職場のモラハラ、どう対処すべき?特徴と対処法を3つの状況別に解説

2018年11月27日 16:19:00労働問題

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 同僚や上司から受けるモラハラに悩まされている人

  • モラハラだが誰に相談してよいのかわからず、困っている人人

  • モラハラで心身を壊し、慰謝料を請求したいと考えている人

はじめに


「モラハラ」という言葉が、近年注目されつつあります。

モラル・ハラスメントの略語で、独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、
「言葉や態度によって、巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力」
とされています。

いわゆる「いじめ」に近いもので、職場に限らず、夫婦や友人関係の間でもみられるものとされます。パワハラやセクハラと異なり、実態が見えにくいのも特徴です。

特に職場でのモラハラは「本人の能力不足」を理由に行われるケースが多いため、受けている本人も自分のせいだと思い込んでしまいがち。

そこでこの記事では、モラハラのさまざまなケースを先に解説したうえで、その対処法や相談先を紹介していきます。

「自分は仕事ができないから、冷たくされても仕方ない……」

そう思い込んでしまっている人こそ、ぜひ最後まで目を通してみてください。

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1.こんなケースもモラハラに……ケース別・職場のモラハラチェック



モラハラはパワハラと違い、必ずしも目上から目下に対して行われるものとは限りません。

①上司から部下に対するモラハラ
②部下から上司に対するモラハラ
③同僚どうしによるモラハラ

といった様々なケースがあります。

まずはそれぞれの特徴を解説していきますので、自分の場合があてはまるかどうか、チェックしてみてください。

①上司から部下に対するモラハラ

上司から部下のモラハラは、いわゆるパワハラと呼ばれるケースが多いですが、その代表的なものとしては、
能力の否定
無視をする
人格の否定

があります。それぞれくわしく見ていきましょう。

  • 能力の否定

    本人や周りに「仕事ができない」、「能力がない」と繰り返し否定し、傷つける行為です。

    もちろん、実際には経験や知識の有無によって、仕事の能力に差は出るものです。しかし、悪意を持って繰り返しそのことを強調したり、相手に能力がないと思わせようとする行為はモラハラに該当するといえるでしょう。

    たとえば、わざと難しい仕事や未経験の仕事を行わせ、「お前は本当にできないやつだな」「なんでそんなこともできないの?」とこれみよがしに指摘するといったケースや、どれだけ一生懸命にやっても、細かいミスを見つけては否定するパターンがこれに該当するでしょう。

    ほかにも、あえて周りの人がいるところで「あなたに言っても意味がない」と言って、周りの人にあの人は仕事ができないと印象付けようとしたり、ターゲットの人に「周りの人もそう思っているんだ」と言って、反論の気持ちを削ごうとするのもよく見られるケースです。

  • 無視をする

    ターゲットにした人を孤立させ、苦しめるパターンです。例として、社内メールの連絡をひとりにだけ送らない、周りの人には笑顔で挨拶をするのに、その人にだけは無言ですれ違う、といった行動などです。

    このケースの厄介なところは、周りの人に気づかれにくい点です。たまたまメールを送り忘れた、ただ単にこちらの挨拶が聞こえなかったなどの理由をつけ、表立ってはターゲットを嫌っている素振りを周りの人に見せないからです。そのため「こちらの被害妄想なのか」と迷い、人知れず精神的苦痛を抱えることになりがちです。

  • 人格の否定

    業務以外のことで精神的苦痛を与えてくることもモラハラに該当します。たとえば、趣味や好きなものの話をした際に、「そんな趣味を持っているなんておかしいんじゃないの」などと言ってくるようなパターンです。趣味嗜好、容姿、年齢、学歴、性別、国籍などを馬鹿にすることもこれに該当します。

    そのほか、「あの人は四六時中、異性と遊んでいる」などプライベートに関する根も葉もない噂を流したり、ひどいときには全く根拠のない噂を流した上で、「あんな部下を持って私は大変だよ」と周りの人の同情を買おうとすることもあります。

