭載したランドセルも付いた「あんしんみーちゃん 撃退セット」(税込10584円)も販売されています。

    もしご年配の方に使ってもらいたい場合は、使用方法をわかりやすく説明してあげましょう。

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2.架空請求に訪問販売…ほかにも気を付けたい手口3選と対策



代表的な振り込め詐欺以外にも、さまざまな手口が身近に潜んでいます。

その中でも、家族が被害に巻き込まれやすい

①ワンクリック詐欺
②訪問販売に関する詐欺
③ネット通販詐欺

の手口と対策について、それぞれご紹介していきましょう。

①ワンクリック詐欺

特定のリンクをクリックしたユーザーに「登録が完了しました」と画面を見せ、登録料金やキャンセル料などと称してお金をだまし取る詐欺です。インターネットに不慣れなことを利用した詐欺で、子どもや高齢者が被害にあう可能性があります。

  • 手口

    ウェブサイトを閲覧しているユーザーに興味のあるタイトルや広告を見せ、アクセスを誘発。クリックすると「ご登録ありがとうございます」という画面を見せ、法外な登録料金を請求してきます。

    その際、「登録をキャンセルしたい人は電話してください」と特定の番号に掛けさせようとするのもよく見られる手口です。電話をしてきたターゲットには、キャンセル料という名目でお金を要求してきます。


  • 対策

    ワンクリック詐欺には、次の対策が有効です。

    1.SCAM DETECTORに登録画面(請求画面)を送る

    はがきや請求書、メールの画像をLINEで送ると、AIが過去のデータから架空請求かどうかを瞬時に回答してくれるアプリです。判別が難しい場合は、24時間以内に弁護士が代わって返信をしてくれます

    登録料や利用料は0円。LINEの友だち追加をすればすぐに使えます。


2.Googleファミリーリンクで未然に防ぐ

親の端末と子どもの端末に入れておくことで、アプリや利用時間を親が管理できるようになるアプリです。例えば課金が必要なゲームのダウンロードを子どもがしようとしたときに、親の端末からブロックすることができます。

アプリのダウンロードはこちら。登録料や利用料はかかりません。

②訪問販売に関する詐欺

犯人が直接自宅に訪問してくるパターンです。

これまでは言葉巧みに相手をだますことがほとんどでしたが、先ほどご紹介したアポ電強盗のような危険なケースも出てきており、防犯対策の重要性は高まっていると言えるでしょう。

  • 手口

    訪問による主な詐欺と手口は次のとおり。

    詐欺名 手口
    リフォーム詐欺 「あなたの家は耐震基準を満たしていない」と嘘を言って強引に工事の契約をさせ、その後ほとんど意味のない工事を行って高額な費用を請求してきます。
    投資詐欺 必ず儲かるという嘘の投資話を持ちかけてお金をだまし取る詐欺。訪問するパターンでは、契約させるまでなかなか帰らないということもあります。
    アポ電強盗 事前に資産状況や家にいる人数などを聞き出したあと、警察官になりすまして訪問。ターゲットがドアを開けた瞬間に押し入り、金品を奪っていきます。


  • 対策

    これらの訪問に関する詐欺への対策をご紹介します。

    1.音声検知録音を使う

    音声を認識して自動的に録音するレコーダーです。「忘れると困るので録音させてください」と言ったとき、もし嘘の内容で契約に持ち込もうとしていた犯人であれば、証拠が残ることを恐れて立ち去るはず。「ここだけの話だから……」と録音をやめさせた上で契約の話をしてくるようなら、詐欺の可能性が高いとみていいでしょう。

    MEDIK(メディク)が作るモバイルバッテリー&ボイスレコーダー「VR-MB500」など、一見録音機器とわからないようなグッズで犯人に気づかれずに録音するのも有効です。


    2.ダミーカメラを設置する

    本物の防犯カメラとそっくりな偽物のカメラです。価格が本物の10分の1以下で、費用を抑えられるのが特長。撮影はできませんが、精巧な造りのものが多く犯人を威嚇することができます。

    ポイントは、屋外によく設置される長細い箱のような形をしたバレット型を選ぶこと。本物のカメラは電源配線がついているので、ダミー配線も一緒に設置することです。


    3.録画機能付きインターホンに変える

    チャイムを鳴らすとカメラが作動し、訪問してきた人の姿を数秒~十数秒間、録画してくれるインターホンです。顔を覚えられたくない犯人に対して十分な牽制になります。

    広角レンズを搭載したものや子機付きのものなど、種類はさまざま。2019年6月には、パナソニックからドアホンで応答する前に名前と用件を確認できる「あんしん応答」機能を搭載したテレビドアホンも発売されます。(プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMES「テレビドアホン VL-SZ35KFを発売」)

    また大阪府警では、2016年から特殊詐欺対策の一環として、さまざまな施設と連携しています。2019年2月には、より地域に密着して対策をしていくために、個人宅を訪ねる機会の多い保険会社が初めて選ばれました。(讀賣新聞「<なくせ!特殊詐欺>高齢者被害「訪問」で抑止」)

③ネット通販詐欺

自宅から出ることなく好きな商品を購入できるのがネット通販のメリットです。

しかしその利点を逆手に取り、購入金額をだまし取る詐欺が横行しています。

  • 手口

    ありがちなパターンは、購入代金を払ったのに商品が届かないというもの。相手に問い合わせると「発送した」の一点張りで、まともに応じてくれないこともあります。

    「偽物の商品が来た」「外箱だけが届いてきた」というのもよく見られるケースです。


  • 対策

    ネット通販詐欺の対策を2種類紹介しましょう。

    1.詐欺ウォールをインストールする

    ネット詐欺専用のセキュリティソフトです。インストールしておくと、「AI」「公的機関から入手したブラックリスト」「サイトの構造や特徴の解析」という三つの検知方法で、詐欺サイトかどうか自動で見抜いてくれます。

