ウォーターサーバー業者に騙されたら?事例と覚えておきたい対策2つ

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投稿日時 2019年06月03日 14時55分
更新日時 2019年06月03日 14時55分

この記事は以下の人に向けて書いています。

  • ウォーターサーバーをうっかり契約してしまったが、聞いていない料金がかかっている人

  • ウォーターサーバー業者に騙されたのでは? と思っている人

  • ウォーターサーバーのトラブルの相談先を知りたい人

はじめに

いつでも安全な飲料水を提供してくれるウォーターサーバー

2011年3月11日の東日本大震災以降、飲料水の確保のために利用者が急増しています。

そのような中、東京との消費生活センターへのウォーターサーバーにまつわるトラブル相談件数も増加しているのです。
参照:2013年3月・東京都生活文化局消費生活部『ウォーターサーバーの安全性に関する調査・テストの目的』

「業者に騙された」「定期的に費用がかかる説明がなかった」など、さまざまなトラブルが報告されています。

この記事では、ウォーターサーバー業者とのトラブル事例から、覚えておきたい対策までトラブルへの対処法を詳しくまとめています。

業者に騙されたかも、と思っている方や、どのように対処すればいいのか知りたい方は、ぜひお役立てください。

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1.ウォーターサーバーのなにが問題?よくあるトラブル6つ



ウォーターサーバーにまつわるトラブルは、大きく分けて2つあります。

主に「契約によるトラブル」と「利用上のトラブル」になります。あなたのトラブルはどちらに当てはまりますか?


①だまし討ちや虚偽の宣伝によるトラブル
一時的な気分の盛り上がりにつけ込む勧誘
抱き合わせ商法によるトラブル
②その他の利用上のトラブル
チャイルドロックがきかない
思っている以上に場所をとる
飲み切れない量の水が届く
水に含まれる細菌による健康被害

それぞれ、詳しくみていきましょう。

①だまし討ちや虚偽の宣伝によるトラブル2つ

だまし討ちや商品内容についての虚偽の宣伝によるトラブルが

  • 一時的な気分の盛り上がりにつけ込む勧誘

    ショッピングモールなどで行われているクジ引きでウォーターサーバーが当選し、その場の雰囲気にのまれて契約してしまうことがあります。

    一時的な気分で契約すると、冷静になってから「思った以上にウォーターサーバーを使わなかった」「設置方法がわからず管理もできない」などの理由で後悔しがちです。


  • 抱き合わせ商法によるトラブル

    スマホやネット回線と一緒にウォーターサーバーを契約すれば料金が安くなる、ポイント還元できるなどといわれ、契約を勧められるケースがあります。

    ポイント還元や料金が安くなるなどのメリットや、メインとなるスマホやネット回線の説明にばかり意識が向き、ウォーターサーバーのサイズや水の量、解約金の有無などの説明を十分に聞かないまま契約してしまうのです。