②部下から上司に対するモラハラ

職場で起こるハラスメントというと、上司から部下へのパワハラが思い浮かびがちですが、モラハラには部下から上司に対して行われるタイプのものもあります。

「上司として能力がないのかもしれない」「部下からモラハラを受けているなんて恥ずかしくて言えない」と思ってしまい、ひとりで悩んでしまうこともしばしば。

なかでも代表的な特徴を下記にまとめました。

指示の無視
能力の否定
パワハラ脅迫

  • 指示の無視

    部下が自分の指示に従ってくれない、というケースは代表的なパターンのひとつです。

    特に、異動などの結果、自身よりも経験豊富な社員やスタッフの上司になった場合などに起こりやすくなりがち。

    自分の指示を無視し、スタッフ同士のやり方で勝手に物事を進める、業務用必要なはずの報告をしないといった事例が該当します。自分を飛ばしてさらに上の上司に直接報告するなどして、管理職としての評価が下がってしまう場合もあります。

  • 能力の否定

    インターネット普及の影響もあり、業種によっては業界歴と仕事の能力が直結するとは限らなくなっています。IT業界などでは、50代のベテランより20代の若手社員のほうがスキル豊富という状況も珍しくありません。こうした現状が、部下による上司の能力の否定という形につながることがあります。

    「部長、そんなことも知らないんですか?」と、ことあるごとに指摘して笑いものにする、資料をほかの社員が見ている前で罵倒する、といった行動などがあります。

  • 上司としてふさわしい能力があるかどうか、という点は確かに業務上重要なポイントではあります。しかし一方で、能力の有無を理由に個人の人格を否定し、尊重しない態度が問題であることもまた事実。どんな理由や立場であれ、悪意をもって他人の精神を傷つける行為はモラハラに該当します。

  • パワハラ脅迫

    ブラック企業をはじめ社員へのパワハラがクローズアップされていることをうけ、逆に「パワハラ」をたてに脅迫するというパターンもあります。業務上必要な指摘や指導に対して「それはパワハラだ」と言うようなケースです。

    たとえば「遅刻を軽く注意された」といったレベルで問題視することが頻繁にあるようなら、モラハラである可能性があります。

    とはいえ、業務上の注意や叱責がパワハラかどうかという線引きは難しいものです。自分は問題ないと思っていた言動が、言われた当人にとっては傷つくものであったという場合も十分にあり得るでしょう。

    ポイントとなるのは、「その行為を相手を傷つける目的でやっているのかどうか」というところです。本当に問題を解決したいのではなく、相手の足を引っ張るためや、追い詰めて支配するためにこうした言葉を利用する場合は、モラハラに該当すると言っていいでしょう。ことあるごとに脅してくるようなケースはモラハラといっていいかもしれません。

③同僚どうし

上司・部下だけでなく、同僚どうしのいじめなども、モラハラに該当します。代表的な特徴は下記の通りです。

仲間外れにする
悪口や陰口
プライベートの否定・詮索

  • 仲間外れにする

    同僚同士のモラハラでよくあるのが、何人かと結託して、ターゲットにしたひとりを仲間外れにするというものです。単純に話にいれないというだけでなく、分担している仕事をターゲットにした人にだけ回さないというものもあります。

    さらにその後、ターゲットの人物が仕事をしないと周りの人に言って回り、より相手を孤立させようとすることもあります。

  • 悪口や陰口を聞こえるように言う

    同僚同士のモラハラでは、本人に対して間接的に否定的な言葉を言うことが多くなりがちです。「あの人と一緒に仕事をするのは嫌だ」「できない人と仕事をすると本当に疲れる」と、わざと本人に聞こえるように陰口を言うといった行為です。

    言葉を使わず、何かにつけて仲間同士で笑うなど、態度だけで示す陰湿なケースももあります。

  • プライベートの否定・詮索

    仕事ができないとして、休憩や休日を取りづらくさせるのもモラハラのひとつです。「仕事ができないのに、休みの希望ばかりは一丁前に出すのね」と言って罪悪感を持たせたり、休日に何をするのか執拗に聞いてきたりします。そうして聞いた内容をまた陰口の材料として、孤立させていきます。


2.モラハラの対処法6選!心構えから反撃法まで紹介



これらのモラハラの対策には、いくつかのステップがあります。順を追って解説していきましょう。

①モラハラに潰されないための心構え

モラハラに対処するためには、まず自分の心を強く持つことが大切。言われるまま自分を責めるのではなく、冷静に判断するための方法について解説していきます。

  • 自分がモラハラにあっていることを自覚する

    モラハラの被害者は、「自分が悪いせいだ」と考えがち。しかし、たとえ仕事のミスや能力の問題があったとしても、それを理由に人格否定をするのは間違っています。まずは、今自分がモラハラにあっているのだという自覚をしてください。あなたが一方的に悪いわけではないのです。

