ブラック企業の見分け方3選!調べる方法やありがちな特徴を徹底解説

2018年11月01日 19:09:00労働問題

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • 就職・転職活動前にブラック企業の特徴を知っておきたい人

  • どのような企業が怪しいのか具体的に知りたい人

  • 企業情報の確認方法を知りたい人

はじめに

「ブラック企業」というフレーズを、誰しも聞いたことがあると思います。

ブラック企業とは、過酷な労働環境で労働者を使いつぶすような会社のこと。残念ながら、日本にはまだ多くのブラック企業が存在し、苦しんでいる人が多く見受けられます。

入社前に、会社の実情がわかれば、ブラック企業を避けることができるはず。

そこでこの記事では、ブラック企業の見分け方について詳しく解説していきます。


1.まずは求人内容をチェック!ブラック企業にありがちな特徴は?



ブラック企業の求人票には、いくつかの傾向があります。それをあらかじめ知っておくことで、応募を避けることができるでしょう。

①「ブラック企業フレーズ」に注意

ブラック企業は、自分たちの組織体質や欠点を隠すために、求人票には耳障りのよい言葉を使いがち。
よく使われるフレーズの例として、以下の5つをご紹介します。これらの言葉が出てきた場合は警戒しましょう。

  • 「若い仲間が大活躍!若いうちから責任を持った仕事ができる会社です」

    「年功序列撤廃」「若いうちから活躍できる」など、若手の裁量が多いと強調している会社は要注意。実際には、キャリアを重ねている年長者が定着せずに辞めていってしまい、若年層しか残っていないということが多くあります。

  • 「アットホームな職場です」

    「社員同士の仲が良い」「家族のような仲間」とアピールしている会社は、裏を返せばプライベートにも仕事の人間関係が踏み込んでくる、ということでもあります。

  • 「ノルマなし!皆さんの努力で会社を成長させてください」

    「ノルマがない」という言葉は一見魅力的ですが、いっぽうでそれは「見える形の評価指標がない」ということでもあります。もちろんすべての会社がそうというわけではありませんが、中にはこうした社風を悪用し、「努力が足りない」といった抽象的な理由で正当な評価をしないという会社もあります。

  • 「夢に向かって挑戦できる職場です」

    夢や成長、感動などの耳障りのよい言葉そのものが悪いわけではありませんが、こうした言葉が前面に出すぎ、実際の職務内容や業務内容の説明がない場合は警戒が必要でしょう。実際の職場の空気や仕事内容をごまかすために、「夢」「挑戦」などの前向きな言葉を使っていると思われるからです。

  • 「未経験でも年収1000万円が可能!」

    「未経験歓迎」「学歴不問」など、ハードルが低く応募しやすい会社も気を付けたほうがよいでしょう。社員がいなくなるスピードが早いので、低いハードルで人を集めていることがあります。また、職種・業界の平均と比べて高すぎる年収が書いてある場合も、人を集めるためのエサであることがあるため、注意が必要です。

  • 「実力主義・成果主義の会社です!」

    同様に、「実力主義」「成果主義」を強くうたう会社にも注意しましょう。実際には達成するには高すぎるノルマを課され、いつまでも賃金が上がらないというケースがあります。

②年間休日、給与、福利厚生……雇用条件を見る

次に確認すべきなのは雇用条件。この項目をチェックすることで、会社での働きやすさなどを知ることができます。

  • 年間休日

    厚生労働省が発表した平成29年就労条件総合調査の概況によると、労働者1人平均年間休日総数は、113.7日とされています。この数値よりも明らかに少ない休日の場合、避けたほうがいいかもしれません。

    また紛らわしい表現として、「週休二日」「完全週休二日」の違いにも注意が必要です。

    「週休二日」は、2日間休みのある週が、一か月に最低一回以上ある、という意味。土日休みが月一回しかなくても、「週休二日」と表記できます。

    いっぽうで「完全週休二日」は、土日が完全に休みであることを指します。

    これらの制度と年間休日とを見比べて、休日が実際にはどのくらいあるのかの参考としましょう。

  • 給与

    金額だけを見て、「このぐらいもらえるなら良さそうだ」と安心してはいけません。その給与が手当で水増しされていないかをチェックしましょう。

    特に気を付けるべきなのは、あらかじめ残業代が給与に含まれているというケース。「給与には〇〇時間ぶんの残業代を含む」などのただし書きがある場合、その時間分の残業代は支払われないということになります。

