セクハラを訴える手順を総解説!3ステップでわかる弁護士依頼のコツ

2018年12月18日労働問題

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • セクハラの被害にあっており、訴訟を検討している人

  • 訴訟でどんな行為がセクハラとして認められるのか知りたい人

  • セクハラで訴訟を起こす際の費用や期間について知りたい人

はじめに

多くの女性を悩ませるセクハラ問題。

誰にも相談できず耐えているうちに、心身に深い傷を負ったり、退職を余儀なくされたりするといった深刻な被害を受けることもあります。

こうした被害を訴え、損害を取り戻すことは、あなたが負った傷や辛さを癒し、失った尊厳を取り戻すことにもつながります。

この記事では、セクハラ被害を訴える際に必要な知識を解説。またあわせて、訴訟の際に不安になりがちなポイントなどについて解説します。

迷っているあなたが、勇気を出すための手助けとなれば幸いです。

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1.費用、期間、証拠…事前に知っておきたい基礎知識



まずは、セクハラ訴訟の際に必要となる基礎知識を紹介していきます。費用や期間、必要となる証拠など、実際に訴訟を起こす際のイメージをつかんでみてください。

①どんな場合は訴えられる?セクハラの種類と基準

「スキンシップのつもりだった」
「そのような意思はまったくない」
「業務上必要な行為だった」


……いずれもセクハラ加害者側がよく言いがちな台詞です。会社で被害を訴えた際、実際に耳にした方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省によると、セクハラには、昇進や減給をちらつかせて性的な関係を迫る「対価型」と、性的な言動で苦痛を与え、働く意欲を低下させる「環境型」の2つがあり、いずれの場合も、訴訟を起こすことが可能です。

セクハラが認められると、もし減給や退職などの被害を受けていた場合はその損害賠償を、さらに精神的な被害の回復として慰謝料を、さらにセクハラがきっかけで心身に被害が出た場合はその医療費を請求することが可能です。

下記に、セクハラを訴えられるケースの特徴と請求できる損害賠償の種類をまとめましたので、参考にしてください。

状況 請求できるもの
不愉快な思いをした 慰謝料
精神・身体に被害を受けた 慰謝料+医療費
減給・退職などがあった 慰謝料+逸失利益
※逸失利益……セクハラがなければ本来もらえるはずだった利益。セクハラで退職した場合は、もし退職しなくて済んだ場合の給与合計

損害賠償の具体的な金額については、被害を受けた期間や、被害の悪質さなどによって左右されます。より詳しく知りたい人は、下記の記事も参考にしてみましょう。



②セクハラ被害を証明するために必要なもの

セクハラ訴訟の際、被害を証明する証拠が最も重要となります。セクハラの事実が認められるかどうかだけでなく、最終的に認められる損害賠償の額にも影響してくるからです。

では、どのようなことを証明する必要があるのでしょうか。

セクハラは法律上、下記の条件を満たすものとされています。

・性的な言動であること
・被害者の意に反して行われたこと
・職場で行われたものであること
・仕事上の不利益となる、または労働環境を悪化させたこと


それぞれの条件について、どのような証拠が必要となるのかを簡単に解説していきます。

  • 性的な言動であること

    仕事上の見返りに性的な行為を要求される、性別の違いを揶揄される、など、相手の言動が性的なものかどうかを判断しなければなりません。

    そのためには、「誰が、何を」言ったかわかる証拠が有用となります。

    加害者が話していることがわかるテープレコーダーがあるとベストですが、もしなかったとしても、日記、SNSのアカウントなど、日付と同時に「こういうことを言われた」という内容が書いてあれば、証拠として扱うことは可能です。

  • 被害者の意に反して行われたこと

    その言動が被害者が望んでいないにも関わらず行われたどうか、という部分がポイントとなります。先ほどの日記やSNSなどが有効となるほか、被害を受けた前後の行動もポイントとなります。

    以前までは「はっきりと拒絶していなければセクハラとは認められない」とされていましたが、現在ではその流れが変わりつつあり、表面上同意があった場合でも、「仕事での立場を考えると、同意せざるを得なかった」と判断されるケースが増えています。