  • 味方を探してみる

    モラハラの多くは、ターゲットとなる人を孤立させ、心を削っていきます。些細なことを積み重ねることで、次第に自分の周りには味方がいないと思わせるのです。

    しかし、あなたの味方になってくれる人はゼロではありません。社内だけでなく社外にも目を向け、相談できる人を見つけましょう

    また、モラハラが起きる職場というのは、あなたがターゲットになる前に誰かがターゲットになっていた可能性が高いです。そうした人たちを味方につけ、孤立しなくなれば、冷静に自分のことを判断できるようになってくるはずです。

  • 業務マニュアルなどを見直して自分を正しく評価する

    社内に業務マニュアルがあるのであれば、再度目を通しておくのもよいでしょう。会社が決めた業務マニュアルに従って業務に取り組んでいるのであれば、モラハラにあう理由は全くありません。

    マニュアルを読み直してわからない部分があればそのままにせず、モラハラをしてくる人以外の第三者と相互に確認をしましょう。そうすることでどのように仕事に取り組むべきかがはっきりとわかり、仕事に対する自信を取り戻すこともできます。

②委縮はNG。モラハラ人間への対処法


モラハラをする人間は、相手を選んでいます。ターゲットとなりがちな行動を変えることで、態度が変わる場合もあります。

  • 相手に何かを言われても明るく振る舞う

    モラハラをする人は、自分の言い分を相手に聞かせて支配することを好みます。そのため、ターゲットが萎縮した態度を取れば取るほど、より一層モラハラを強める傾向にあります。

    そのため、まずはモラハラ発言に対して萎縮をしすぎないことが大切です。何を言われても明るく返事をすることで、相手に「この人は私の言うことに動じない」と印象づけましょう。対面でなくメールの場合でも、明るい雰囲気のある文章作成を心がけるとよいかもしれません。

    とにかく「あなたの悪意などまったく気にしていないし、どうでもいい」という態度を貫くことが大切です。

  • 機嫌が悪そうなときには近づかない

    人が他人にモラハラをするもうひとつの理由は、単なるストレス発散です。

    こういうタイプの人には、近づかないのが得策。機嫌が明らかに悪そうなときには近づかないのが賢明でしょう。

    もちろん、自分が上司でモラハラの相手が部下だった場合は、部下の機嫌が悪い度に離席するのはあまりよくありません。部下の事情を聞くとともに、周囲がどう思っているかどうかをヒアリングしてください。その上で注意をし、改善が見られない場合は、さらに上の上司や人事課に相談しましょう。

  • 会話の内容はメモを取る・録音をする

    モラハラのターゲットになった場合、基本的に1対1の状況にならないようにするのが大切です。ふたりだけの空間ができてしまうと、モラハラをする人の発言に言いくるめられてしまうからです。

    ただ、相手によっては、勤務中に1対1の時間を作らないようにするのは難しいこともあるでしょう。上司なら呼び出しを断れませんし、同僚や部下の場合はメールで伝えてくるかもしれません。その際は会話を録音したりメールを残したりしておき、第三者の意見を後で仰ぐようにしましょう。

    また「ありがとうございます、今度●●さんに直接聞いてみますね」とあえて伝えることも牽制になります。相手の発言をすべて真に受けず、きちんと確認する姿勢を取るようにしてみてください。


③それでもどうしようもなかったら…こんな最終手段も

こうした方法をとってもモラハラが収まらず、ほかの人に相談しても解決しない場合は、別の手段をとるしかありません。その方法について解説していきます。

  • 退職

    これまでご紹介したモラハラ対策をしてみて「やっぱり何も変わらない」と感じたら、退職を選択するのもひとつです。モラハラで退職をするのは逃げるようで嫌だ、という人もいるかも知れません。ですが、モラハラで精神的な病を負ってしまってからだと、新しい職場を見つけるのも困難になってきます。

    退職をする際は会社都合で辞められるかどうか、会社に交渉します。モラハラをはじめ多くのありがちな退職理由は、会社都合にできるからです。会社都合で辞めることができた場合は、ハローワークに申請してから7日間と失業手当を短期間で受け取れます。スムーズな退職方法は下記の記事で紹介しているので、参考にしてください。