    また、残業代があらかじめ給与に含まれるということは、その会社が「残業を前提にしている」ということでもあります。特に長時間の残業代を給与に組み入れている場合は、注意をしたほうがよいでしょう。

  • 福利厚生

    健康保険や雇用保険といった各種の社会保険や労働保険は、会社であれば必ず加入しなければなりません。これらに加入していない会社は法令順守をしていないという意味で、ブラック企業の可能性が高いでしょう。

    特に会社が労働保険に加入しているかどうかは、下記のサイトで調べることが可能です。

    厚生労働省  労働保険適用事業場検索

③そのほか、ブラック企業の採用ページにありがちなこと

  • 社長のブログが怪しい

    経営者がブログをやっている場合、それを見ることで社内の雰囲気をある程度おしはかることが可能です。

    怪しいと思うポイントは人それぞれですが、たとえば

    ・スピリチュアルな話が出てくる
    ・パワハラ行為にとらえられるようなエピソードがある
    ・社長の顔写真がやたらと大きい
    ・「やる気」「根性」「家族」「感謝」などの言葉が多い

    などというものがあげられます。

    「あれ、ちょっとおかしいな」と思った場合、応募を控えたほうがよいでしょう。

  • 社内の様子が明らかにイメージ写真

    就活サイトの採用ページには、「社内の様子」として和気あいあいとした写真を掲載していることがありますが、実はフリー素材を利用していることがあります。

    いったん画像をダウンロードして、画像検索をしてみましょう。同じ画像を使っているサイトがあれば、検索結果に表示されるため、実際の写真ではないとわかります。

  • 同族経営である

    社長や幹部の名字が全部同じだった場合、同族経営である可能性が高くなります。

    同族経営会社のマイナス面としては、

    ・上層部が一族内で固められているため、出世がしにくい
    ・社内の何処にでも一族がいるため、常に監視されているような感覚がある
    ・経営方針を上層部だけで決められてしまいがち
    ・後継者に問題があった場合、会社の存続が危ぶまれる

    などが挙げられます。

    もちろん、同族経営には意思決定が速いため行動が素早い、自社株を一族内で保有しているため他社からの買収などが起こりにくいなどのメリットもありますが、こうしたデメリットも押さえておきましょう。


2.「就職四季報」で会社のデータを集めよう!注意するポイント3つ



求人票や就職・転職サイトの求人ページは、いわば会社の広告。書いてあることがすべて本当とは限りません。

求人票の内容だけでなく、実際の会社の状況にも目を向けてみましょう。

その際、特に参考になるのが、東洋経済新報社が毎年発行している会社情報誌「就職四季報」です。この章では、就職四季報に記載されている情報のうち、特に注目するべきポイントを解説していきます

①3年後離職率

まずは、「3年後離職率」をチェックしましょう。

「まずは3年」
就職するときによく言われる言葉ですが、「第二新卒採用」という言葉があるように、過酷な労働環境だった場合はすぐに転職する流れが生まれています。逆にいえば、3年以内の離職率が低ければ、「脱出したい!」と思う人が少ない、いい職場環境ということです。