②その他の利用上のトラブル4つ

業者に騙されたことによるトラブル以外のトラブルは、次のとおりです。

  • チャイルドロックがきかない

    「チャイルドロックがついているので子供がいる家庭でも安心」と言われ契約したものの、実際にはチャイルドロックがきかないケースがあります。

    チャイルドロックが自然に戻らず、子供が操作して熱湯で火傷を負うトラブルもあるなど注意が必要です。

    また、子供でも簡単にチャイルドロックを解除できるなど、そもそもの役割を十分に果たしていないこともあります。


  • 思っている以上に場所をとる

    一人暮らしだと部屋が小さく、ウォーターサーバーを置く場所に困るケースがあります。

    また、小さいウォーターサーバーでも、水の在庫の置き場所に困ってしまうこともあるようです。


  • 毎月決まった量が届くが飲み切れない

    ウォーターサーバーを契約すると毎月同量の水が届きますが、飲み切れず無駄にしてしまうケースがあります。


  • 水に含まれる細菌による健康被害

    未開封のボトルには、健康被害を引き起こすほどの細菌は含まれていません。

    しかし、ボトルをセットするウォーターサーバーに細菌が付着し、水を出すとき一緒に入ってしまうケースがあります。

    免疫力が低い乳幼児や高齢者は、健康被害にあう可能性があるため注意が必要です。


このように、ウォーターサーバーのトラブルでは、契約者側の不注意と業者側のミスによるものが報告されています。

トラブルが起こると、「返金してほしい」と思う人が多いでしょう。

次の章では、実際に返金に成功したケースとともに、実際のトラブル事例をご紹介します。


2.返金もある!ウォーターサーバーのトラブル事例2本



ウォーターサーバーのトラブルの内容によっては、返金が期待できます。

トラブルの詳しい事例とともに、解決できる可能性について詳しくご紹介します。

引っ越し業者から勧誘された後、ウォーターサーバー業者からの電話で契約した例

引っ越し業者を利用したところ、ウォーターサーバーを勧誘された事例です。

一度、断ったものの、ウォーターサーバー業者から電話で勧誘を受け、申し込みました。なお、契約書はもらっていません。

ウォーターサーバーの設置後、やはり不要だと考え解約を申し出たところ、そこで始めて解約金が必要な旨が説明されました。

解約金を支払うことを不服に感じた相談者は、クーリング・オフを申し出ましたが、「クーリング・オフは受け付けていない」と言われました。

  • ポイント

    この事例は、特定商取引法における電話勧誘販売にあたります。

    電話勧誘販売では、法律で定められた書面を受け取った日から8日間以内であれば、クーリング・オフが可能です。

    相談者は、国民生活センターに相談し、対応してもらったところ、最終的にクーリングオフが適用され、解約金も支払わずに済みました。

コンビニの外で行ったくじ引きでウォーターサーバーが当たった例

子供を連れてコンビニエンスストアに行ったところ、外でクジ引きを勧められ、ウォーターサーバーが当たった事例です。

相談者は通常、必要な年会費やレンタル料金が無料だと言われ、契約を決めました。

どの水を何本ずつ届けるのか説明を受けて決めましたが、子供がぐずったため、担当者に指示されるがまま契約書に住所・氏名を記入して帰宅。

後日、サーバーと水が届き、契約書を確認したところ、20日ごとの配達になっていました。相談者は、水が少なくなったら注文する形式だと思っていたため、解約しようとしたところ、1年以内の解約は手数料として5000円がかかると書面に書いてあったとのこと。

解約時の手数料や水の配送頻度について説明を受けておらず、まだサーバー設置・水の開封も行っていないため、無条件解約を求めて国民生活センターに相談しました。

  • ポイント

    前章でもご紹介しましたが、ウォーターサーバーは、スーパーやショッピングモールで勧誘イベントをしていたり、クジ引きで当たったりして契約し、トラブルになるケースがあります。

    クジ引きで当たった場合、「その場の雰囲気」「気分の一時的な高まり」、業者の「せっかく当たったのだから」という勧誘文句などに惑わされ、契約してしまいがち。

    また、業者は辞退しにくい雰囲気を作ることで、契約の成功率を高めていると思われます。

    ウォーターサーバーは機械の購入だけでなく、水を定期的に注文する形式の商品。ウォーターサーバーの機器は無料でも、毎月の水は別途料金が必要なので注意してください。

    また、ウォーターサーバーは、勧誘された場所や状況によって、クーリング・オフが可能です。

    勧誘された場所についてのポイントは、契約場所が特定商取引法で定める「営業所等」に合致していないかどうか。

    営業所等のルールは以下の通り。

    ①一定期間(2、3日以上)にわたる
    ②消費者が自由に商品を選択できるように陳列されている
    ③店舗に類似する販売のための施設を有している場所
    参照:2013年9月5日・国民生活センター『契約した場所や状況によってはクーリング・オフが可能な場合がある』

    こうしたルールに合致していない場所でいないところで契約した場合、クーリング・オフを適用できるはずです。

    クーリングオフの詳しい条件ややり方などについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。


3.ウォーターサーバー業者とのトラブル、相談先2つ



ウォーターサーバー業者との間でトラブルになったら、国民生活センターや弁護士に相談しましょう。

必ず解決するとは限りませんが、解決の糸口が見つかる可能性があります。

それぞれの相談先の特徴を詳しくみていきましょう。

①国民生活センター(消費生活センター)に相談する

国民生活センター(消費生活センター)は、日常生活で起こるトラブルを相談できる公的機関です。

トラブル解決のために、業者と連絡をとって交渉してくれます。

「クーリング・オフを申し込んだけど、認めてもらえない」といったケースでは、契約を確認し法的な問題があると、それを指摘してクーリング・オフを認めるよう促してくれることもあるので、困ったときには連絡しましょう。

電話番号:188
受付時間:平日9:00~17:00、土日祝10:00~16:00(窓口によって異なる)
休業日:12月29日~1月3日

国民生活センターについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。


②弁護士に相談する

法律の専門家である弁護士に相談することで、クーリングオフはできるのか、解約金を支払う必要はあるのかなど、具体的なアドバイスを得られます。

弁護士は、訴訟を起こすときに全面的なサポートをしてくれるため、スムーズなトラブル解決に繋がります。

弁護士は、日本弁護士連合会のウェブサイトから探せます。

また、クーリングオフが可能であるにもかかわらず業者が認めず、国民生活センターからの連絡にも応じないケースでは、訴訟も検討しましょう。


4.まとめ

  • ウォーターサーバー業者に騙されて契約させられるケースがあるため注意。

  • ウォーターサーバーは、契約した場所や状況によってはクーリング・オフできる。

  • 国民生活センターや弁護士に相談することでスムーズな解決が期待できる。

おわりに

ウォーターサーバー業者は、ショッピングモールのクジ引きなどでウォーターサーバーの機器を提供し、水の購入に別途費用がかかることを告げなかったり、その場の雰囲気で契約させようとしたりします。

クーリング・オフできるのにできないなどと言い、不当に契約を続けさせようとするケースもあるため、トラブルが起きたら早めに国民生活センターや弁護士に相談しましょう。

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