  • 労働基準監督署への通報

    いくら別の上司にかけあっても相談に乗ってくれない、むしろ状況が悪化している、という場合には会社の体制そのものに問題があると言わざるを得ません。その際は労働基準監督署へ通報するという方法もあります。

    労働基準監督署は個人間で起きたモラハラそのものを解決するわけではありません。しかし会社の捜査権限や逮捕権限を有しています。ですので会社に対して、体制の見直しやモラハラを行う人の処分を検討させることができます。

    詳しい方法は下記を参考にしてください。



  • 訴訟を起こす

    モラハラは、セクハラやパワハラと同様に訴訟を起こして慰謝料を請求することも可能です。モラハラをする人の発言の録音やメールの記録など証拠が十分に揃っているなら、一度弁護士に相談してみましょう。実際に訴える場合には、弁護士と相談した上で警察に告訴状を提出します。

    ただ弁護士に依頼する場合、弁護士費用がかかります。モラハラがどの程度かにもよりますが、費用と見合っているかどうか検討することが必要です。金銭面で不安もあるがそれでも訴えたいと考えている人は、法テラスなどにまずは相談してみましょう。


3.モラハラを相談できる相手がいない場合の相談窓口6選



①メンタル回復のための窓口

  • みんなの人権110番

    法務省が設ける相談窓口です。モラハラなどの人権問題を相談できます。電話や法務局・地方法務局の窓口で受け付けを行っているほか、インターネットを通じての相談も可能です。

    連絡先 0570-003-110
    受付時間 平日:8時30分~17時15分

  • 働く人の「こころの耳電話相談」

    厚生労働省が運営する相談窓口です。モラハラによる人間関係の悩みや健康障害などを相談することができます。費用は無料で、電話以外にメールでの相談も受け付けています。

    連絡先 0120-565-455
    受付時間 月・火:17時~22時 土・日:10時~16

②トラブルを解消したいための窓口

  • 総合労働相談コーナー

    厚生労働省が設置している窓口です。各都道府県の労働基準監督署内などに合計380ヶ所設置されています。モラハラをはじめ、あらゆる労働問題を対象としています。問題解決のための相談料や、弁護士や社労士をあっせんする費用もかかりません。予約も不要です。

    連絡先 地域により異なる
    受付時間 地域により異なる

  • かいけつサポート

    法律で定められた厳格な基準をクリアし、法務大臣によって認証されたサービスです。各都道府県に、サービスを提供してくれる民間業者があります。身の回りのことから専門的なものまで、さまざまな法律によるトラブルの解決をサポートしてくれます。「トラブルは解決したいけど、裁判を起こすのはちょっと…」と考えている人は問い合わせてみてください。

    連絡先 事業者により異なる
    受付時間 事業者により異なる

③相手を訴えたいときの窓口

  • 個別労働紛争のあっせん

    中央労働委員会が運営する制度です。各都道府県労働委員会にいる専門家が、労務にまつわるトラブルの解決のサポートをしてくれます。一部都道府県においては、この制度を受け付けていないので注意が必要です。相談する際には、都道府県労働委員会の個別労働紛争担当窓口へ連絡します。

    連絡先 地域により異なる
    受付時間 地域により異なる

  • 法テラス

    身近な法律問題を弁護士に無料で相談することができ、費用がかかる場合でも経済的事情を加味して立て替えるなどの手段も用意してくれています。また、モラハラの内容に合った的確な相談窓口を紹介してくれます。

    連絡先 0570-078-374
    受付時間 平日:9時~21時 土:9時~17時


4.まとめ

  • モラハラを解決するためには、モラハラを受けていると自覚することが第一歩。

  • 自分は間違っていないと自覚できる味方を見つけて、モラハラを防ぐ心のバリヤーを張ろう。

  • 味方がいない場合は専門機関に相談することも検討しよう。

おわりに

モラハラは悪質で陰湿な大人のいじめです。一度被害にあってしまうと、メンタルを回復するのが難しいものでもあります。自分に自信を持つことが一番ですが、それが難しい場合もあるでしょう。

しかし何度も言うように、モラハラの被害にあっているほとんどの人は悪くなく、モラハラをする側の人に原因があります。あなたの仕事ぶりをきちんと理解してくれる人は、必ずあなたの周りにいます。一人で抱え込まず、自分は間違っていなかったんだと自信を持たせてくれる人と出会えるように動いてみてください。


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