    対応OSはAndroid・iOS・Windows。通常価格は3024円(税込)で、ソフトはこちらから購入できます。


    2.消費者庁の悪質な海外ウェブサイト一覧を見る

    消費者庁では、模倣品を販売していたり詐欺サイトの疑いがある海外のウェブサイトを公表しています。怪しいと思ったウェブサイトはURLをコピーし、一覧にあるか検索機能を使って確認してみましょう。

    この一覧に掲載されていなくても、正確な運営情報が記載されていなかったり日本語の表現が不自然な場合は、利用しないほうが無難です。

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3.それでも詐欺にあってしまったら…?困ったときの相談・通報先



詐欺というのは、対策が練られるほどに手口が巧妙化するものです。

心構えを持ったり対策グッズを準備しても、100%回避できるわけではありません。

最後の章では、自分や家族が詐欺にあってしまったときの相談先や通報先をご紹介します。

①まずは金融機関に相談!

詐欺だとわかったらすぐに金融機関に相談しましょう。状況によって通報先が変わるので注意してください。

  • お金を振り込んでしまった場合

    犯人の口座を管理している金融機関に連絡し、「詐欺に使われた可能性があるから凍結してほしい」と伝えてください。

    銀行であれば全国銀行協会のウェブサイトに載っている各銀行の詐欺被害者専用ホットラインです。そのほかの金融機関であれば、各ウェブサイトの相談窓口となります。


  • キャッシュカードや通帳を渡してしまった場合

    自分の口座を管理してる金融機関に連絡し、止めてもらうように依頼してください。口座に預金がなくても、別の詐欺の振込先口座に使われる恐れがあるので速やかに通報しましょう。

    またすでに犯人がお金が引き出したあとでも、一部の銀行であれば補償してくれる可能性があります。詳しくは各銀行に問い合わせてみてください。

    主な金融機関の問い合わせ先を紹介します。

    問い合わせ先 電話番号・受付時間
    三菱UFJ銀行
    (振り込め詐欺救済法照会ダイヤル)
    0120-860-413
    平日9:00~17:00
    三井住友銀行
    (不正出金ホットライン)
    0120-322-775
    平日9:00~17:00
    みずほ銀行
    (セキュリティサポートセンター)
    0120-868-715
    平日9:00~17:00
    ゆうちょ銀行
    (ゆうちょコールセンター)
    0120-108-420
    平日8:30~21:00
    土日祝9:00~17:00

②取られたお金を取り戻すことはできる?

詐欺の犯人はお金をだまし取るとすぐに行方をくらましてしまうため、基本的には難しいのが実状です。

しかしそれでも方法がないわけではありません。

  • 振り込め詐欺被害者救済法

    犯人の口座にあるお金を、金融機関がしかるべき手続きをしたのちに被害者に分配する制度です。

    利用する際には警察に被害届を提出してください。その後、金融機関が分配できる手続きを済ませるまで待ちましょう。金融機関から連絡がきたときに申請をすれば、お金を取り戻すことができます。

    振り込め詐欺救済法のメリットとデメリットは次のとおりです。

    メリット ・裁判など複雑な手続きをせずにお金を取り戻せる
    デメリット ・口座を使った詐欺にしか適用されない
    ・必ずしも全額戻ってくるとは限らない
    ・返金まで数ヶ月かかる

    また詳しい手続きの仕方や注意点は、下記を参考にしてください。



  • 被害回復給付金制度

    有罪判決を受けた加害者の財産を金銭に変え、被害者に支給する制度です。

    利用する際には、まず自分の事件に対する給付手続きが行われているか検察庁のウェブサイトでチェックします。もし手続きが開始されていた場合は法務省ウェブサイトにある申請書を記入し、記載されている窓口に提出しましょう。その後、支給資格の審査が通ればお金が戻ってきます。

    メリットとデメリットは以下のとおり。

    メリット ・口座凍結時にお金がほとんど残っていないなど、振り込め詐欺救済法が利用できなかった場合でも取り戻せる可能性がある。
    デメリット ・加害者が逮捕されないとそもそも使えない
    ・必ずしも全額戻ってくるとは限らない

    下記でも詳しく解説しているのでチェックしてみてください。



  • クーリング・オフ

    訪問販売で購入した商品を返品したり、強引な勧誘で契約したサービスを解約できる制度です。

    利用する際は契約解除の旨や返金額などを記載した通知書を、クーリング・オフの有効期間内に内容証明で相手に送ります。

    メリットとデメリットを見ていきましょう。

    メリット ・無条件で行うことができ、違約金などを支払わなくて済む
    デメリット ・期限が内容によって異なるが、最短で8日と短い
    ・ネット通販は適用外
    ・業者の対応次第では、返金のために法的手段を取る必要が出てくる

    手続きの詳細は下記を参照してください。


  • 下記記事では、クーリング・オフ期間の早見表を見ることができます。



    クーリング・オフが適用されないネット通販での返金方法は下記を見てください。



4.まとめ

  • 凶悪化する振り込め詐欺は、心構えとグッズの二段階で対策を。

  • そのほかの詐欺も、自分が使いやすいグッズを揃えて準備しよう。

  • ただ100%防げるわけではないので、万が一に備えて相談先や通報先を家族と共有しておくこと。

おわりに

詐欺被害の中には、家族に話しておけば防げたものが多くあります。

対策グッズだけに任せるのではなく、不審な電話や訪問があったときにいつでも相談できるよう、普段から定期的に連絡を取り合っておきましょう。


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