    はっきりとセクハラ行為を断り切れなかった場合でも、セクハラとして認定される可能性はあります。

  • 職場で行われたものであること

    その言動が職場で行われたものであるかどうか、という点も判断のポイントとなります。しかしこれについても、必ずしもオフィスだけとは限りません。

    重要なのは、仕事と関連する場であったかどうか、ということ。

    会社での飲み会や出張などはもちろん、仕事の上司から休日に呼び出しを受けるなどの行為もセクハラとして扱われます。

  • 仕事上の不利益となる、または労働環境を悪化させたこと

    その行為が被害者にとってどのような不利益をもたらしたのか、という点です。

    仕事の能率が落ちた、精神的な苦痛を受けた、あるいは退職させられてしまった……。そうした被害の内容を証明するために必要となります。

    たとえば、セクハラを受けたあとに精神科を受診し、何らかの疾患が認められれば、その診断書が被害の客観的な証拠となります。

    そのほか、加害者の要求に応じなかった結果、減給・転勤・退職勧告といった行為を受けた場合は、その辞令や相手とのやり取りを記録しておくようにしましょう。

    先ほども紹介した通りセクハラが原因となって減給などが行われた場合、その分のお金も請求することができます。

以上が、セクハラが認められるために必要な要素と、そのために必要な証拠です。

しかしこれは、あくまで「セクハラである」ということを証明するためのものでしかありません。

たとえセクハラではなくても、あなたが誰かの行為により被害を受けた、というのであれば、それを行った当人に被害を請求することは可能です。

最も大切なのは「あなたが何をされて」「どんな被害を受けたか」ということ。これらを客観的に証明できる書類を集めるようにしましょう。


③セクハラ訴訟の費用と期間はどのくらい?

セクハラの被害を受け、証拠もある…。そうすると、次に気になるのは費用と期間。このふたつについて解説します。

  • 費用面

    訴訟を起こすには、弁護士に依頼しなければなりません。訴訟の際にそのは弁護士費用がかかってきます。

    その大まかな内訳は、事前相談にかかる「相談料」、依頼時に支払う「着手金」、最終的に損害買収を得ることができた際に支払う「報酬金」の3つに分かれます。

    このうち着手金については、会社との示談で終わる場合と、実際に訴訟を起こす場合とで金額が異なってきます。

    それぞれの大まかな相場を下記の表にまとめましたので、参考としてください。

    名目 金額の目安
    相談料 5000円/30分
    着手金(示談) 10~20万円
    着手金(訴訟) 20~30万円
    報酬金 得られた金額の10~20%

    ここで紹介した金額はあくまで目安。事務所や相手への請求額によって変わってきます。

    特に注意したいのは着手金。相手への請求額が数千万円にのぼる場合、着手金が100万円以上となることも。また支払ったお金は訴訟の結果に関わらず戻ってきません。

    さらに、着手金以外にも、訴訟を起こすために必要な実費、会社に内容証明(請求に応じなければ法的な手続きを取る、ということを伝える書類)を送る際の費用などがかかる場合もあります。

    事務所によって諸費用がすべて着手金に含む形になっていたり、報酬金を上げる代わりに着手金を下げてもらえるなど、ある程度柔軟に対応してもらえる場合もありますので、依頼前にまずはよく相談するようにしましょう。

  • 期間面

    セクハラを訴えてから結果が出るまでの期間は、どのような手続きをとるかで変わってきます。

    示談交渉ならば、相手側との調整が順調に進みさえすれば、比較的すぐに結果が出るでしょう。一方で、裁判所が間に立って企業と労働者の話し合いを行う労働審判や、実際に労働訴訟を起こす場合などは、比較的長期になってきます。

    それぞれの方法を選んだ場合の期間については、下記の表を参考にしてください。

    手続き 期間の目安
    示談交渉 1ヶ月前後
    労働審判 2ヶ月~3ヶ月
    労働訴訟 6ヶ月~

    費用の場合と同じく、これらの期間もあくまで目安。詳しくは弁護士に相談してみてください。

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2.弁護士へ依頼する流れとコツ!セクハラ訴訟までの3ステップ



これまで、セクハラで訴えるための期間・費用を含めた基礎知識を解説してきました。

それを踏まえて、実際に訴訟を起こすための方法をここでは紹介していきます。

①弁護士を探す

証拠を集めたら、まずは弁護士に依頼することになります。

その際のコツには、どんなものがあるでしょうか。

  • 労働問題の事務所に相談する

    弁護士と一口に言っても、詐欺、労働問題、交通事故、不動産トラブルなど、扱っている専門領域はそれぞれ異なります。

    事務所のウェブサイトを事前に見て、セクハラ問題の解決事例があるところをなるべく選ぶようにするとよいでしょう。

    いまでは弁護士ドットコムをはじめ、検索サイトも数多くあります。こうしたサイトを利用するのもよいでしょう。

  • 複数の候補をあげておく

    同じ被害であっても、訴訟費用や相手への請求額、訴訟可能かどうかの基準は変わってきます。相手へ高額な請求をしたもののごく一部しか認められず、費用だけがかかってしまった……ということにならないためにも、複数の事務所に相談し、感覚をつかんでおくことが大切です。

②弁護士に相談する

相談したい弁護士事務所の候補が決まった場合は、相談の依頼を申し込み、日時を調整して事務所へと向かうことになります。(弁護士によっては、出張相談や電話相談という形での相談を受け付けている場合もあります)