3年後離職率が異様に高い会社は、新卒採用の社員がどんどん辞めている過酷な環境だと考えられます。

また、3年後離職率を書いていない、もしくは就職四季報に掲載されていない会社の場合、新卒採用サイトの年ごとの採用人数を確認してみましょう。

会社の人数や規模と比較してあまりにも採用人数が多い場合、採用してもどんどん人がいなくなっている状況だと考えられます。

②有給取得年平均

有給休暇の平均取得日数をあらわす項目です。

この項目が低すぎる会社の場合、「忙しすぎて有給を消化できない」など、職務体制や環境に問題がある可能性があります。

ただし、2019年4月1日(中小企業は2020年4月1日)からの労働基準法改正により、労働者に5日間の有給休暇を取得させることが会社の義務になります。

「有給が1日も取得できない」といったことはなくなると思われますが、もしかしたら祝日や代休などの休日で有給休暇を取得させようとすることがあるかもしれません。

求人票での祝日や休日の扱いもあわせて確認するようにしましょう。

③月平均残業時間

月平均残業時間も重要な指標です。

ここが長い会社は、長時間の残業が予想されます。

法律上、残業時間は基本的に月45時間までと上限が定められているため、たとえば月平均残業時間が40時間と定められている会社は、明らかに残業が多いと予測できます。実際には記載されている残業時間よりも多く残業させられることもあるため、月平均残業時間が基準ギリギリの会社は避けたほうがいいでしょう。

残業時間の上限については、こちらの記事で詳しくご紹介しているので参考にしてみてください。


一方、月平均の残業時間が0という会社も注意が必要です。サービス残業によって見かけ上の残業時間を減らしている場合があるからです。

これまでに紹介した有給取得年平均や3年後離職率とあわせてチェックするように心がけましょう。


3.実際に働いている人から話を聞こう!会社の雰囲気を知る方法3つ



今までご紹介してきたのは、会社の体制や数値上のポイントですが、あわせてその職場にいた経験を持つ人の話を聞くことで、実際の会社の雰囲気をより明確につかむことができます。

①口コミを確認する

在籍者・退職者が会社の評判を書いている口コミサイトが多く存在します。これらを確認することで、会社の人間関係や雰囲気を確かめることができます。

ただし、退職者が事実よりも誇張して会社を悪く書いていたり、経営陣側が自分たちの都合の良い話を書いていることもあるので、100%は信じない方がいいでしょう。あくまでも参考程度にしてください。

口コミで特にみるべきポイントは以下の3つです。

  • 残業時間
  • 退職の理由
  • 評価体制

これらはしっかりと読んでおきましょう。特に退職の理由は、投稿者が「この会社のここがいやだ」と思ったポイントが書かれていることがほとんどです。そうした体験談を読んで、会社の雰囲気をしっかりと頭の中でシミュレーションしてみましょう。

②インターンに行く

就活を控えた大学生は、春休みや夏休みなどの長期休暇中にインターンシップへ行くことができます。インターンシップとは会社の職場体験のことで、学生が実際に企業で働き、実際の職務内容や職場の空気感を体験するものです。

自分で実際に働くため、就職後のミスマッチが少なく、何か違和感があれば実際の就活のときに応募を控えることもできます。

③その会社にいる先輩・友人を探す

もし見つかるのであれば、実際に気になる会社に在籍している人へ話を聞くのがもっとも確実な方法です。

特に大学の場合、OB・OG訪問の制度があるケースが大半。これらを利用して、過去に働いていた、もしくは現在も働いている人に実際に会い、詳しく話を聞きましょう。

④番外:厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を確認する


厚生労働省は、労働基準法違反で摘発された会社の情報を毎月発表しています。応募を検討している会社がリストに載っていないか確認しましょう。

ただし、リストは毎月更新され、公表日から1年経過した会社は基本的に削除されます。いま見て載っていなくても、過去には掲載されていた場合もありますので、参考にするにとどめましょう。


4.まとめ

  • ブラック企業の求人票は①ブラック企業にありがちなフレーズが使われていないか②雇用条件が適正か③社長のブログや経営体制に怪しいところはないかなどの特徴を確認す

  • 「就職四季報」では、①3年後離職率②有給取得年平均③月平均残業時間

  • 入社・応募前に、口コミサイトを確認したり、実際にその職場で働いている人に話を聞く。インターンシップに行くなど、実際の職場の空気感を正しく把握しておくことで、ブラック企業を避けることができる

おわりに

いかがでしたか。

データから見えてくる企業実態だけでなく、友人や先輩から話を聞いたり、インターンシップを活用して、実際の職場の雰囲気を知ることが大切です。

この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。


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