しかし、先ほど紹介した通り、相談時間の目安は30分。それを超えると何度も相談をしなければならず、そのぶんだけ費用もかかってきます。

ここでは弁護士との相談をスムーズにするための方法について紹介しましょう。

  • 時系列順の資料をまとめておこう

    「いつ」「なにが」「どこで」起きたか、という時系列順に出来事をまとめた資料をあらかじめ用意しておきましょう。弁護士が事例の内容を把握するための助けとなります。

    弁護士によっては、事前にこうした内容を相談票に記入してもらう、というケースもあります。いずれにせよ自分の中でまとめておけば、相談する際にスムーズです。

  • 口頭での説明は、事実を簡潔に

    弁護士から資料について質問を受けた際は「事実」のみを「簡潔に」伝えましょう。

    話すうちに悔しい気持ちが湧いてくることもあるかもしれませんが、それを伝えているうちに時間がなくなってしまった……ということにもなりかねません。

    同様に、弁護士からの説明をさえぎって補足や意見を言うことも、なるべく避けてください。一通りの説明を聞いてから質問や補足をすることで、話が前に進みやすくなります。

    いずれにせよ、口頭での説明が最小限になるように、あらかじめ証拠を含めた資料をまとめておくのがベストです。

  • 不利な事実でもウソ・ごまかしは厳禁!

    たとえ訴訟で不利になりそうな事実があったとしても、それを包み隠さず伝えましょう。嘘をついたり、ごまかしたりしてはいけません。

    不利だと思われる事実についても、先に弁護士に伝えておけば専門家の目線から対策をとることができます。逆に不利な事実をごまかして訴訟を起こした場合、相手側がその事実を持ち出してきた際に十分な対応を取ることができません。

    ありのままを伝えることが、結局のところセクハラを認定させることにつながるのです。

    また、弁護士には守秘義務がありますので、依頼者の相談内容が外部に話されることもありません。必ず本当のことを言うようにしてください。

  • 事前に確認しておくべき内容をおさえよう

    事情の説明が終わった場合、依頼前に以下の内容は必ず聞いておくようにしましょう。

    訴訟は可能か?
    今後の流れは?
    必要な費用は?
    かかる期間は?

    これまでにお伝えした通り、会社への請求には「示談交渉」「労働審判」「労働訴訟」といった様々な方法があり、それぞれ期間や費用が異なります。

    特に重要なのは費用面。たとえば、示談を依頼したけれど合意がとれず、ほかの手段をとらざるを得ない……という場合には、追加の費用がかかってくる場合があるからです。

    ただこうした場合でも、弁護士によっては差額分のみの支払いとしたり、成功報酬に追加費用を含めたりといった調整をしてくれることもあります。

    こうした費用面についても、今後のスケジュールと同時にある程度打ち合わせておけるとよいでしょう。

  • そのほか、相談の際に必要なもの

    資料や証拠のほか、伝えられたことをメモするための筆記用具や身分証明書、印鑑などが必要となります。

    こうした持参物は相談前に伝えられるとは思いますが、念のため確認してみてください。

    相談が無事に終わると、費用の見積もりを経て、正式に依頼(委任契約)を行う形となります。

③依頼後の流れ

契約書を正式にかわし、着手金を支払ったあとは、弁護士に手続きを任せる形となります。交渉や各種書類の作成、訴訟の手続きは基本的に弁護士がすべて行い、依頼者は結果の報告を受ける形となります。

定期的に弁護士と話し合いを行い、今後の方向性を決めていってください。

ただし労働審判労働訴訟までを行った場合、当事者尋問が行われる可能性がある点には注意が必要です。

これは書類による証拠だけでは十分でないとされた場合に、本人による説明を求めるもので、当事者同士の意識が問題となるセクハラ訴訟では、実施される機会が多くなりがち。

話す内容は事前に弁護士と相談して決めることが多いですが、実際に裁判所に行き、被害について人前で話す必要があるため、ストレスに感じてしまうかもしれません。このことも含め、あらかじめ弁護士に相談しましょう。

無事セクハラが認められ、損害賠償の支払いがあった場合は、そこから報酬金実費などを支払い、契約が終了します。事前に請求していた場合、相手に弁護士費用の一部を負担させることもあります。

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3.まとめ

  • まず必要となるのは証拠。された内容と受けた被害を証明できるものをなるべく多く用意しよう

  • 弁護士を選びの際は、労働問題を扱っている事務所を検討。複数の事務所に相談して感覚をつかみ、自分に合う弁護士を検討しよう

  • 弁護士に相談できる時間は短い。起きたことの概要を時系列にまとめておき、口頭での説明がなるべくすくなくて済むようにしよう

おわりに

上下関係などの立場を利用するセクハラ行為は、被害者の心と体を傷つける悪質な行為。

許せないと感じている気持ちがあるのなら、勇気を出して立ち向かってみましょう。

その際の情報として、この記事を役立ててみてください。


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